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SUPERBIKE RACE in SUZUKA


J-GP2

文部科学大臣杯 2010年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第42回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in SUZUKA
主催:鈴鹿サーキット(5.821Km)
決勝レポート
DATE:2010-10/31
■開催日/予選:10月30日(土)、決勝:10月31日(日)  ■天候/予選:雨後曇・ドライ/ウエット 決勝:曇後雨・ドライ/ウエット
■開催場所/三重県・鈴鹿サーキット(5.821Km) ■観客数/予選:6,000人・決勝:12,000人

小西良輝が初代チャンピオンに!雨のレースを制したのは野田弘樹!

 J-GP2の決勝は、スタート直前から雨がパラつき始めたが各車ドライタイヤを履いて始まった。宇井陽一がホールショットを決め、小西良輝、野田弘樹、高橋江紀、山口辰也と続くが、野田、山口がオープニングラップでポジションを上げ、宇井、野田、山口がトップグループを形成。後方で小西と高橋が4位を争う展開。2周目に入ると野田がS字コーナーで宇井を抜きトップに浮上。山口も宇井をかわしポジションを上げると、野田をも抜きトップに立つ。しかしスプーンカーブ手前では野田、シケインでは宇井と、何度もトップが入れかわる。後方では高橋が小西を抜き4番手に浮上。3周目もトップ争いの競り合いが続いたが、4周目に入ったところで、雨足が強くなったことから赤旗が提示され、レースは中断。残り12周で第2レースが行われることになる。

 第2レースは、完全なウエットレースとなった。第1レースの3周を終えた時点での順位がグリッドとなり、宇井、野田、山口がフロントロウ、高橋、小西、朝比奈正がセカンドロウからスタート。

 ホールショットを野田が奪うが、山口が2コーナーで前に出る。200Rでは野田が再びトップに立つが、バックストレッチで山口がトップを奪い返す。3番手には小西、4番手には宇井が続いていく。山口と野田はトップを奪い合いながら、3番手以下を引き離し、小西と宇井はこの争いについていくことができない。4周目、宇井がS字コーナーで小西をパスするが、その後のスプーンカーブで痛恨のスリップダウン。宇井は戦線から離脱してしまう。

 雨が降りしきるなか、野田と山口の一騎打ちは続く。9周目、デグナーカーブで山口が縁石に乗り僅かにオーバーラン。トップの野田と約1秒半の差がつくが、すぐにその差を詰め、10周目のダンロップコーナーで野田のインを刺しトップを奪う。しかし11周目の130Rで野田が山口をかわしてトップを奪い返す。

 2台のバトルは最終ラップまでもつれ込んだ。山口は2コーナーで野田に並ぶものの、前に出ることができない。最後の勝負となったシケインで山口はアウトから仕掛けていく。しかしブレーキング勝負は野田に軍配が上がり、野田が全日本18年目で初優勝をもぎ取った。山口は僅差の2位でゴールした。小西はこのレースを慎重に走り切り、単独の3位でチェッカー。J-GP2クラスの初代チャンピオンに輝いた。4位の及川誠人、5位の高橋までがトップと同一周回でゴール。朝比奈が6位、中尾健治が7位でチェッカーを受けた。。

●ライダーのコメント

優勝/#99 野田 弘樹 テルル・ハニービーレーシング
『レース1のサイティングラップから雨がパラパラ降ってきていて、降り出したらドライタイヤでは無理だと思っていた。いつ赤旗が出てレースが成立になってもいいように、なるべく前にいようと思ったけれど、だんだん雨足が強くなって、東コースがとくに滑る状況だった。手をあげたらすぐ反応してくれたので結果的に、赤旗の提示は、いい判断だったと思う。レース2では、昨日初めて履いたJ-GP2用のレインタイヤを使いましたが、雨が強くて、まったく余裕がなかった。こういう状況だと自分がペースつくって逃げた方が絶対に有利。何度か接触しそうなところもあったけれどトップを走ろうと頑張った。ボクは今まで最高位が2位で、1位を獲ったことがなかったので絶対前に出よう、という気持ちだけでした。最後のシケインは(山口)辰也くんが絶対仕掛けてくると思っていた。進入では辰也くんに抑えられたと思ったんですけれど、引いてくれました。気持ちで勝ちたいと思っていたので、優勝できてよかった。(勝てそうで勝てなかった)今までと、自分の何が変わったか分からないけれど、チーム力や結団力が格段に上がったことが結果にもつながったと思います』

2位/#91 山口 辰也 モリワキクラブ
『(今シーズン)最後のレースは優勝で決めたいと思っていましたが、後から気づいたのですが、雨の時に、ヘルメットからはずさなきゃいけないものを、つけっぱなしにしていて、スタートした瞬間にシールドが雨で曇ってしまった。まったく前が見えない状態で、シールドを開けたり閉めたりして走っていました。デグナーカーブでコースアウトしたのも、タイヤが滑ったわけではなくて、縁石を踏みやすいところなので、よけて走ろうとしたけれど見えなかったからだった。誰かが前にいないと走れなかったので、つらい状況でした。ボクのタイヤはピレリのスタンダードのレインタイヤだったし、J-GP2はもっと上のパーツが使えるクラスなので、2位で十分満足しています。シケインは(野田さんより)ボクのほうが勝っていたのは分かっていたんですけれど、進入した瞬間にスピードが落ちてしまい、シールドがよけい曇ってしまったので引いたんです。野田さんのためじゃなくて(笑)前が見えなくなって、引くしかなくて引いたんです。お客さんがレースを楽しんでくれたならうれしいです』

3位・2010年チャンピオン/#73 小西 良輝 MuSASHiRTハルク・プロ
『確率的には、普通にいけばチャンピオンが獲れる状況だったんですけれど、今までで一番、緊張したレースかもしれないですね。難しいコンディションの中で、自分の理想のライディング求めようとすると限界を超えてしまうんです。それを抑えて、コントロールすることに今回はすごい集中しました。ウエットで仕切り直しになって“よし、いくぞ”っと思ったのですが、(野田選手と山口選手の)2人を追いかけているうちに、けっこうハードなレースだなって思いました。うしろで2人の動きを見ているときに宇井選手が来て、スプーンで目の前で転倒したのを見て、確実に行こうと気持ちを切り替えました。自分の置かれている状況で、ベストを尽くす走りをしました。MuSASHiさんや本田監督には、2003年、2007年、2008年、そして今年はJ-GP2の初代チャンピオンという4度目の貴重なタイトルを獲らせていただきました。スポンサー、スタッフ、後押ししてくれたファンの皆さんの応援に支えられていると、今年は特に強く感じました』


J-GP2決勝レース   降雨のため、3周終了時点で赤旗中断されたレース
     
J-GP2決勝レース   雨の再スタートでは、山口がトップに立ち野田弘樹、小西良輝、宇井陽一と続くが、宇井が転倒、野田と山口のバトルに小西も差を広げられる。
     
J-GP2決勝レース   野田と山口のバトルは、最終ラップのチェッカーまで繰り広げられた。
   
J-GP2決勝レース   優勝:野田弘樹(中央)・2位:山口 辰也(左)・3位:小西良輝
     
J-GP2決勝レース   小西良輝が初代チャンピオン
     
   
Photo:H.Wakita(c)
 
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