2020年の全日本ロードレース選手権第1戦が、8月になり、ようやく宮城県・スポーツランドSUGOで始まった。コロナ禍のもと、4月に開幕するはずだったが、延期や中止が相次いでしたが、ついに2020年の最初のレースを迎えていた。 7月下旬に行われた公開テストは、初日に大雨に見舞われ午後のセッションがキャンセルされるなど、天候に恵まれなかった。8月に入り、東北地方も梅雨空けし、暑い日が続いていたため、レースウイークの初日となった土曜日は、雨。公式予選、そしてJSB1000クラスのレース1が行われた日曜日も朝から雨模様となっていた。 公開テストからYAMAHA FACTORY RACING TEAMの2人がセッションをリードしており、ウエットとなった公式予選も野左根航汰がリードしダブルポール。2番手に今シーズン10回目のチャンピオンを狙う中須賀克行が続き強さを見せる。セカンドタイムで決定するレース2のグリッドは、清成龍一が3番手に食い込むが、前田恵助もレース1のグリッドは3番手、レース2は4番手と速さを見せていた。 雨は、ときおり止むものの路面は乾かず、ウエットコンディションのままレース1のスタートを迎える。好スタートを見せたのは、ポールポジションスタートの野左根、これにセカンドロウ4番手グリッドの清成も続くが、2コーナーでイン側から中須賀が前に出て2番手に浮上すると4コーナーのブレーキングで野左根をかわしてトップに立つ。しかし野左根も加速で並びかけ、2台並んだままS字コーナーに入って行くとハイポイントで野左根が前に出る。これで落ち着いたかと思われたが、シケイン手前の110Rで中須賀が抜き返し、オープニングラップからチームメイト同士の激しいバトルを繰り広げる。しかし、その決着は、その直後の2コーナーで着くことになる。 2周目の1コーナーへのブレーキングでインから野左根が前に出るが、2コーナーでインを取った中須賀が再び前に出て行く。しかし、2コーナー立ち上がりでアクセルを開けた中須賀は、ハイサイドで転倒を喫してしまい痛恨のリタイア。右肩を痛めてしまい、月曜日のレース2は、出走できるか分からない状況だ。 中須賀の転倒により野左根は、すぐさま独走体制を築きレースをリードして行く。後方では、清成の背後に水野涼が迫り前田、渡辺一樹、渡辺一馬、濱原颯道、秋吉耕佑、柳川明、加賀山就臣、岩田悟と続いていた。2番手争いは、清成と水野が繰り広げていたが、10周目の1コーナーで清成のフロントが流れ、はらんだところを水野は見逃さず、3コーナーでインを突き2番手に浮上。そのまま清成を引き離して行く。しかし、15周目の1コーナーで転倒を喫してしまう。水野は、すぐに再スタートすると転倒したにも関わらず4番手でコースに復帰する。水野の転倒で清成が再び2番手に上がり、3番手には濱原が浮上していた。雨はほとんど止んでいたものの、逆に中途半端なコンディションが足もとをすくう結果になったようで転倒が相次いだ。加賀山、前田、渡辺一樹、渡辺一馬、津田一磨、秋吉も転倒を喫し、出走した19台中8台が転倒するサバイバルレースとなった。 レース2の行われる山の日は、晴れて暑くなる予報となっている。レース1とは、違う展開が待っていることも予想されるが、野左根が速さを見せそうだ。初開催となるST1000クラスの初ウイナーは誰になるか? 激戦のST600クラスは、ゼッケン1をつける小山に若手が挑む。そして若手が台頭しているJ-GP3クラスは、どんなレース展開になるか? いずれも、このレースウイークで初めてドライコンディションで走ることになるため、うまくアジャストできたライダーがイニシアチブを握ることになるだろう。