今年は2013年以来、5年振りにツインリンクもてぎが開幕の舞台となり、全4クラス、そしてMFJ CUP JP250の全5カテゴリーが新しいシーズンを迎えた。 最高峰クラスのJSB1000クラスは、Hondaのワークスチーム、Team HRCが10年振りに復活し、話題を呼んでいるが、エースライダーの高橋巧が、3月上旬にトレーニング中に負傷し、2週間前の事前テストを走ることができずにレースウイークを迎えていた。 開幕戦ということもあり木曜日の特別スポーツ走行から始まり、金曜日のART走行と全セッションで速さを見せたのは、タイトル奪還に燃える中須賀克行だった。他のライダーが1分49秒台を切れない中、ただ一人、1分48秒台をマーク。2018年仕様のサスペンションを仕上げながら孤高の走りを見せつけていた。 公式予選は、ウエットコンディションとなり、ここで気を吐いたのがST600クラスからスイッチした星野知也だった。一時はリーダーボードのトップに立ったが、津田拓也、そして中須賀が星野を上回り、中須賀がポールポジションを獲得。津田拓也が2番手となるが、それでも星野は3番手と大健闘。全日本JSB1000クラスでBMW S1000RRを初めてフロントロウに導いた。2列目には高橋裕紀、野左根航汰、高橋巧、3列目にはヨシムラデビュー戦となる渡辺一樹、JSB1000デビュー戦となる水野涼、初日に転倒し左肩、左足を負傷している山口辰也と続いた。 その後、雨はほとんど止んだが、気温も低くウエットパッチが残るコンディションでレース1はスタートした。 ホールショットを奪ったのはセカンドグリッドの津田拓也。これに中須賀、高橋巧、星野、野左根航汰、高橋裕紀、渡辺一樹、水野、津田一磨、山口、加賀山就臣と続き、予選10番手グリッドスタートの清成龍一と続いていた。 オープニングラップをトップで戻って来たのは高橋巧。これを中須賀がピタリとマーク。星野が3番手に踏ん張り、高橋裕紀、野左根、津田拓也と続いて2周目に入って行く。3周目には中須賀がトップを奪うと、高橋巧、高橋裕紀、そして星野の4台がトップグループを形成。その後方からは、急激にポジションを回復してきた清成が迫り、逆に星野が遅れて行く。清成は4周目に星野と高橋裕紀をかわし3番手に浮上すると、5周目には4コーナーで高橋巧を、そしてヘアピンの進入でアウトから中須賀をかわしトップに浮上する。その直後の90度コーナーで中須賀が抜き返すが、立ち上がりで再び清成が前に出るとレースをリードして行く。 その後方では、秋吉耕佑が野左根をかわし6番手までポジションを上げていた。この直後を走っていた渡辺一樹だったが、9周目の90度コーナーへの進入でブレーキトラブルが発生し転倒リタイアとなってしまう。 トップ争いは、清成と中須賀の一騎打ちとなっていたが、11周目の4コーナーで清成がハイサイドに遭い、あわや転倒という場面だったが何とか持ちこたえる。これで中須賀がトップに立つと、そのまま独走し開幕戦を制した。2位には、レース終盤にファステストラップを出して追い上げた高橋巧が21周目に清成をかわして入った。以下、高橋裕紀、渡辺一馬、秋吉、山口、星野、津田一磨、津田拓也と続くトップ10となった。11位の中冨伸一をはさみ、もてローでおなじみの柴田義将が12位と健闘した。 レース2のグリッドは、予選のセカンドラップタイムとなり、中須賀がダブルポールポジション。2番手は野左根、3番手は津田拓也というフロントロウ。2列目には、高橋巧、高橋裕紀、そして星野が並ぶ。レース2も間違いなく中須賀が速いだろう。高橋巧やモリワキ勢、巻き返したいヨシムラ勢やカワサキ勢が、どこまで中須賀についていけるか? 天気予報は晴れとなっているが、最高気温は15度と低め。急な雨があれば、再び星野が速さを見せるかもしれない。23周で争われるレース2を制するのは誰だ!?