10年ぶりの全日本ロードレース復帰早々にポールポジションを獲得して話題を振りまいた高橋裕紀がホールショットを決め、デチャ・クライサーがピタリと背後につける。予選5番手から3番手に浮上した井筒仁康、浦本修充、渡辺一馬、生形秀之、予選13番手からジャンプアップしてきた岩田悟と続く。 高橋とデチャは1分52秒台でラップするのに対し、井筒は53秒台と3周目にはトップ2台と井筒の差が1.5秒に開く。その井筒の0.2秒後ろにピタリと浦本がつき抜くチャンスを伺う。 コースレコードを更新する好タイムで予選2番手を獲得した渡辺はスタートで出遅れ5番手となる。しかし5周目の第2ヘアピンで勝負を仕掛け、一気に浦本、井筒をかわして3番手に浮上する。序盤は高橋、デチャ、2秒後方に渡辺、浦本のセカンドグループ、その2秒後方に井筒、生形のサードグループが等間隔で続いていた。 レース折り返しを過ぎた9周目、前周に1分52秒407の自己ベストをたたき出した渡辺がなんと最終コーナーで転倒を喫して戦列から離脱してしまう。これで前が空いた浦本がペースアップ、約3秒前にいる先頭集団を追いかける。 高橋とデチャはトップ争いを展開、デチャがヘアピンでインを突いたりラインを変えたりして攻めるが高橋をパスするには至らない。その後方で1分52秒340のファステストラップを刻み、約3秒開いていた差を2.2秒まで縮めた浦本であったが14周目の第2ヘアピンで痛恨のスリップダウン、すぐにコース復帰するも6番手までポジションを落としてしまう。 レースも残すところ3周。トップ2台は相変わらず激しいバトルを展開、3番手に生形が上がってくる。しかし前との差は10秒開き、井筒、小山知良と激しい3番手争いを展開する。そして迎えたファイナルラップ、ホームストレートでデチャが高橋に迫るが捉えることができずそのままチェッカー。高橋が全日本ロードレース復帰戦をポールtoフィニッシュで飾った。終止高橋を攻め立てたデチャが2位。3位表彰台には生形が入り、4位に井筒、5位に小山の順となった。浦本は6位でゴールし、岩田悟、大木崇行、関口太郎、高橋英倫、長尾健吾、亀谷長純と続いてゴールした。