雲が多めながらも秋らしい好天となった決勝日。この日、最初の決勝レースがスタートする直前、グリッド上で福嶋佑斗のエンジンがストール、スタートディレイとなり1周減算の18周で争われることなった。 仕切り直しの決勝スタート。ホールショットは絶妙なスタートを決めた小室旭が奪い、古市右京、栗原佳祐、安村武志の順に第1コーナーに進入する。モスエスからアトウッドコーナー進入で栗原が古市をかわして2番に浮上する。しかしバックストレートからヘアピン進入にかけて3番手の古市が栗原、小室をかわして一気にトップに立つ。リボルバーコーナー立ち上がりで山本恭裕がハイサイドに遭い、マシンが縦回転するほどの激しい転倒。これを避けようとした長谷川聖はコースアウトして転倒を喫する。宇井陽一とアヌパブ・サルムンも山本を避けようとしてラインを変える。その隙にスタートで15番手までポジションダウンした伊達悠太が8番手に浮上する。 オープニングラップは、古市、栗原、小室、中島元気、安村武志、船田俊希、岡崎静夏、伊達、岸田慶一、宇井の上位10台。2周目のホームストレートで栗原が古市をかわしてトップに立つがトップスピードの速さを持つ古市は同じホームストレートで栗原をパス、再びトップに浮上する。 7周目、8台のパックに大きな変化が起きる。ホームストレートで栗原が古市をパスしてトップに立つと、その先のヘアピンで安村と中島が古市をかわして2番手、3番手に浮上、伊達もその先でパスして4番手、古市はトップから5番手、小室は3番手から6番手にポジションダウン。中島はその勢いで安村と栗原をパスしてトップに浮上する。伊達も安村をかわして3番手に浮上する。8周目の順位は、トップ中島、2番手栗原、3番手伊達、以下安村、古市、小室、船田、岡崎の8台パックとなっていた。 しかし9周目のホームストレート、大きくイン側に振った栗原がブレーキングで中島を抜き返してトップに立つと1分37秒台後半から38秒フラットのラップタイムで集団をリードする。トップ栗原、若手の伊達、中島、ベテランの小室、古市はこの集団から抜け出したいところだかラップタイムが均衡しており、2番手以降は、毎周順位が入れ替わる接近戦を余儀なくされる。 14周目、小室と古市は伊達、中島をかわして2番手・3番手に浮上する。小室はその勢いで栗原に襲いかかり15周目にトップに浮上する。しかし16周目の1コーナーで小室は栗原に抜き返され2番手、さらに古市も伊達、中島にかわされ5番手に後退する。 トップ栗原、2番手小室、3番手中島、4番手伊達、5番手古市で迎えたファイナルラップ、各自最後のアタックを仕掛ける。1コーナーで伊達が中島をかわして3番手浮上、前を行く小室を追う。わずか1ポイント差で抑えてランキングトップに立っているのでなんとしても小室の前でゴールしたい伊達。バックストレートから4ワイドで5台のマシンが一気にヘアピンへ進入、小室がトップ、しかしラインがクロスして栗原トップでリボルバーコーナーを駆け下りてくる。小室の背後には伊達。栗原は僅かにリードを広げそのままトップチェッカー!昨年の最終戦鈴鹿以来1年ぶりの優勝を飾る。モリワキクラブへ移籍後初優勝、しかもポールポジションからだった。 注目の2位争い、最終コーナーをかなりイン寄りのラインから小室をかわした伊達、しかし止まりきれずゼブラからグラベルへオーバーラン。小室もゼブラまではみ出てしまう。その隙を突いて一気に加速してきたのが古市、コントロールライン手前ギリギリで中島をパスして2位表彰台を獲得。3位に中島。4位に小室。伊達はコース復帰するも7位フィニッシュ。5位は安村、6位船田、8位サルムン、9位佐野勝人、10位岸田慶一のトップ10であった。
レーススタート