1周1分を切るタイトな筑波サーキット30周で争われた決勝レース。天気は快晴、気温も上がり初夏を思わせる暑さとなった。 ホールショットを奪ったのは、2列目アウト側の4番手グリッドからスタートした加賀山就臣。これに高橋巧がアウト側から1コーナー立ち上がりでかぶせていく。加賀山は、ここでリアタイヤがスライドし、あわやという場面だったが、何とか立て直す。このすきに高橋がトップに立ち、中須賀克行、加賀山、山口辰也、柳川明、芹沢太麻樹、清水郁己、藤田拓哉、今野由寛、須貝義行、東村伊佐三と続いていく。ヘアピンで芹沢が柳川をかわして5番手に浮上し、ホームストレートに戻ってくる。高橋は、一気にハイペースで周回を重ね、3周目には、このレースのファステストラップとなる56秒170をマークしレースを引っ張っていく。この高橋のペースについていけたのは、中須賀だけだった。トップ争いは、高橋と中須賀の、3番手争いは加賀山と山口の、5番手争いは芹沢と柳川の、それぞれ一騎打ちとなっていく。この3つのバトルのうち、最初に勝負がついたのが、芹沢と柳川だ。柳川は、4周目に芹沢をかわすと、そのままペースアップし、芹沢を突き放していく。 トップ争いに動きがあったのは、10周目だった。1コーナーで中須賀が高橋をかわしてトップに浮上。56秒台前半から中盤というハイペースで繰り広げられたトップ争いは、レースの折り返し地点を過ぎてもテール to ノーズのままだった。バックマーカーも現れレース終盤が勝負となるだろうと思われた。しかし、18周目の第2ヘアピンで高橋が痛恨の転倒。高橋はすぐにマシンを起こして走り出すものの、5番手にポジションを落としてしまう。レース後に分かったことだが、この転倒で左親指の付け根を骨折、さらにレバーが折れていたためペースを上げられず、芹沢、今野由寛にもかわされ7番手まで下がってしまう。 高橋の転倒でトップ独走となった中須賀は、そのまま危なげない走りを見せ、今シーズン2勝目を飾った。ラストラップのバックストレートでは、豪快なウイリーを見せる余裕の勝利だった。2位には、山口を引き離した加賀山が入り、約3秒差で山口が3位でゴールした。柳川が4位、芹沢が5位、今野が6位でフィニッシュし、満身創痍の高橋が7位でゴールした。以下、須貝、片平亮輔とゴールし、ここまでがトップと同一周回だった。