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'20全日本スーパーモト選手権 第1戦 
                ↑'20スケジュール
    2020年8月9日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)



今季の全日本スーパーモト選手権は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の予定からレーススケジュールを大幅変更。8〜10月に年間4戦で競われることになった。
多くのエントラントが待ち望んだ開幕戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO。国際格式のロードコースやモトクロスコースがある複合モータースポーツ施設の中で、レーシングカートやミニバイクなどの走行を前提に設計された全長984mの西コースが使用された。
大会当日は朝から強めの雨が降り、路面はウェットコンディション。このため、インフィールドのグリーンゾーンに設けられたダートセクションの使用はキャンセルされ、フルターマックでのレースとなったが、それでも公式練習およびタイムアタック予選の間は、深い水たまりや川がコースに点在し、非常に難易度が高いコンディションとなった。





レース1追い上げ優勝の喜びを
ウィリーで表現した森田一輝

両レースで森田一輝と
し烈な争いを展開した吉田雄一

レース2で15番手スタートから
2位まで追い上げた日浦大治朗

予選の不調から復活して
両レース制覇の森田一輝

21台が出走したタイムアタック方式の予選は、雨が小降りになって水溜まりや川のような流れが少し解消されつつある路面コンディションで実施され、ディフェンディングチャンピオンの日浦大治朗(#1)が48秒493のトップタイムをマーク。佐藤友之(#15)が48秒509で2番手、長谷川修大(#19)が49秒054で3番手、吉田雄一(#5)が49秒155で4番手、金子和之(#6)が49秒233で5番手、金児伸二(#10)が49秒303で6番手、原島剛(#4)が49秒319で7番手となり、ここまでがトップの日浦から1秒圏内となった。昨年、最終レースで下位に沈んでわずか4点差で逆転チャンピオンを日浦に献上した森田一輝(#2)は、この予選で転倒を重ねて9番手と低迷した。

決勝の周回数は15周。ヒート1は、直前から再び雨が強くなり、路面状況が悪化する中でのスタートとなった。ホールショットを奪ったのは日浦。これに吉田が続いた。2コーナーでは、佐藤と長谷川と金児伸二(#10)が転倒。これにより森田が大きく順位を上げ、3番手でオープニングラップをクリアした。レース序盤は、森田の後方に金子や榎本優(#21)、城取諒(#27)、原島、川留健一(#44)らが数珠つなぎとなる展開。4周目あたりからトップ集団はやや縦に長くなりはじめ、トップの日浦は1〜2秒程度のリードを奪った。

日浦の後方では、吉田と森田が接近戦。6周目に入ったところで森田が先行した。7周目、ここまでコンマ数秒ずつペースを上げて逃げ切りを図ろうとしていた日浦が転倒。これにより日浦はトップ集団から完全に遅れ、森田がトップ、吉田が2番手となった。3番手以下は金子、榎本、城取、原島による争い。しかし翌周には城取も転倒を喫して後退した。レース後半、トップに浮上した森田は安定して48秒台後半のタイムをマークし、49秒台後半で周回する吉田を引き離していった。終盤、吉田の後方には金子と榎本が徐々に近づき、最後は3台による2番手争い。しかし金子と榎本は、勝負に持ち込むことができなかった。そしてレースは、森田が独走で勝利。吉田が2位、金子が3位、榎本が4位となった。原島が5位、城取が6位でフィニッシュしている。


レース2でホールショットを奪ったのは吉田。これに森田、金子、榎本、原島が続いてオープニングラップをクリアした。レース1の結果により、日浦は15番グリッドからのスタートだったが、1周目だけで3ポジションアップ。2周目には、5番手を走行していた榎本が転倒で順位を落としたこともあり、日浦は10番手まで浮上した。榎本の転倒による影響もあり、松浦聡(#23)を先頭とする5番手争いの集団はトップグループから3秒ほど遅れ、トップの吉田を僅差で森田がマークし、そこから1〜2秒ほど離れて金子と原島が3番手争いを展開するトップ4になった。

吉田と森田の2台は、金子と原島よりもわずかにペースが速く、レースが中盤に入った6周目には3秒ほどの間隔。そしてこの周、原島の4秒ほど後方では日浦がなんと5番手まで順位を上げてきた。さらに日浦は、トップ争いと3番手争いがいずれも膠着状態となっている間に、金子と原島に接近。9周目には両者を次々にパスすると、今度は3〜4秒ほど先行していた吉田と森田に近づいていった。12周目、日浦の接近でトップグループは3台に。すると12周目の最終コーナーから13周目の1コーナーにかけてのセクションで、日浦よりも先に森田が吉田に仕掛けた。先行を許した吉田は、森田の背後にポジショニングしようとラインを変更。しかしこのとき、日浦も吉田を抜くべく動いていた。そして日浦と吉田が接触。これにより吉田は転倒し、5番手まで後退した。転倒を免れた日浦は、ここから残り3周弱で森田のパッシングを画策。しかしチャンスは得られず、森田がレース1に続いて勝利を収め、日浦は2位となった。金子と原島のバトルは、11周目に原島が先行。原島が3位表彰台に登壇し、金子が4位、吉田が5位、松浦が6位に入賞した。


●森田一輝(レース1・優勝/レース2・優勝)
「予選ではマシンセッティングに失敗して、なんと4回も転倒。ほとんどタイムアタックできずに終わり、膝の古傷も痛めてしまいました。しかし、雨の影響でフルターマックだったおかげで、負担が少ない状態で走れそうだったので、決勝は冷静に走ろうと誓いました。レース1の結果がレース2のスタート位置につながるので、レース1で勝てたことがとにかく大きかったです。本来は、ターマックだけなら日浦選手のほうが速いと思うのですが、走り込んでいる地元のコースだったことに加えて、ただのウェットではなく路面コンディションが目まぐるしく変化する非常にタフな状況だったことが味方してくれたと思います」


●吉田雄一(レース1・2位/レース2・5位)
「前日の練習走行もウェットだったのですが、あまり調子が良くなくて、セッティングも煮詰めることができず、不安がある状態での大会でした。とにかくベストを尽くそうと思って臨んだ結果、レース1では2位になれました。レース2も序盤は調子が良かったのですが、ライン上がドライになってきたので、タイヤマネージメントをしないと最後まで持たないと思い、ペースをコントロールしていました。でもやっぱり森田選手は、そんなんで抑えられるような甘いライダーじゃないですね。転倒は、森田選手の後ろにつけようとしたときに日浦選手と接触したのが原因。日浦選手を巻き込まなかったのは幸いでした」


●日浦大治朗(レース1・15位/レース2・2位)
「レース1は、スタート直後からなぜかマシンに対して違和感があり、乗れていない感じもあったのですが、その中でムリしてペースを上げたところで転倒。その後に挽回しようとしてもう一度転んでしまいました。レース2は、最後に森田選手の背後につけ、自分の中ではパッシングのプランみたいなものがあったのですが、地元かつ百戦錬磨の森田選手は、さすがに押さえるポイントを知っていました。他の選手に対して使えた戦略が通用しませんでした。とはいえ、納得できる追い上げができて、楽しく走れました。レース1のような状態を繰り返したら、家に帰れないと思っていましたが、笑顔で帰宅できます!」





ヘビーウェットの予選から
終始絶好調だった大場和樹

レース2は転倒に泣いたが
レース1では2位入賞の松本和資

レース2の3位争いは
ゴール直前まで大混戦に!

決勝を2レースとも制して
表彰台の頂点に立った大場

出走台数は17台。決勝は2レース制で実施され、タイムアタック予選でレース1のスターティンググリッドを決定。レース2のスタート順位は、レース1の結果によって決められた。タイムアタック予選では、大場和樹(#45)がトップを奪取。2番手に広瀬彰信(#9)、3番手に松本和資(#5)、4番手に豊田肇(#8)、5番手に千葉智(#4)が入った。

S1オープンおよびS2の決勝周回数は12周。レース1は、小雨が舞う一方で空がやや明るくなる状況でのスタートとなった。ホールショットを奪ったのは松本。ポールポジションの大場は、スタートでややミスしながらもなんとか2番手を守り、広瀬と加藤将貢(#38)と千葉と瀧川貴士(#12)らが続いた。2周目、松本と大場と広瀬は、接近戦を繰り広げながら4番手以下を引き離し、このトップ集団と2〜3秒の間隔を開けて、加藤を先頭とした第2集団が形成された。そしてこの周、大場が松本を抜いてトップに浮上。3周目に入ると、大場と松本と広瀬の間隔はやや広がり、加藤を5台のマシンが追う4番手争いはさらに激しさを増した。

4周目、千葉を僅差で追いながら6番手を走行していた瀧川が転倒。同じ周、千葉は加藤の攻略に成功して4番手に浮上した。5番手に後退した加藤の後方には、鹿野涼(#69)がつけていたが、その鹿野は翌周にポジションダウン。このあたりでようやくトップグループは落ち着き、大場がややリードを広げてトップを走り、松本と広瀬が僅差の2番手争い、そこから大きく遅れて千葉と加藤が4番手争い、さらに少し離れて新沼伸介(#11)と豊田が6番手争いを展開した。2番手争いと4番手争いと6番手争いは、いずれも最終ラップまで接戦となり、後方を走るライダーがそれぞれチャンスをうかがったが、いずれの争いもパッシングできずにチェッカー。レースは大場が勝利し、松本が2位、広瀬が3位、千葉が4位、加藤が5位、新沼が6位に入賞した。


レース2では、レース1の結果により2番グリッドからスタートした松本がホールショット。しかし松本は1コーナーで転倒して広瀬が先頭に立ち、新沼、大場、加藤、豊田、千葉、納冨桂(#23)、瀧川らが続いた。2周目、大場が新沼を抜いて2番手に浮上。3周目には広瀬と大場がドッグファイトを開始し、そこから2秒ほど遅れて新沼を先頭とする10台ほどの集団が形成された。新沼はトップ2台よりも1〜2秒ほどラップタイムが遅く、これにより広瀬と大場が一気に抜け出す展開。そして5周目には、大場が広瀬をパスした。この段階で、2台のトップ集団と新沼を先頭とした9台によるセカンドグループは、6〜7秒ほどの差となった。

レース後半、大場に抜かれた2番手の広瀬は、大きく遅れることなく追走。この2台から完全に遅れた3番手争いでは、新沼を攻略できずにいた加藤を、9周目に瀧川がパスして上位進出を狙ったが、その瀧川は翌周に転倒し、再び加藤が新沼に次ぐ4番手に浮上した。ラスト2周となった11周目、トップを守っていた大場がわずかにミス。逆に、2番手の広瀬はこの周にコンマ5秒ほどラップタイムを縮めたことから、トップ2台は再び接近した。しかし最後は、大場がしっかりポジションを守ってフィニッシュ。レース1に続いて優勝を果たし、広瀬は2位となった。新沼は、最後まで僅差でポジションを守り抜き3位。以下、加藤が4位、豊田が5位、千葉が6位で、3位の新沼から6位の千葉までは約1秒差だった。





難しい路面状況を攻略して
2レースとも優勝の佐々木貴志

両レースで2位に入賞して
好調をアピールした西村泰樹

予選から派手な走りを連発して
会場を沸かせた阿部真生騎

開幕戦の2レースを制して
佐々木が最高のシーズンイン!

S2クラスも、予選はタイムアタック方式で決勝は2レース制のスケジュール。ロードレース世界選手権などで活躍した“ノリック”こと故・阿部典史の長男で、ロードレースにも参戦している16歳の阿部真生騎(#30)が参戦して注目を集めた。さらに、日本における2000年代初頭のスーパーモタードブームをけん引した立役者の一人であるレジェンドライダーの大森裕記(#29)も出場。10台が出走したタイムアタック予選では、昨年度ランキング3位の佐々木貴志(#101)がトップを奪ったが、2番手の阿部、ロードレースでも阿部のチームメイトとして戦う3番手の青田魁(#32)、4番手の大森、さらに5番手の西村泰樹(#4)までが佐々木から約0.6秒差と、上位勢は僅差となった。

決勝は12周のスプリント。そのレース1では、ポールポジションの佐々木が順当にホールショットを奪い、阿部と青田と大森と西村が予選順位どおりに続いた。しかし2周目、5コーナーで阿部がスリップダウン。すぐに再スタートしたが、5番手まで後退した。これにより、トップの佐々木はややリード。西村は大森をパスして、青田と西村と大森が僅差の2番手争いを開始した。この3台を追った阿部は、翌周にも再び5コーナーで転倒。今度は再スタートまでに時間を要し、9番手に後退した。

佐々木が3秒程度のアドバンテージを確保する一方で、青田と西村と大森の接近戦は白熱。ほぼそのままの状態で、レースは終盤を迎えた。9周目、ややペースを上げた西村が、青田の攻略に成功。両者がバトルを繰り広げる間に、少し離れていた大森が再び前の2台に迫った。そして10周目に突入した1コーナーで、青田が痛恨の転倒。これで大森は3番手に浮上した。この段階で、トップの佐々木は2〜3秒のリード。2番手の西村と3番手の大森も2秒近い差があったが、翌周に大森がペースアップして西村に接近。最終ラップには再び西村と大森の接近戦となった。しかし最後は、西村がポジションを死守。レースは佐々木が勝利を収め、西村が2位、大森が3位となった。4位は予選6番手だった緒方大輔(#31)。阿部は5位でチェッカーを受けた。


レース1の結果でスターティンググリッドに並んだレース2は、薄日が差すほど天候が回復傾向の中、佐々木のホールショットで幕を開けた。西村、緒方、大森、阿部がこれに続くと、まずは大森が緒方をパス。2周目には緒方が転倒を喫し、これで上位勢は佐々木、西村、大森、阿部のオーダーとなり、少し遅れて青田が続いた。3周目、佐々木は2秒ほど先行し、1秒ほどタイムを落とした大森は2番手の西村から4秒近く離れ、背後には阿部が迫った。4周目以降、トップの佐々木はコンマ数秒ずつリードを拡大。2番手の西村も後続を少しずつ引き離し、3番手の大森には阿部が肉迫した。しかし阿部は、パッシングのチャンスをなかなか得られず、9周目にようやく前に出た。

そして9周目以降。阿部は西村より1秒以上も速いラップタイムを刻んで差を詰めたが、接近戦に持ち込む前にレースは12周でチェッカー。これにより佐々木が予選と2レースを完全制覇し、西村が2位、阿部が3位となった。大森は4位でフィニッシュ。青田は終盤にペースアップしたが、5位でレースを終えた。