ホールショットを奪ったのは2番グリッドからスタートした中本郡。ポールシッターの野左根航汰が2番手につけ、渡辺一樹、浦本修充、高橋英倫らが続く。中本翔は、11番グリッドから好スタートを決めた岩田悟と1コーナーで接触。転倒しリタイアとなってしまう。波乱のオープニングラップを制したのは中本郡。渡辺、野左根、高橋、浦本、岩田と続き、トップグループを形成していく。3周目の馬の背コーナーの進入では、渡辺がトップを奪う。また、スタート直後のアクシデントの影響でポジションダウンしていた生形秀之がトップグループに加わり、3周目終了時点では渡辺、高橋、中本郡、岩田、野左根、生形、浦本の順に7台による集団となっていた。4周目に3番手までポジションを上げた岩田は、5周目の4コーナーで2位に、シケインではトップに浮上する。6周目には生形がトップを奪い、8周目には野左根がトップに立つなど、目まぐるしく順位は変わっていく。この集団から高橋、中本郡が徐々に離され、トップ争いは5台に絞られていく。 11周目には馬の背コーナーで浦本がトップに浮上。この周は、浦本、野左根、生形、岩田、渡辺というオーダーでコントロールラインを通過していく。12周目に入った1コーナーで、野左根がトップを奪い返すと、周回ごとにファステストラップを更新。後続を引き離しにかかる。その後方では、3番手につけていた生形がシケイン立ち上がりでマシンが振られ、ポジションこそキープしたものの、前を走る浦本から離されてしまい、岩田、渡辺と3位を争う展開になった。 しかし翌13周目、岩田がハイポイントコーナーでフロントから切れ込み転倒。レースから離脱してしまう。ここから上位はそれぞれ単独の走行となっていく。 野左根はその後もトップを好走し、15周目には1分31秒780のファステストラップをマーク。最後は後続に約5秒のビハインドを築き、うれしい全日本での初優勝を独走で飾った。これまでの2戦、苦戦が続いていた浦本が2位に入り復活の兆しを見せ、生形が3位で今季初の表彰台をゲットした。4位以降は渡辺、中本郡、高橋、井上哲悟、野田弘樹、大木崇行の順にゴールしている。 ポイントランキングでも、野左根が67ポイントでトップに立った。2番手は66ポイントの生形。65ポイントの渡辺が3番手。事前テストで転倒し、右大腿骨を骨折して今大会を欠場した関口太郎は63ポイントを保持しており4番手。野田が61ポイント、高橋が59ポイント、中本郡が57ポイントで続いており、上位のポイントは僅差で、ランキング争いは混沌としてきた。