今年もシリーズ第2戦は大分県・オートポリスでの開催となった。開幕戦鈴鹿2&4レースが前週にあったため、JSB1000クラスは、2週連続。J-GP2クラス、J-GP3クラス、ST600クラスは、今回が2015年シーズンの開幕戦となる。金曜、土曜と好天に恵まれ、絶好のコンディションの中、各ライダーはマシンをセットアップし、公式予選を迎えていた。 しかし、JSB1000クラスの公式予選は波乱の展開となった。ノックアウト方式で行われ、まずは全車が出走するQ1が行われたが、セッションが始まって15分が経過したころにアクシデントが発生してしまう。コースインした直後にトラブルが発生したマシンが1コーナーへのブレーキングポイント辺りにオイルを出してしまう。そこに高橋巧が現れるとオイルに乗ってしまいバランスを崩しコースアウト。グラベルにハイスピードで入ってしまうが、何とか転倒は回避している。しかし、その直後に来た中須賀克行と津田拓也という、開幕戦の優勝・2位のライダーがオイルの餌食となってしまいクラッシュ! マシンが舞い、あわやという場面だったが、2人に大きなケガはなかったのが不幸中の幸いだった。このアクシデントとオイル処理のために赤旗が提示されセッションは中断される。中須賀と津田は、ピットに戻るがマシンにダメージを受けてしまったため再スタートできない。ただ、転倒する前に出していたタイムで中須賀はトップ、津田は5番手でTOP10トライアルに進出。TOP10トライアルにはスペアマシンで出走した。中須賀は、スペアマシンのセットをメインマシンと同じセットにして臨み、ただ一人1分47秒台をマーク。コースレコードの更新はならなかったが逆境をはね返しポールポジションを獲得した。 「思いがけないアクシデントでした。イエローフラッグが出ていたので気をつけようと思った瞬間、転倒していました。オイルフラッグも出ていませんでしたし、もっと安全にレースができるように努力していただきたいと思います。ポールポジションを獲れたことはうれしいですが、アクシデントの影響でQ1はほとんど走れませんでしたし、ニューR1は、まだまだセッティングがまとまっていないのでセットアップを進めたかったですね。鈴鹿で津田選手にコースレコードを更新されてしまったので、今回はボクがレコードを更新したかったので悔しいですね。ただ大事なのは決勝ですし、地元九州オートポリスで、まず今季1勝目を挙げたいと思っています」と中須賀。フルモデルチェンジされたヤマハYZF-R1を、まだまだまとめきれていないと言うが、その状態でもポールポジションを獲得できるほどポテンシャルは高い。さらにマシンが仕上がってくれば、他を寄せ付けない速さを見せるかもしれない。 2番手にはコースレコードホルダーの渡辺一樹がつけた。渡辺は、100%のアタックをせずに、Q1、Q2を目一杯使ってマシンのセットアップに集中したと言う。 「予選は、ポジションを気にせず淡々とマシンセットをしていました。中須賀選手が、どれくらいペースで走るか分かりませんが、とにかくついていって勝負できるようにしたいですね」と渡辺。 昨年、このレースで優勝を飾っている高橋は、自己ベストを更新し3番手につけた。 「マシンの状態は金曜日よりは、よくなりましたが、まだ課題が残っていますね。48秒台アベレージは、だいぶ厳しいですね」とコメント。マシンの問題をライディングでカバーしてレースに臨むことになりそうだ。 そしてニューR1を得て今回こそトップ争いに加わりたい野左根航汰が自己ベストを大幅に更新し4番手につけた。 「マシンの状態は鈴鹿のときよりよくなっていますし、今回こそスタートを決めてトップグループについていきたいですね。何周もつか分かりませんけれど、タイヤマネジメントを考えながら走ることができれば結果もついてくると思います」と自信のコメントだ。オートポリスを得意としている山口辰也もペース次第ではトップグループに加わってくるだろう。 一方、開幕戦のウイナー津田拓也は、Q1のアクシデントで全身を強く打っており、痛む身体にムチを打ってQ2に出走。6番手タイムをマークするが、ピットに戻ると歩くこともできない状態だったと言う。柳川明も金曜日に転倒した影響で身体が思うように動かず18番手に沈んでいる。2人とも決勝日朝にメディカルチェックを受け走ることを決めることになりそうだ。 19周で争われる決勝レース。トップ争いは、中須賀、渡辺、高橋の3人に、セカンドロウの野左根、山口、津田が、どこまでついていけるかだろう。それぞれ万全の状態ではないだけに波乱が待っているのか!?