年間エントリー台数36台、毎戦50台近いエントリーで混戦のST600クラス。ポイントランキングトップの小山知良、4ポイントビハインドで追う岡本裕生。南本宗一郎、長尾健吾、奥田教介、31ポイント差の國峰啄磨までがシリーズチャンピオンの可能性を有する。
決勝日も朝方こそ霧に包まれたオートポリスだったが、天気も回復し爽やかな晴天に恵まれ15周による決勝レースがスタートした。ホールショットは小山が奪う。岡本、奥田、長尾、國峰と続いて1コーナーに進入する。直後の第1ヘアピンでは、岩田悟が転倒、最後尾でコース復帰するもリタイアとなる。オープニングラップは小山が制し、岡本、奥田、國峰、長尾、南本、岡村光矩、荒川晃大、古山颯太、和田留佳と続いて行く。2周目のホームストレートでは、岡本が小山の、國峰は奥田のスリップストリームから抜け出し前を伺う。小山はクロスラインで岡本を押さえ、奥田は1コーナーでかわされたが2コーナー立ち上がりで奪い返す。
序盤、先頭グループは小山、奥田、岡本、國峰、長尾が形成。この中から小山が抜け出して行く。5周目に1分53秒555のパーソナルベストをマークすると6周目以降も1分53秒台を連発。2番手以下が54秒台のため、5周目に0秒714だった2番手との差は10周目には4秒312にまで広がり独走態勢を築く。
その後方では岡本、奥田、國峰が激しい2番手争いを演じる。6周目の1コーナー立ち上がりで岡本がクロスラインから奥田をパス、2番手に浮上。7周目に國峰が奥田をかわして3番手に浮上する。しかし奥田も黙っていない。國峰の背後にピタリとつけると10周目のホームストレートでスリップストリームを使って國峰をパスして3番手を奪い返す。その勢いのまま約1秒前にいる岡本を追う。ダウンヒルストレートから昇りセクションでその差をみるみる縮め、ファイナルコーナースタンド前ではピタリと背後につけるとホームストレートで岡本をかわして2番手に浮上する。
トップを独走する小山は一度もトップを一度も譲ることなく、4秒964もの大差をつけて圧勝、今シーズン3勝目を飾る。奥田が激しい2位争いを制してゴール。岡本は悔しい3位、國峰は4位でフィニッシュした。
その後方では、4年振りに全日本ST600クラスにスポット参戦した大崎誠之が存在感を見せた。オープニングラップの11番手から徐々に順位を上げ、4台による6番手争いから抜け出すと、単独5番手で走行を続けていた長尾の背後につけ14周目のホームストレートでかわして5位でチェッカーを受ける。以下、6位に長尾、7位に岡村、8位に南本、9位に荒川、10位に伊達悠太の上位10台であった。
ランキングトップの小山は135ポイント、9ポイント差の126ポイントで岡本2番手。奥田は107ポイントで小山との差は28ポイントとなった。仮に最終戦を小山がノーポイントで奥田が優勝すると同ポイントとなるが優勝回数の差で小山が権利を獲得するため、今シーズンのチャンピオン争いは、小山と岡本の2人に絞られた。 |