Facebook Twitter
レース情報 ライセンス ダウンロード おすすめショップ 当協会について
 
rece
種目別最新情報
tree01 ロードレース
tree01 モトクロス
tree01 トライアル
tree01 スノーモビル
tree01 スーパーモト
tree01 エンデューロ
tree02 その他競技種目
レース観戦情報&レース結果
tree01 ロードレース
tree01 モトクロス
tree01 トライアル
tree01 スノーモビル
tree01 スーパーモト
tree02 エンデューロ
レースカレンダー検索
TV放送予定
tree02 BS , 動画配信
国内競技規則書
FIM規則(和訳)
公認車両
公認部品・用品
マウスガードについて
委員会レポート
アンチドーピング
熱中症を予防しよう
全日本選手権シリーズランキング
エンジョイ!!バイクレース
 

写真&レポート
 


'20全日本モトクロス選手権第1戦 SUGO大会

↑'20スケジュール




今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で大会数が半減。開幕は当初の予定より5ヵ月近く遅くなり、8月下旬から11月下旬までの3ヵ月間に4戦で競われる。開幕戦および第2戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO。ロードレースのインターナショナルコースも有する複合モータースポーツ施設だ。

今回の開幕戦に向けて、モトクロスのインターナショナルコースにはレイアウトの見直しが施された。各クラスの予選とIBオープンクラスの決勝ヒート1が実施された土曜日は、朝から晴れて路面は乾き、大量のホコリがコースを包むコンディション。お昼ごろから曇り、その後に一時雨となったが、路面に大きな影響を与えるほどではなかった。ところが夕方以降にまとまった量の雨が降ったことで、決勝の路面は土に水分が多く含まれた状態に一変。日曜日の天候は曇り時々雨で最高気温は27度と、猛暑でのレースは免れた。今大会は、2日間で4000名の観客数となった。







新たに立ち上げられた体制で
初戦から勝利を収めた山本鯨

開幕戦の両ヒート制覇で
山本がタイトル防衛に向けて好発進



昨年はヨーロッパ選手権に挑戦し、今季から450ccクラスにステップアップしながら全日本に復帰した能塚智寛(#555)がホールショット。新チームで臨むディフェンディングチャンピオンの山本鯨(#400)、そのベースとなるBells Racingのチーム運営者でもある小島庸平(#44)と、ホンダ勢がまずは上位を占めた。さらに、昨年は米国AMAに参戦したヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#110)が4番手。渡辺も250ccからのステップアップ組となる。ただし渡辺は、エンストにより7番手に後退し、代わりにカワサキファクトリーチームの小方誠(#10)が4番手、今季限りでの引退を表明しているホンダユーザーの成田亮(#982)が5番手、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#317)が6番手にポジションを上げた。富田は今季、ホンダからヤマハに移籍。渡辺と同じく昨年はAMAにフル参戦していた。

1周目、山本が能塚を抜いてトップに浮上。2周目には、成田が小方と小島を次々にパスして3番手まで順位を上げた。3周目以降、山本が少しずつリードを拡大。成田はペースが上がらず、5周目には早くも山本と能塚が完全に抜け出し、成田以下は6台ほどが数珠つなぎとなった。その中でまず成田に迫ったのは富田。7周目に逆転した。しかし、粘る成田は8周目に富田を抜き返すと、今度は渡辺が富田をパスして成田に肉迫。10周目に渡辺が先行した。成田の背後にはなおも富田、さらにヤマハを駆る星野優位(#166)が僅差で迫り、12周目には両者が成田をパス。翌周以降も成田は順位を落としていった。一方、トップ争いはレース中盤から膠着状態。6秒ほどのアドバンテージを手に入れたトップの山本が、能塚とのギャップを完全にコントロールしながら周回を重ねた。そして16周のレースは、山本が勝利。能塚が2位となった。渡辺はレース終盤に後続を引き離して3位。13周目に富田をパスした星野が4位、1周目11番手から追い上げて最終ラップには小島と小方の後退で順位を上げたホンダユーザーの大塚豪太(#155)が5位、同じく最終ラップにふたつ順位を上げた富田が6位となった。


決勝ヒート2は、山本が好スタート。渡辺、小方、ホンダに乗る横澤拓夢(#322)が続くと、スタート直後の上位勢は大混戦。まずは山本、渡辺、成田、横澤、小方、富田のオーダーとなった。2周目には成田が渡辺を抜いて2番手となり、横澤は5番手に後退。3周目には山本と成田と渡辺が接近したトップグループを形成し、2秒ほど遅れて富田、小方、横澤、スズキに乗る小林秀真(#12)、小島、スタートで出遅れた能塚のセカンドグループとなった。4周目、成田がトップの山本にアタック。4番手の富田はトップグループに離され、背後には小方が迫った。6番手の横澤もペースが上がらず小方に4秒ほど離され、これを小林と小島と能塚が攻め立てた。

5周目、成田が一度は山本をパスしたが、山本がすぐに再逆転。すると6周目には、渡辺が成田を抜いた。同じ周、後方では小方が富田の攻略に成功。7周目に入ると山本に今度は渡辺が迫り、この2台から少し離れた成田には小方が近づいた。そして8周目、3番手争いを繰り広げていた成田が転倒。5番手に順位を落とした。レース後半、トップの山本は2番手の渡辺に対して1〜2秒のリードをキープ。渡辺の背後には小方が接近した。終盤には再び山本と渡辺と小方の距離が近づく周もあったが、山本は最後まで冷静にトップをキープ。そのまま17周を逃げ切り、ヒート1に続いて勝利を収めた。渡辺が2位、小方が3位でゴール。レース中盤からは単独走行となった富田が4位、1周目10番手から追い上げた能塚が5位、成田が6位となった。


両ヒート制覇を達成した山本は、「昨年までのファクトリーチーム体制とは異なりますが、勝つために必要なものがすべて揃った、最高のチームで走らせてもらっていると思っています。新型コロナウイルスの影響で、本当に多くの方々が大変な思いをしていると思いますが、その中で全日本を開幕することができました。日本のモトクロス界が次のステップに進めるよう、さらなる応援をよろしくお願いいたします」と訴えた。




2位が自己最高位だった内田篤基が
ヒート1でスタートから逃げ切った

ディフェンディングチャンピオンの
横山遥希はヒート2で今季初優勝



浅井亮太(#41)がホールショット。内田篤基(#39)や池田凌(#60)、西條悠人(#47)、昨年度王者の横山遥希(#1)が続いた。しかし横山は転倒により後退。内田が浅井を抜き、1周目を内田、浅井、池田、西條、川上龍司(#40)の順でクリアした。2周目、内田を浅井が追い、池田は6番手に後退。3番手に浮上した西條の背後に川上が迫り、やや間隔を開けて大倉由揮(#31)を先頭とした9台ほどによる縦長の5番手集団が形成された。4周目以降も浅井はトップの内田をマーク。西條は少しずつ順位を下げ、5周目には大倉が4番手まで順位を上げた。その頃、後方から少しずつ順位を上げてきたのは、1周目は10番手だった小川孝平(#912)と同9番手だった大城魁之輔(#36)。7周目の段階で、内田と浅井が僅差のトップ争い、浅井から約6秒遅れて川上が3番手、その約4秒後方に4番手の大倉、さらに4秒差で小川と西條と大城の5番手争いとなった。

8周目、大倉はミスで7番手にダウン。トップの内田は2番手の浅井を引き離しはじめ、大城は西條を抜いて5番手に浮上した。そしてレース後半は、内田が少しずつリードを拡大。そのまま逃げ切った内田が、全日本IA初優勝を手にした。大倉は11周目にリタイヤ。同じ周に西條も後退し、これで横山が6番手に上がった。レース終盤、2番手を守っていた浅井の後方に川上、小川、大城が接近。15周目に川上、ラストラップの16周目に浅井を抜いた小川が2位となった。川上は、最終ラップに浅井をパスして3位となり、全日本IA初表彰台に登壇。同じく最終ラップでの逆転を狙った大城は転倒を喫し、4位の浅井に次いで5位には横山、6位には1周目13番手から追い上げた勝谷武史(#888)が入賞した。


決勝ヒート2では、横山が1周目をトップでクリア。内田、勝谷、浅井、大倉、大城らが続いた。2周目に勝谷が内田をパス。3周目の段階で、トップ集団は横山、勝谷、内田、大倉がそれぞれ1〜2秒の間隔を開けた縦長状態で、さらに2〜3秒後方には西條や浅井や大城らが形成する第2グループが続いた。4周目、内田が前を走る横山や勝谷と同じレベルまでペースを上げたことで、4番手の大倉は約4秒のビハインドに。しかし内田のハイペースは続かず、横山とこれをマークする勝谷が抜け出すことになった。6周目には、大城が西條を抜いて5番手に浮上。翌周以降、西條は順位を下げた。

レース前半が終わる8周目の段階で、勝谷はトップの横山を1秒ほど後方でマーク。3番手の内田は2番手の勝谷から8秒以上、4番手の大倉は内田から約3.5秒、5番手の大城は大倉から約10秒遅れて走行していた。勝谷は横山にプレッシャーをかけ続けていたが、10周目にストップし、その後にマシントラブルでリタイヤ。これで内田が2番手に浮上したが、背後には大倉が近づいていて翌周に逆転した。内田は、14周目にエンストを喫して7番手に後退。大倉が2番手の座を手に入れた。そしてレースは横山が優勝、大倉が2位、大城が3位。4番手争いは終盤に白熱し、2周目には10番手だった鴨田翔(#46)が、最後まで僅差で迫った川上を抑えて4位となり、5位の川上に続いて浅井と内田が僅差でゴールした。


「今年はチームを移籍。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れる状況でも、モチベーションを切らすことなく準備できていたことが、シーズン初戦での初優勝につながりました」と内田。また横山は、「ヒート1は1周目の転倒後にうまく追い上げられずに終わりましたが、ヒート2では中盤まで勝谷選手からプレッシャーを受けながらも冷静に対処できました」とレースを振り返った。




ホールショットから逃げ切って
ヒート1で勝利した阿久根芳仁

ヒート2で独走優勝を決めて
声援に応えた福村鎌



土曜日の最終レースとして実施された決勝ヒート1。阿久根芳仁(#9)がホールショットを奪い、これに渡谷歩夢瑠(#24)や西元気(#8)らが続いたが、阿久根以外はミスや転倒で順位を下げ、1周目は阿久根、上原巧(#11)、米田海斗(#49)のトップ3となり、やや間隔を開けて中井皓大(#35)を先頭とした大集団が続いた。ところが、2周目に入ったところで中井がスリップダウン。代わりに鈴木颯(#71)が4番手となった。その後ろには齋藤銀汰(#54)や堀越秀鷹(#18)らが僅差で続き、なおも4番手争いは接戦。3周目には鈴木が7番手、堀越がミスで11番手に下がるなど、目まぐるしく順位が変動し、齋藤と福村鎌(#6)がその中から抜け出した。

一方で阿久根と上原と米田は、少しギャップを広げながらも順調に周回を重ね、3周目には3番手米田と4番手に浮上した齋藤の間隔は約12秒に拡大した。4周目、トップの阿久根がリードを広げ、逆に上原と米田は接近戦を開始。翌周には米田が先行した。また4番手争いも、同じ周に福村が齋藤の攻略に成功した。6周目、トップの阿久根から米田、上原、福村、齋藤まではいずれも単独走行となり、佐竹涼冴(#72)と鈴木は比較的近い位置で6番手争い。ところが翌周、鈴木はミスで順位を下げた。さらに8周目には、4番手の福村も転倒。復帰に10秒以上の時間を要したが、すでに後続は離れていて順位の変動はなかった。そしてレースは11周でチェッカー。阿久根が優勝、米田が2位、上原が3位、福村が4位、佐竹が5位となった。6位には、1周目19番手から追い上げた佐藤沙弐(#10)が入賞した。


前日のヒート1とは大きく路面コンディションが異なる環境でのレースとなった、日曜日午前中のヒート2。米田が好スタートを決め、西と福村と齋藤が続いたが、齋藤はミスにより大きく後退。1周目は福村、米田、西、阿久根、橋本俊平(#15)、関根凌太(#12)、佐竹のトップ7となった。2周目の段階で、福村は早くも6秒以上のリード。3周目以降もハイペースで走行して、大きなアドバンテージを築いていった。2番手の米田以下は、それぞれが1〜2秒ほどの間隔を開けた縦長の状態。4周目、米田が転倒して10番手まで後退し、これで阿久根が2番手に順位を上げた。

この段階で、福村はすでに約15秒も先行。結局、レース後半になっても福村はリードを拡大し続けて、独走で優勝を果たした。阿久根はレース後半に後続との差を広げて2位。西も単独走行に近い状態となり、3位でフィニッシュした。一方で4番手争いは接戦。関根と1周目8番手から追い上げた小林康志郎(#76)と佐竹のバトルが続いた。この中から小林がまず脱落して、関根と佐竹は最後まで4番手争い。最終ラップとなった10周目の最終コーナーで逆転した佐竹が4位、関根が5位、小林が6位となった。


「全日本の前に出場した地方選手権ではまるで勝てず、悔しい思いをしてきたので、ここで勝てたことがうれしすぎます。ヒート2は福村選手に逃げられてしまいましたが、両ヒートを表彰台圏内にまとめられたことには満足しています」と、ヒート1優勝の阿久根。ヒート2で勝利を収めた福村は、「ヒート1はスタートで出遅れ、転倒して順位を落としてしまいました。両ヒートとも勝つつもりだったので悔しいです。次戦こそ達成します」と意気込みを語った。




最後までハイペースを維持して
3年ぶりの優勝を獲得した川井麻央



ホールショットを奪ったのは、昨年度チャンピオンの本田七海(#1)。これに川井麻央(#3)や雨宮舞美(#8)、久保まな(#4)、小野彩葉(#5)が続いたが、雨宮はすぐに後退した。1周目、コーナーで川井が仕掛けて早くもトップに浮上。川井、本田、久保、小野までの4台が、5番手の井川実乃里(#6)以下を引き離してトップグループを形成した。2周目、小野が久保を抜いて3番手に浮上。トップの川井は、この周から徐々にリードを築いていった。3周目には、本田と小野の間隔が約6秒に拡大。この周まで、久保は小野のすぐ後ろでマークを続けていたが、4周目以降にペースダウンして単独走行になった。

レースが後半に入っても、トップの川井は比較的安定して速いラップタイムを刻み、バックマーカーの影響などもあって本田がややペースを落とした6周目には、両者の間隔が6秒以上に拡大。川井がそのまま最終ラップの8周目まで逃げ切って、2017年第2戦以来となる全日本2勝目を挙げた。本田が2位、レース後半は単独走行となった小野が3位。小野は今回が全日本初表彰台登壇となった。久保は4位、井川は1周目から順位を守って5位でフィニッシュ。6番手争いは終盤に最大6台の接近戦となり、最終ラップに伊藤悠利(#13)を抜いた勝股七海(#14)が6位となった。


優勝した川井は、「初優勝以降ずっと勝てずにいましたが、4戦しかない今シーズンの開幕でまずは優勝できて、本当にうれしいです。でも目標はチャンピオンなので、まだ満足していません」と、悲願の年間タイトル獲得に向けて気合十分。一方、2位の本田は「今季の目標は全戦優勝だったのですが、初戦でその夢がいきなり破れてしまいました。この悔しさを次戦にぶつけます」とリベンジを誓った。また全日本初表彰台に立った小野は、「7月そして先週と、エンデューロレースにも挑戦。体力的な部分や走行ラインの見極めなど、モトクロスに役立つこともありました。初表彰台はうれしいですが、目標は優勝なのでもっと頑張ります」と笑顔をみせた。




2度転倒も最終ラップに逆転して
総合優勝を果たした伊良皆龍翔



キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、路面状況を考慮して、5個のコーナーで構成された1周約25秒のコースをスタートエリアに特設。8分+1周で競われた。レースには、4ストローク50ccマシンが走るAクラスに3名、2ストロークマシンで参加できるBクラスに4名が出場。Bクラスの永澤匠真(#66)がホールショットを決めると、江藤彪之介(#83)と伊良皆龍翔(#25)のBクラス勢が続き、序盤は3台による接戦のトップ争いが繰り広げられた。

トップ3台から大きく遅れたAクラスは、トップの澤田宇内(#33)を三輪風太(#38)が僅差でマークする展開。レース中盤、総合トップ争いでは伊良皆が先頭に立った。その後、伊良皆を永澤が抜き返したが、直後に両者が接触転倒。これで永澤はリタイヤとなった。終盤、伊良皆は江藤をパスして再びトップ。ラスト4周となった17周目に転倒したが、またも追い上げて最終ラップに逆転を果たし、伊良皆が総合優勝、江藤が総合2位となった。Aクラスのトップ争いは最後まで1〜2秒差のまま。澤田が順位を守ってAクラスを制し、三輪がAクラス2位となった。