2015年の全日本ロードレース選手権シリーズ第8戦、ST600クラスの4戦目となるレースが岡山県・岡山国際サーキットで開催された。 決勝日朝のウォームアップ走行で転倒した予選5番手の大崎誠之が決勝レースをキャンセル。さらに決勝レース前のウォームアップ走行で予選6番手の岩戸亮介がピットインしてきたため、5番、6番グリッドが空いたまま午後3時25分、ST600クラスの決勝レースがスタートした。 ホールショットはデチャ・クライサーが奪い、横江竜司、チャランポン・ポラマイと続いて第1コーナーに進入する。その直後、第1コーナー立ち上がりで稲垣誠がハイサイドを起こし転倒。これに津田一磨が巻き込まれる形で転倒し、早くも2台が戦列を離れてしまう。ヘアピン進入では、予選4番手スタートの大久保光がチャランポンのインを突いて3番手に浮上する。オープニングラップは、デチャ、横江、大久保、チャランポン、前田恵助、近藤湧也、榎戸育寛、中本郡、奥野翼、北見剣の上位10台。 デチャ、横江、大久保の先頭集団は1分34秒前半にペースを上げ1分35秒台の4番手以下に対し、3周目には2秒944秒の差をつける。トップ3台はコンマ2秒からコンマ3秒の等間隔で周回を続けるが5周目に横江が1分33秒980のファステストラップを刻みデチャとの差を縮める。しかし7周目の第1ヘアピン進入でスリップから抜け出した大久保が横江のインを突いて2番手に浮上する。 トップグループ3台と4番手チャランポンの差は4周目には3秒955秒、5周目に5秒274秒と徐々に広がっていく一方。その後方には前田、榎戸、近藤が等間隔で続き、さらにその後方では中本、田尻、奥野が接近戦で8番手争いをしていた。5周目に田尻が奥野を、6周目に近藤が奥野をかわす。9周目に田尻が近藤をかわして7番手に浮上する。 2番手に浮上した大久保はトップのデチャの背後につけ、テールtoノーズのバトルを展開するが、9周目のアトウッドカーブで膨らんでしまい、横江が2番手に浮上する。トップ3台は、三つ巴のバトルを展開しながらレース中盤から終盤を迎えていく。そして14周目に入ったホームストレートでデチャの背後についた横江が第1コーナーでインを突きトップに浮上する。この頃になるとバックマーカーが出てくるが先頭集団はうまくかわしながら激しいバトルを展開する。 残り2周を切った18 周目の第1ヘアピンでデチャが再びトップを奪うとペースを上げて引き離しにかり、その差を0.744秒差に広げてファイナルラップのコントロールラインを通過する。横江も何とかその差を縮めようとするが勝負を仕掛けるところまではいけなかった。そのままデチャがトップチェッカー、今季初優勝を飾った。2位に横江、3位に大久保が入る。大久保はST600クラスにスイッチして初の表彰台を獲得。4位にはチャランポン、5位前田、6位榎戸、7位田尻、8位近藤、9位奥野、10位高橋颯の上位10台であった。横江は16ポイント差をつけてシリーズランキングトップで最終戦鈴鹿を迎える。