2015年全日本ロードレースシリーズのチャンピオンを決める最終戦が三重県・鈴鹿サーキットで開催された。前戦岡山大会終了時のシリーズランキングトップは横江竜司88ポイント、ランキング2位のデチャ・クライサーが72ポイント、ランキング3位前田恵助68ポイント、この3名にチャンピオン争いは絞られた。横江が有利な状況だったが、朝のウォームアップ走行でまさかの転倒、マシンを大破させてしまう。幸いにもライダーに大きなケガはなく、決勝レースまでの僅かな時間でマシンを修復しなければならず緊張が走った。スタート進行ギリギリまでにマシンの修復を終えた横江は何とかグリッドに整列することができた。
午前10時15分、決勝レーススタート! ホールショットは近藤湧也が奪い、2番手に前田、予選7番手サードロウのチャランポン・ポラマイが3番手にジャンプアップ、大久保光、デチャ、そして横江と続いて第1コーナーに進入する。その直後S字コーナーで中本郡と北見剣が転倒するアクシデントが発生! 早くも戦列から離れてしまう。その後、ヘアピン進入の110Rでは、大久保光がチャランポンをかわして3番手に浮上する。デチャもチャランポンをかわし、オープニングラップは、トップ近藤、2番手前田、3番手大久保光、4番手デチャ、5番手チャランポン、6番手横江、7番手岩戸亮介、8番手高橋颯、9番手榎戸育寛、10番手稲垣誠の上位10台となる。
先頭集団は近藤、前田、大久保、デチャ、チャランポンの5台であったが、チャランポンが次第に遅れ始める。近藤、前田、大久保、デチャは2分14秒台の前半で周回、4周終了時点でチャランポンとの差を2秒774にまで広げる。そのチャランポンの後方から横江、稲垣が追いついてきて3台による5番手争いとなる。
4周目のシケインでデチャが大久保をかわして3番手に浮上する。トップ4台はタテ1列のほぼ同間隔で周回、その約5秒後方で熾烈な5番手争いが展開される。ペースの上がらないチャランポンを横江がバックストレートでパス、5番手に浮上、さらにシケインの突っ込みで稲垣がチャランポンをかわして6番手に浮上する。
6周目のシケインのブレーキングで前田が近藤のインを突くが、痛恨の転倒。再スタートするものの大きく遅れてしまう。これで先頭集団は3台となる。7周目に大久保がデチャをかわして2番手に浮上するが、8周目の第1コーナーでデチャが抜き返して再び2番手に。大久保はピタリとデチャの背後につけてコーナー毎に揺さぶりをかけるが抜くことができない。その間にトップの近藤が少しずつ差を広げ始め、10周終了時には、2番手に1秒202の差をつける。一方、大久保とデチャのテールtoノーズの激しい2番手争いが最終ラップまで続く。
4番手争いも熾烈になってきていた。稲垣と横江もテールto ノーズのバトルを展開、9周目のスプーンでついに稲垣が横江をかわして4番手浮上する。横江はその後10周目にチャランポンにもかわされて6番手となる。さらにその後方で岩戸と奥野が7番手争いを展開、岩戸をかわした奥野が横江を追いかけて3台による6番手争いのままファイナルラップに突入する。
近藤はそのまま逃げ切り、ホールショットを奪ってから一度もトップを譲らず2位に1秒418をつけて、うれしい全日本初優勝を飾った。2位にデチャ、3位に大久保が入る。激しい4番手争いは、ファイナルラップにチャランポンが稲垣をかわして4位、5位に稲垣となる。6位争いは岩戸が奥野をかわして6位、7位奥野、8位横江の順となった。9位に榎戸、10位に高橋の上位10位となった。
横江は8位入賞で16ポイントを加算して104ポイント、デチャが2位25ポイント加算して97ポイント。横江が2006年GP250クラス以来、2度目のシリーズチャンピオンを獲得した。 |