開幕戦ツインリンクもてぎから2週間、全日本ロードレース選手権は、第2戦鈴鹿2&4レースを迎えた。冷たい雨のレースとなった開幕戦は、リベンジに燃える秋吉耕佑が一人旅で優勝。2位に高橋巧、3位にディフェンディングチャンピオンの中須賀克行という結果となった。開幕前に負傷していた中須賀、柳川明、昨年のケガの再手術を行った加賀山就臣は、我慢のレースを強いられていたが、今回も回復するには、あまりにも時間が少なく、厳しいレースになりそうだ。 そんなライバルを尻目に、秋吉は今回の鈴鹿ラウンドで8耐仕様のマシンを投入。スプリント仕様に比べると車重があるが、鈴鹿8耐に向けた実戦テストを優先した形だ。それでも、ここ数年、鈴鹿では絶対的な速さを見せている秋吉は、初日からトップタイムをマーク。公式予選でも"路面コンディションが悪くグリップがよくない"と言いながらも2分07秒322をマークしポールポジションを獲得。セッション後半にもセクター1、2でベストタイムを更新しながらも、赤旗が提示されてしまう。この赤旗がなければ、さらにタイムは詰まっていたはずだ。 「今回は仕様が変わっていますが、チームやパーツを供給してくれている方も頑張ってくれているので順調に仕上がってきています。3周目までのスピードはあると思うので、スタートを決めてレースをコントロールしたいですね」と秋吉。 2番手には、もてぎの事前テストで転倒し腰椎の横突起を4カ所も骨折。その負傷が癒えていない柳川が健闘、2分07秒648をマークしフロントロウ2番手につけた。 「本人が一番ビックリしています。周りは路面コンディションが悪いって言っているみたいですけれど、それを気にする余裕もないですから(笑)。確かに開幕戦よりは(身体の状態は)よくなっていますけれど連続走行は厳しい状況です。とは言っても大事なのはレースで完走した順位ですからね。15周の我慢大会を頑張りますよ。序盤で離されないようにして、ついていきたいですね」と柳川。 フロントロウ最後となる3番手には、高橋がつけたが、予選は今ひとつ攻めきれなかったようだ。 「予選は、コンディションがよくなかったですね。マシンは、まだ詰めるべきポイントが残っているので(マシンの)バランスを調整してレースに向けてアベレージタイムを上げいきたいですね」と高橋。 "順位よりもトップについていって走りを見て自分の経験値を上げていきたい"と気合いを入れるヨシムラの津田拓也が4番手、左肩の脱臼から約1カ月の中須賀は、予選で1周だけ意地のアタックで5番手、今回も我慢のレースになるという加賀山が6番手と2列目に並ぶ。3列目には、初日に転倒があった山口辰也、予選で転倒を喫した渡辺一樹、鈴鹿レーシングの安田毅史がつけた。以下、今野由寛、藤田拓哉、酒井大作、出口修と2分10秒台で続いた。 決勝は、15周という短期決戦で行われる。一発でも、アベレージでも速さを持つ秋吉の序盤のペースについていけるかが、レース展開を左右するだろう。秋吉のワンサイドになるか? 混戦となるか? 最終コーナーをトップで駆け下りてくるのは果たして!?!?