今シーズン2度目のオートポリス開催となったシリーズ第7戦。6月の第5戦とは、打って変わりレースウイークは、好天に恵まれた。公式予選では、前戦からの勢いを持ち込んだ野左根航汰がポールポジションを獲得。カワサキのホームコースで静かな闘志を見せる渡辺一馬が2番手。王者・中須賀克行が3番手というフロントロウ。2列目に高橋巧、津田拓也、藤田拓哉がつけ上位を狙っていた。
決勝は、1周4.674kmのオートポリスを19周して争われた。湿度は低いものの日差しが強く汗ばむほどの陽気の中、シグナルがブラックアウト。セカンドグリッドからスタートした渡辺がホールショットを奪い、高橋巧、中須賀、津田、野左根、藤田、加賀山就臣、濱原颯道、山口辰也、柳川明と続いて行く。3コーナーでは、早くも高橋巧が渡辺のインを突きトップに浮上。後方では、山口が濱原と加賀山をかわしポジションを2つ上げる。オープニングラップは、高橋巧が制し、渡辺、中須賀と続くが、1コーナーのブレーキングで中須賀が渡辺をかわし2番手に浮上。後方でも野左根が津田をかわすと3周目の3コーナーで渡辺をもかわし3番手に上がってくる。トップグループは、高橋巧を先頭に中須賀、野左根、渡辺、津田と5台が形成していたが、ここから渡辺と津田が遅れ始め、トップ争いは、高橋巧とヤマハファクトリーの2台による三つ巴の戦いとなって来る。7周目の第2ヘアピンでは、津田が渡辺をかわし4番手に浮上。何とかトップグループに追い付きたいところだったが、一進一退の状態が続く。
レースを引っ張る高橋巧の背後には、中須賀と野左根がつけ、タイヤをマネジメントしながら走っていた。しかし、予想以上の路面温度が上がってきており、思ったよりもタイヤの消耗が早かったようだ。高橋巧もトップを走りながら、後方の2台が様子を見ていることは分かっていた。そしてレース終盤、勝つためには、そろそろ前に出ておかないといけないと思ったという野左根が、15周目の1コーナーで仕掛けるが、接触しそうになってしまい、これを回避するためにコースアウト。グラベルを走りながらコースに7番手で復帰するものの、トップ争いからは完全に脱落してしまう。これでトップ争いは、高橋巧と中須賀の一騎打ちとなる。中須賀は、野左根がいなくなったのを確認。バックマーカーが多くなってきたこともあり、16周目の第2ヘアピンで中須賀が高橋巧をかわしてトップに浮上。ここから最後の力を振り絞り攻めの走りを見せる。前戦でもトップを走りながら転倒している中須賀は、コーナーに進入していく毎に悪夢を思い出しながらも、ラスト4周は、とにかく集中したと言う。この走りに高橋巧は、ついて行く余力はなく、中須賀がジリジリと引き離し独走。そのまま中須賀が真っ先にチェッカーフラッグを受け今シーズン2勝目を挙げた。高橋巧が2位、津田が3位、渡辺が4位とタイトルを争う3人が続けてチェッカー。津田が137ポイント、高橋巧が134ポイント、渡辺が128ポイントとなった。
5位に藤田、6位に山口と続き、野左根が7位でチェッカ−。濱原が8位、久しぶりの参戦となった柳川は、9位となった。その後方では、モリワキの2台と加賀山がバトルを展開。高橋裕紀が前に出て10位でゴール。加賀山、清成と続けてチェッカーフラッグを受けている。 |