2016年シーズンの全日本ロードレース選手権が茨城県・筑波サーキットで開幕した。筑波での全日本は、休止や昨年の水害の影響もあり、実に約3年振りの開催となる。今回は、J-GP2クラスを2レース、J-GP3クラス、ST600クラスに加え、新しいカテゴリーとなるMFJ CUP JP250を初開催した。 J-GP2クラスは、2014、2015年チャンピオンの高橋裕紀がJSB1000クラスにスイッチしたためゼッケン1不在のシーズンとなるが、他のクラスからのスイッチ、チームを移籍したり、新体制になったりと話題にこと欠かないシーズンインとなっている。中でも、今シーズンよりTeam KAGAYAMA入りし、JSB1000クラスからスイッチした浦本修充が前週に行われた事前テストから好調。また、水野涼、國峰啄磨、三原壮紫といったJ-GP3クラスからステップアップしたライダーも元気のいい走りを見せていた。対して迎え撃つ継続参戦組では、4年連続ランキング2位の生形秀之が事前テストでは、トップタイムをマーク。新体制となった岩崎哲朗もタイヤをピレリにスイッチし、ハイアベレージで走っていた。 レースウイークに入り金曜日の走行では、浦本がトップタイムをマークし期待通りの走りを見せ、水野、生形、國峰、関口太郎、岩崎と事前テストと同じメンバーが上位を占めていた。 公式予選は、40分間の計時予選とJ-GP2クラスでは初となるスーパーポールで行われた。計時予選でレース1の11番手以下と日曜日のレース2グリッドが決定。計時予選のトップ10がスーパーポールに進出し、レース1のトップ10が1周のタイムアタックで争われた。 事前テストでは生形が57秒163をマークしておりトップは56秒台に入るのではと思われたが、計時予選では、浦本のマークした57秒291がトップとなり、レース2のポールポジションを獲得。國峰、水野、岩崎、生形、三原、関口、石塚健、渥美心、井筒仁康と続きスーパーポールに駒を進めた。スーパーポールでは、渥美がまず57秒台に入れてくる。これを岩崎が破り、最後のアタックとなった浦本がコンマ2秒届かず2番手となった瞬間、岩崎のレース1でのポールポジションが確定した。 20周とやや短い周回数で争われたレース1。2番手グリッドからスタートした浦本がホールショットを奪い、渥美、岩崎、関口と続いて行くが、オープニングラップを制したのは渥美だった。以下、浦本、岩崎、関口、生形、井筒、三原、石塚、長尾健吾、水野、作本輝介、日浦大治朗の順で2周目に突入して行く。渥美は、ハイペースで飛ばし、これを浦本が追う展開となる。3位争いは、岩崎、関口、井筒、三原、生形、國峰、石塚が繰り広げていた。安定した速さを見せていた水野は、スタートで出遅れると追い上げていた4周目に転倒を喫してしまう。 その後もトップ争いは、渥美がレースをリードし、浦本がマークする展開が続き、レース終盤となった17周目に渥美が自己ベストを更新する走りで浦本を引き離しにかかるのだが…。18周目の1コーナーに入ったところで渥美のマシンにトラブルが発生してしまい失速。そのままS字コーナーのイン側にマシンを止め悔しいリタイアとなってしまう。これで単独トップとなった浦本は、そのままチェッカーフラッグを受け今シーズン最初のレースを制した。3位争いから2位争いとなった集団は、最終ラップの1コーナーで関口をかわした國峰が4番手に浮上。最終コーナー進入で、岩崎のインに三原が、これに國峰も続き、三原、國峰、岩崎、関口、生形の順でゴール。Team NOBBYのティーンズライダーが2、3位に入る健闘を見せた。 レース2も20周で争われる。浦本がダブルウインを達成するか!? 渥美が巻き返すか!? それとも若手が台頭するか!? 実力伯仲のJ-GP2クラスで表彰台の中央に上がるのは誰だ!