オートポリス スーパー2&4レースを迎えた全日本ロードレース選手権。昨年に続き一番の激戦区となっているST600クラスのみが開催され、土曜日にレース1、日曜日にレース2が行われる2レース制が採用された。オートポリスは、このシーズンオフに路面を全面改修したため、走りやすくなっておりコースレコード更新は必至の状況だった。 今回のレースは事前に合同テストはなかったが、ライダーによってはスポーツ走行を走っていた。中でも暫定ランキングトップを走っているYamaha Thailand Racing Teamのチャランポン・ポラマイは、これまでのレコードタイムを大きく上回る1分52秒7をたたき出しており、公式予選でも注目のライダーの一人だった。 今回の公式予選は、ST600クラスでは、この大会が唯一ノックアウト方式を採用していたが、金曜日の走行が雨となったため、まず20分のウォームアップ走行があり、30分のQ1でレース1のグリッドが決まり。Q2には、上位24台が進出し、レース2のグリッドを決めるという変則的なノックアウト予選となった。 ウォームアップ走行では、いきなりアクシデントが起きた。第2ヘアピンでチャランポンと清水直樹が接触し転倒。大きなケガがなかったのは不幸中の幸いだったが、短いインターバルで何とかマシンを修復し、Q1に臨んでいった。このQ1で驚速振りを発揮したのが津田だった。セッション開始直後に1分52秒547をたたき出し、レース1のポールポジションを獲得した。2番手にデチャ・クライサー、3番手にチャランポンと続き、前戦で表彰台に上がった3人がフロントロウを占めた。以下、11番手までのライダーがコースレコードを更新する予選結果となった。 続くQ2では、チャランポンがただ一人1分52秒台をマークしレース2のポールポジションを獲得。2番手にデチャ、3番手に津田と同じメンバーがフロントロウに並ぶ結果となった。 迎えたレース1。好スタートを見せたのは、デチャでホールショットを奪う。以下、津田、チャランポン、中冨伸一、小林龍太、渡辺一馬、稲垣誠と続いていく。そのままデチャがレースをリードするかと思われたが、2周目に入るホームストレートでは、小林がトップに浮上。デチャ、津田、中冨、チャランポン、渡辺、稲垣、横江竜司、大崎誠之、井筒仁康が追う。しかし、3周目には、デチャがトップに出ると、それに呼応するようにチャランポンも2番手に上がる。津田もタイヤマハの2人を逃すまいと3番手に浮上。小林と中冨も続き、レース序盤は5台がトップグループを形成していた。津田は、4周目に、このレースのファステストラップをマークし、さらに前を伺っていたが、6周目の第2ヘアピン手前でエンジンブロー。無念のリタイアとなってしまう。この津田のマシントラブルで小林、中冨が遅れてしまい、トップ争いは、デチャとチャランポンの一騎打ちとなる。このチームメイト同士の争いは、最終ラップにデチャとチャランポンが接触。チャランポンは転倒し、右アゴを開放骨折する重傷を負ってしまう。デチャは、そのままトップでチェッカーを受け念願の全日本初優勝を飾った。2位争いは、最終ラップの第2ヘアピンで前に出た中冨が制し、小林、渡辺と続いた。