ポールシッターの中本郡がスタートダッシュを決め、ホールショットを奪い、野左根航汰、渡辺一樹、高橋英倫、関口太郎と続いていく。渡辺はアジア(MC)コーナーでミスし5番手までポジションを落とすが、第2ヘアピンで関口のインに入り4番手まで挽回。オープニングラップは中本、野左根、高橋、渡辺、関口、浦本修充、岩田悟、野田弘樹、大木崇行、生形秀之の順にコントロールラインを通過していく。 渡辺は2周目に3番手に浮上。浦本も5番手に上がると、翌3周目には4番手につけ渡辺に迫っていく。一方、トップを走る中本は3周目にファステストラップとなる57秒727をマークし後続との差を広げていく。4周目には、渡辺が野左根を抜き2番手に浮上するが、その時点でトップ中本との差は1秒8まで広がっていた。 開幕戦を制し、今回も優勝争いに名を上げていた浦本だったが、5周目の1コーナーでまさかの転倒。レースには復帰するものの、最後尾からの追い上げとなり、早々に優勝戦線から離脱してしまう。 そんな浦本を尻目に、2番手につける渡辺は5周目に57秒748をマークし、中本追撃態勢に入る。3位争いは、野左根と関口の一騎打ち、岩田はマシントラブルを抱えながらも、必死のライディングで後続を抑えていた。 トップを争う中本と渡辺の差は少しずつ縮まっていき、レース中盤にはコンマ5秒を切る。その後方では、岩田、大木、生形、野田、高橋が5位争いを繰り広げる。 レース終盤となった22周目、ついにトップが入れ替わる。第2ヘアピンで渡辺が中本のインを突きトップに浮上する。しかし、その翌周のS字コーナーで、渡辺がギアが抜けを起こしてしまう。中本は、第1ヘアピンの立ち上がりで、すかさず渡辺の前に出ていくと、2台はダンロップコーナーに並んで進入。アジア(MC)コーナーでは中本が渡辺を抑えるが、その直後の第2ヘアピンでは、またも渡辺がトップに立つ。ここが、この2人の勝敗を分けるポイントとなり、渡辺が中本を抑えきりトップでチェッカ−。うれしい全日本初優勝を達成した。中本はコンマ3秒差の悔しい2位。3位には関口を抑えきった野左根が初の表彰台に上がり、関口が僅差の4位でゴールした。レース終盤、3台に絞られていた5位争いは最後までポジションが変わらず、岩田、大木、生形の順にチェッカー。やや離れて野田をかわした高橋が8位でゴール。序盤に転倒した浦本は14位でチェッカーを受けている。