ST600クラスは、前戦ツインリンクもてぎラウンド終了時点で岡本裕生が72ポイントで暫定ランキングトップ。チャンピオン獲得の可能性があるのは、小山知良:59ポイント(13ポイント差)、南本宗一郎:58ポイント(14ポイント差), 荒川晃大:55ポイント(17ポイント差)、長尾健吾:54ポイント(13ポイント差)、阿部恵斗:47ポイント(25ポイント差)までの6名となっていた。
11時15分、13周の決勝レースがスタートする。ホールショットは岡本が奪い、南本、長尾健吾、荒川、小山、埜口遥希、阿部、國峰啄磨と続いて1コーナーに進入する。2コーナーでは、埜口が小山をインからかわし5番手に浮上していた。さらに埜口は、スプーンカーブ進入では、荒川のインを強引につき、押し出される形となった荒川がアウトに弾き出されてしまう。すぐにコースに戻るが小山と交錯。小山が失速したすきに國峰が前に出て行く。続くバックストレートでは、南本が岡本をかわしてトップに浮上し、オープニングラップを制する。これに岡本、長尾健吾、埜口、國峰、荒川、佐野優人、伊達悠太、小山、阿部と続いて行く。
南本と岡本が順位を入れ替えながらトップ争いを展開。その後方から追い上げて来た荒川が3周目のシケインで岡本をパス、2番手に浮上したところで、なんと荒川にジャンプスタートのライドスルーペナルティが課せられる。この時点で南本、荒川、岡本、埜口の4台がトップグループを、佐野優人、小山、長尾がセカンドグループ、やや間隔を空けて國峰、阿部が続いていた。しかし、ここで赤旗が掲示される。S字コーナーで和田留佳が転倒、マシンがコース上に残ってしまったためだった。
中断後、残り7周でレース2レースが行われることになる。スターティンググリッドは、レース1の3周終了時の順位となっておりポールポジションは南本、以下、荒川、岡本、埜口、佐野優人、長尾健吾、小山、國峰、阿部、伊達のTOP10グリッド。なお2番グリッドの荒川はライドスルーペナルティを消化していなかったため最後尾スタートとなった。
約30分の中断後、第2レースがスタート! 南本と岡本が好スタートを切る。僅かに岡本が前で1コーナーに進入する。埜口、小山、伊達、長尾健吾、井手翔太と続く。3コーナーでは、伊達が小山をかわして4番手に浮上する。MCシケインでは、南本が岡本をパスしてトップに、さらに積極的な走りを見せる埜口も岡本をスプーンカーブ進入でかわし2番手に上がる。岡本は、ペースが上がらず3番手にポジションダウン。その後方では、130Rで小山が伊達を抜き返し4番手に上がる。オープニングラップは南本が制し、埜口、岡本、伊達、小山、佐野優人、國峰、井手、長尾健吾、伊藤元治と続いて行く。
トップに立った南本は2周目に2分11秒999をマークして後続との差を広げ始める。2周目のバックストレートで2番手を走っていた埜口にマシントラブルが発生。白煙を吹きながらコースサイドにマシンを止め無念のリタイアとなってしまう。
オープニングラップを7番手で通過した國峰が着実に順位を上げてくる。3周目のシケイン進入で小山をパス、3番手に浮上すると4周目の同じ場所で岡本をパスし、2番手に浮上する。しかし5周目のホームストレートで岡本が國峰を抜き返す。さらに佐野優人もポジションを上げ2番手争いの集団で前に出てくる。後方では、最後尾スタートから18番手まで順位を上げていた荒川がスプーンカーブで転倒リタイアとなってしまっていた。
トップは南本が独走。3周目には2番手に2秒571の差をつけ、5周目には3秒946にまで広げる。セカンドグループは岡本、國峰、小山、佐野、伊達の5台。5周目のシケインへのブレーキングで國峰が岡本を刺して行く。すると佐野も岡本のインを突き3番手に浮上する。佐野は6周目の1コーナーで國峰をパスしてセカンドグループの先頭に立つ。後方では、小山が岡本をかわし4番手に浮上していた。しかし、MCシケイン立ち上がりで2番手争いをしていた國峰が後続の撒いたグラベルに乗り転倒を喫してしまう。さらに横山、芳賀瑛大も同じ場所で続いて点灯。このアクシデントで2度目の赤旗が掲示される。
レースは赤旗を持って終了。レース2の5周終了時点での順位が正式リザルトとなった。優勝は独走の南本、2位に國峰、3位に佐野優人、4位に岡本、5位に小山、6位に伊達、7位に長尾健吾、8位に横山、9位に中山耀介、10位に古山颯太、11位に井手、12位に芳賀瑛大、13位に佐野勝人、14位に芳賀涼大、15位に綿貫舞空と続いた。
岡本が2年ぶり2度目のシリーズチャンピオンを獲得。最終戦を制した南本は、2年連続ランキング2位。小山はランキング3位で2020年シーズンを終えることになった。 |