決勝日は朝からどんよりとした曇天。午前中のレースはウエット宣言が出されたが、J-GP3決勝レースが始まる頃にはところどころウエットパッチが残るものの予定周回数のままドライでスタートした。
最終戦をランキングトップで迎えた山田誓己は3番手グリッド、ランキング2番手の水野涼は13番手グリッドからのスタートとなる。 ホールショットは山田が奪い、小室旭、宇井陽一の順に第1コーナーに進入する。S字で宇井がトップに立ち、8番グリッドから好スタートを切った徳留真紀が4番手までジャンプアップ。オープニングラップから激戦を予想させるトップ争いが始まった。オープニングラップは宇井が制し、小室、徳留、山田、作本、岩戸亮介、菊池寛幸、鳥羽海渡、伊達悠太、大久保光の上位10台。大久保は予選18番グリッドから10番手まで上げてきた。2周目に入るとトップ争いは7台による混戦となり山田が8番手まで順位を落とす。130Rで作本が一気にトップに出る。出遅れていた山田は3周目に6番手、さらには130Rで2番手まで上がり、最終コーナーでわずかに膨らんだ作本のミスを逃さず一気にトップに浮上する。この頃には先頭集団は13台にまで膨れ上がり4周目の西ストレートでは4ワイドで130Rに進入、シケインで菊池がトップに浮上する。しかし、1コーナーの進入で徳留がトップ、さらには山田も菊池をかわしてポジションを上げる。5周目までは毎周トップが入れ替わる混戦が続いたが、6周目にトップに立った徳留がレース終盤となる10周目までトップを走行する。
一方、2番手以降の順位の変動は激しかった。山田、岩戸、菊池のバトルに、一時12番手まで後退した鳥羽が戦線に加わってきた。アジアタレントカップの初代王者となった鳥羽は、混戦を何度も戦ってきた経験を生かし序盤は様子を見ていたいという。その言葉通り6周目には6番手、7周目には5番手、8周目には3番手まで順位を上げてきた。レース終盤になっても先頭集団はバラけるどころか大久保、水野涼を加えた9台にまで膨れあがる。レースも終盤となる9周目、鳥羽が2分20秒370の自己ベストタイムを出してシケインで山田をパスして2番手に浮上、しかし山田も10周目の2コーナーで鳥羽を抜き返す。一方、トップを走る徳留も2分20秒446の自己ベストタイムで逃げにかかる。しかし、鳥羽が130R進入からシケインへのブレーキングでトップに立ち、さらに大久保も山田をかわして3番手に浮上する。
迎えたファイナルラップ、鳥羽、徳留、大久保、山田、岩戸、作本、水野の先頭集団7台は団子状態でコントロールラインを通過。2コーナーで徳留がトップに立つがダンロップコーナーで鳥羽が前に出て西コースに向かっていく。そしてスプーンカーブを鳥羽、徳留、大久保、山田、の順に立ち上がり4ワイドで西ストレートから130Rへ進入する。ここで徳留は姿勢を崩してしまう。そして最後の勝負となる最終シケインに7台がまとまって進入、その混戦の中を鳥羽がトップで立ち上がり、そのままトップでチェッカー! 今季3勝目を挙げる。岩戸が2位、3位には大久保が入った。4位徳留、5位作本と続き、タイトルを争う2人は、水野が山田の前となる6位でゴールするが山田は7位でシリーズポイントを124とし、2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した。 |