全日本ロードレース選手権は、シリーズ7戦目を大分県・オートポリスで迎えた。一足先に第6戦MOTEGI2&4レースでJSB1000クラスは、後半戦に突入していたが、他の3クラスにとっては、今回からが後半戦のスタートとなる。 前週に行われた事前テストは、台風19号、20号というダブル台風の接近で開催が危ぶまれたが、初日は、通り雨があった程度で走行できたが、2日目は、天気こそ快晴となったが施設の停電があり走行できなかった。翌日のスポーツ走行に残ったライダーもいたが、ほとんどのライダーが2日目でテストを切り上げたこともあり、不完全燃焼のまま事前テストを終えていた。 そんなテスト不足のまま迎えたレースウイークは、少しでも多く走り、マシンセットを進めたいところだった。しかし、初日となった金曜日、そして土曜日も不安定な天候に悩まされる結果となってしまう。 土曜日は、まず行われる予定だったJ-GP3クラスの公式予選が視界不良のため延期。JSB1000クラスも2度コースインするものの視界不良のため、すぐに赤旗が提示され、午前中の走行がキャンセルされることになる。この時点で、レース1の開催も中止という判断が下され、午後に4クラスの予選を行うスケジュールが出されていた。 午後、最初に行われたST600クラスは、公式予選を行えたが、続くJSB1000クラスのセッションが始まる直前に強い雨が降ってきてしまい、またもディレイ。結局、そのまま中止の判断がくだされ、続くJ-GP3クラスの公式予選もコースコンディションがよくないため中止となった。最後となったJ-GP2クラスは、コースコンディションが回復し、雨の中、公式予選が行われた。この日、中止となったJSB1000クラスとJ-GP3クラスの公式予選は、日曜日朝に行われることになった。 JSB1000クラスは、ここまで中須賀克行が5戦8レース中7勝を挙げる圧倒的強さを誇っている。事前テストでは、トップタイムをマークしており、今回も優勝候補の最右翼だと言えるだろう。 「天候の問題なので仕方がないですが、レース1ができなかったのは残念でしたね。事前テストから満足に走ることができていませんが、それは、みんな一緒ですから。ドライでもウエットでも、いい走りができると思うので、日曜日は予選、決勝といい結果を出せるように全力を尽くすだけですね」と中須賀。 ゼッケン1をつける高橋巧も今シーズン初優勝が是が非でも欲しいところだ。10年振りに復活したTeam HRCのエースとしてマシンを開発しながら、着実に中須賀との差を詰めてきている。 「レースウイークに入ってドライでは、数周しかできていませんが、そこでセットの方向性は見えて来ています。決勝は、ぶっつけ本番になってしまう可能性がありますが、それがうまく行けば、いいレースができると思います」と高橋巧。オートポリスとの相性は、いい方だと語っているだけに、打倒・中須賀に燃えている。 カワサキのエース、渡辺一馬も第3戦の再現に向け虎視眈々だ。 「オートポリスは、今のマシンで一番走っているコースなので、確実にアドバンテージがあると思います。そこを生かして予選、決勝と組み立てて行きたいですね。鈴鹿8耐で組んだジョナサン・レイ選手も来ているので、いいレースを見せたいですね。もちろんカワサキファンの皆さんの期待にも応えたいと思っていますよ!」と自信をのぞかせる。 ヨシムラの津田拓也、渡辺一樹、ヤマハファクトリーの野左根航汰などもトップ争いに加わって来そうだ。秋吉耕佑、高橋裕紀、清成龍一、加賀山就臣、水野涼なども上位に進出して来る可能性があるだろう。 20周で争われる決勝レース。土曜日の予報では、晴れとなっているが、15時以降には雨マークも…。ドライとなるか? ウエットとなるか? 平成最後の夏に行われる第7戦オートポリスラウンドを制するのは!?