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'19全日本モトクロス選手権第2戦 関東大会

↑'19スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズの19年第2戦関東大会は、今年も「埼玉トヨペットCUP」として実施された。一昨年までは春と秋に設定されてきた関東大会は、昨年から春のみの開催。これが今季唯一の首都圏会場となることや、土日とも晴天に恵まれたこと、参戦チーム主導のクラウドファンディングにより無料観客席が設けられることが事前にSNSで話題になったことなどから、昨年をやや上回る9,200名の来場者(2日間)を集めた。
大会の舞台は、荒川と入間川に挟まれた広大な河川敷にあるウエストポイント オフロードヴィレッジ。フラットな土地に、タイトターンや多彩なジャンプ、リズムセクションなどを配した、スーパークロス風のレイアウトを特徴としている。土曜日の最高気温は28度で初夏を思わせる陽気となり、やや日差しが弱めだった日曜日は最高21度で過ごしやすい気温となった。







昨年のケガから見事に復活して
今季初優勝を挙げた小方誠

チームメイトと激しいバトルを演じて
ヒート2で今季初優勝の成田亮



開幕戦に続いてカワサキトップチームの新井宏彰(#331)が負傷欠場し、開幕戦でクラッシュしたホンダに乗る小野千成(#17)もケガの影響で出場できなかったことなどから、決勝出走は21台となった。ヒート1で好スタートを決めたのは、カワサキトップチームの小方誠(#4)。これにホンダを駆る大塚豪太(#155)と小島庸平(#44)、ヤマハのマシンに乗る星野優位(#166)、スズキで戦う深谷広一(#51)らが続くと、1周目に小島が大塚を抜いた。2周目、星野と深谷が相次いで大塚をパス。これで小方、小島、星野、深谷、大塚、1周目8番手と出遅れていた開幕戦両ヒートウィナーでホンダファクトリーチームから参戦する山本鯨(#400)の順となった。3周目には山本が大塚を抜き、トップの小方はペースを上げてややリードを拡大。4周目からは、小島と星野が2番手争い、そこから少し間隔を開けて深谷と山本が5番手争い、さらに数秒の差を開けて大塚を先頭とした縦に長い集団という構成となった。

6周目には、小島を抜いて星野が2番手に浮上。ここから星野はペースを上げ、4秒ほど前を走る小方を追ったが、小方のほうがコンマ数秒単位で速く、その差がほとんど変わることなく周回が続いた。そしてレースは22周でチェッカーとなり、小方が今季初優勝を挙げ、星野が2位となった。レース中盤から白熱したのは3番手争い。8周目には、小島を先頭に深谷、山本、ヤマハトップチームの岡野聖(#8)が接近戦を開始すると、11周目にややミスを喫した山本が集団の一番後方に下がり、12周目には深谷が小島を抜いて3番手浮上。小島の背後に今度は岡野が迫り、14周目に逆転した。ケガの影響で思うようにペースが上がらない山本が、小島の攻略に手間取っている間に両者との距離を詰めてきたのは、スタートで出遅れて1周目12番手から追い上げてきた、ホンダファクトリーチームの成田亮(#114)。18周目に、山本を成田が抜いた。そして迎えた最終ラップで、成田は小島の攻略にも成功。3位に深谷、4位に岡野、5位に成田、6位に小島という順位となった。


決勝ヒート2は、前のレースで課題となったスタートを決めた成田がホールショットを奪い、これにKTMを操る池谷優太(#793)、小方、深谷、山本、岡野、星野が続く展開。2周目以降、池谷は少しずつ順位を下げ、隊列が落ち着いた6周目の段階で成田、小方、山本、深谷、星野、岡野がやや縦に長く連なった。翌周以降、このトップグループで成田と小方、深谷と星野が接近戦。しかし勝負の決め手がなくそれぞれのポジションがキープされた。順位にやや動きが出始めたのは、レースが間もなく後半を迎える10周目。星野が深谷を抜いて4番手に浮上し、深谷の背後に今度は岡野が迫った。

このバトル中にマシンをエンストさせるミスをした深谷が、12周目に入ったところで集団から脱落。深谷は、単独走行に近いカタチとなっていた池谷の直前で復帰したが、翌周には池谷の先行を許した。レース終盤、トップグループから岡野が遅れ、これで4台による優勝争い。勝負のタイミングを計っていた山本は、ラスト2周となった20周目に小方を抜き、トップをキープし続ける成田に肉迫した。迎えた最終ラップ、山本は成田を抜いてトップに浮上。しかし諦めない成田が、その後のタイトターンで強引に山本のインを突き、接触を受けた山本が転倒した。そしてレースは成田が優勝し、小方が2位、星野が3位でゴール。再スタートした山本は4位でチェッカーを受け、岡野が5位、池谷が6位となった。


ヒート1で勝利した小方は、「昨年秋のケガから、チームの支えによって復活することができました。大会直前に子どもが生まれたので、よいプレゼントになると思います」と最高の笑顔。またヒート2で優勝した成田は、「令和初日に39歳を迎えましたが、中年だってまだまだイケます!」と話して、会場に詰め掛けた多くの観客を沸かせた。




全日本で表彰台の頂点に立つのは
約3年ぶりとなった平田優

ヒート2で勝利を収めた横山遥希が
ここまでのランキングトップ



決勝ヒート1で好スタートを決めたのは内田篤基(#38)。これに大倉由揮(#36)と石浦諒(#954)が続いて1周目をクリアした。開幕戦両ヒート制覇の横山遥希(#386)は大きく出遅れ、1周目通過順位が20番手と非常に苦しい展開となった。2周目、内田と大倉による僅差のトップ争いが繰り広げられ、翌周に大倉が先行。この2台に石浦も遅れることなく続き、三つ巴のトップ争いとなった。4周目、3台による接近戦の4番手争いを平田優(#81)が制すると、平田は翌周から一気にペースを上げて、トップグループに接近。この平田からやや離されながらも、浅井亮太(#42)がこれに続いた。

レースが中盤に入った7周目、2番手を走っていた内田が転倒して5番手に後退。代わって石浦がトップの大倉に迫り、平田と浅井も前との距離を詰め、翌周にはトップ集団が4台に拡大した。そして9周目、石浦と大倉を次々にパスした平田がトップに浮上。その後の2周にわたってハイペースを維持した平田に対して、大倉以下はわずかについていけず、これで平田のアドバンテージが4秒ほどに拡大した。レース終盤、平田と大倉の差は大きく変化することなく、そのまま逃げ切った平田が、16年第4戦ヒート2のIA1クラスを制して以来となる全日本優勝。大倉が2位となった。レース終盤、表彰台最後の枠を懸けたバトルが浅井と内田と横山によって繰り広げられ、ラストラップに浅井を抜いた横山が3位。浅井が4位、内田が5位、2周目の段階で13番手だった鈴村英喜(#58)が追い上げて6位となった。


決勝ヒート2は、ヒート1は後半に順位を下げて7位に終わった石浦がホールショット。内田や道脇右京(#43)、横山、森優介(#54)、鈴村、平田、大倉が続いた。ヒート1で4位となった浅井は転倒によりほぼ最後尾。2周目には、6番手を走行していた平田も転倒を喫して21番手まで順位を下げ、この影響などから大倉も11番手となった。3周目の段階で、上位勢は石浦、横山、内田、道脇、森、鈴村のオーダー。4周目以降に横山が石浦との距離を詰めて接近戦となったが、石浦も粘りをみせてトップを守り、周回によっては再び石浦と横山の差が2〜3秒に広がった。

レース中盤になっても石浦と横山のトップ争いは続き、3番手の内田と4番手の道脇と5番手の森は、それぞれ単独走行に近い状態。レースが後半に入った11周目、石浦がややタイムを落としたことで横山との差が再び縮まり、これでトップ争いが接近戦になると、13周目に横山が先行した。大きなラップタイム差が生まれづらいコース設定とあって、抜かれた石浦は数秒差で横山のマークを続けたが、レース終盤になるとその背後に内田が接近。最終ラップに仕掛けた内田が先行した。そして21周のレースは、横山が今季3勝目を挙げ、内田が自己最高位タイとなる2位、石浦が全日本IAクラス初表彰台となる3位でフィニッシュ。転倒後に激しく追い上げた平田が4位、森が5位、大倉が6位に入賞した。


ヒート1で優勝した平田は、「一昨年は、僕のプライベートな問題でご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありませんでした。再びここに戻ってくるための準備をしてくれた方々に感謝しています」とコメント。ヒート2で勝利を収めた横山は、「地元大会ということで応援してくれる方々が多かったのですが、ヒート1はスタートの出遅れが響いて3位に終わり、ヒート2は何がなんでも勝ちたいと思っていました」と笑顔で心境を語った。




レース中盤にトップへ浮上して
全日本IB初優勝の中島漱也

中島が両ヒート制覇を達成して
開幕戦両ヒート2位の雪辱を果たした



土曜日の最終レースとして実施された決勝ヒート1では、開幕戦で両ヒート2位となった中島漱也(#215)がホールショット。袴田哲弥(#34)や西元気(#3)らが続いたが、袴田はミスで順位を落とし、中島を西が僅差でマークして、これに矢野大介(#6)、村野晟弥(#12)、福村鎌(#40)、上原巧(#31)らが続いて1周目をクリアした。2周目に入ったところで、西が中島をパスしてトップに浮上。しかし抜かれた中島は、遅れることなく西を背後でマークした。3周目の段階では、この2台から3秒ほど遅れて、矢野を先頭に村野、袴田、福村、上原がやや縦に長い集団を形成。さらに数秒離れて、那須伊雪(#23)と小笠原大貴(#1)と開幕戦両ヒート制覇の佐野雄太(#4)が8番手争いを繰り広げた。

4周目、西と中島の差が再び詰まり、僅差のトップ争いがスタート。袴田は再びミスを喫して9番手に後退し、矢野を先頭とした3番手争いは4台となった。そして6周目、中島が西を抜いてトップ再浮上。第2グループからは福村が脱落し、上原はやや遅れたことから、上位勢は中島と西の先頭争い、矢野と村野の3番手争い、その後ろに上原、小笠原、袴田、福村、佐野が続くことになった。レース後半、中島は3〜4秒のリードを築くと、その後は西との距離をほぼ保って周回。14周終了時点でトップチェッカーを受けた中島が全日本格式レースでの初優勝を挙げ、西が2位でゴールした。終盤、3番手争いは激しさを増し、11周目には村野が集団の先頭に。しかし、ラスト2周で小笠原、最終ラップに村野を抜いた佐野が3位となり、村野は4位、小笠原は5位となった。袴田が、最終ラップに矢野をパスして6番目のチェッカーを受けたが、サイティングラップに出る際にエンジンが始動せずマシンをコース外に押し出した行為が、国内モトクロス競技規則31-1-3(レース中に、ピット区域以外のパドックに戻った場合)に該当するとして失格となり、矢野が繰り上がって6位となった。


日曜日最初の決勝レースとなったヒート2は、ホールショットの伊藤翔太(#100)を中島、村野、上原、袴田、矢野らが追ってスタート。しかし袴田は、1周目の後半で転倒して大きく順位を落とした。村野は中島を抜いて2番手に浮上し、中島の後方には矢野と後方から一気に上がってきた佐野が接近。2周目、村野がトップに浮上し、これに続いて中島も伊藤をパスした。3周目に村野が2秒ほどのリードを築いたが、翌周には再び中島が接近。伊藤が後続を抑える間に、トップ2はアドバンテージを拡大し、矢野と佐野が相次いで伊藤を抜いた4周目の段階で、2番手中島と3番手矢野の差は7秒以上に広がっていた。5周目、中島が村野を抜いてトップに浮上。3番手争いでは佐野が先行し、これで4番手となった矢野の後方には小笠原が近づいた。この周、上原も伊藤をパス。伊藤の背後には富岡寿弥(#17)が迫った。

トップに立った中島は、その後の2周ほどで3〜4秒のリードを築いたが、ここからしばらくトップ争いは膠着状態。3番手の佐野は、8周目から1秒ほどペースを上げると、11周目にはさらにタイムを削り、これで村野から3秒以内のところまで近づいた。4番手争いでは、7周目に小笠原が先行して矢野が5番手に後退。6番手争いは、上原と富岡と関根の接近戦となり、9周目に富岡が主導権を握った。12周目、なおもハイペースを維持した佐野が村野の背後に迫り、翌周に逆転。ラスト2周となった14周目には、佐野がファステストラップを記録したが、それでも中島のリードは3秒以上が確保されていた。そしてレースは中島が再び勝利を収め、佐野が2位、村野が3位。レース後半はそれぞれ単独走行となった小笠原が4位で矢野が5位となり、富岡が6位に入賞した。


両ヒート制覇の中島は、「シーズンオフは調子が良かったのに、開幕直前から不調になり、開幕戦は佐野選手に両ヒート制覇されてしまって悔しく感じていました。でもこの第2戦で、だいぶ調子が戻ってきた感覚があるので、次戦以降も勝ち続けられるよう努力します」と宣言した。




久保まなの快走により
ハスクバーナが初めての勝利



今大会には変則的なタイムスケジュールが導入され、レディスクラス決勝が大会最終レースとなった。それまで多くのクラスが走行したことで、コースの各所に深めのワダチができ、速いラインがかなり限定されたコンディション。レースは、開幕戦で優勝した本田七海(#6)のホールショットで幕を開けた。今季からハスクバーナにマシンをスイッチした久保まな(#5)がこれに続き、オープニングラップで3台ほどのマシンをパスした竹内優菜(#4)が3番手。1周目終盤で、本田を抜いた久保がトップに立った。2周目、久保はややリードを拡大。しかし3周目には、再び久保と本田と竹内が接近戦となった。同じ周、トップ3台から遅れた4番手争いは、勝股七海(#7)を先頭に田端紗名(#16)と小野彩葉(#10)と井川実乃里(#21)が僅差で続く、こちらも大接戦。しかし翌周、井川はミスを喫してこの集団から脱落した。

5周目、4番手争いでは勝股が順位をふたつ落とし、これで集団の先頭に立った田端を、翌周に小野が抜いて4番手に浮上した。レースが後半に入ると、トップ集団では久保がわずかにリードを築き、一方で本田と竹内は接近戦を継続。しかし竹内は、猛プッシュするも本田を攻略できなかった。そしてレースは10周で終了。逃げ切った久保が、17年開幕戦以来約2年ぶりの全日本勝利を収め、ハスクバーナに全日本モトクロス選手権シリーズでは初めてとなる優勝をプレゼントした。本田は順位を守って2位。竹内は、本田に約0.3秒届かず3位となった。トップ3には離されたが、最後までペースを落とさず走りぬいた小野が4位。スタート直後の1コーナーで転倒し、後続にひかれながらもレースに復帰した川井麻央(#2)が、激しい追い上げで5位。最後は単独走行となった田端が6位に入賞した。


優勝した久保は、「表彰台に立つのも久しぶりで、本当にうれしい。バイクやチームを替えても助けてくれる人たちがたくさんいて、みんなに支えられて勝てました」と笑顔をみせ、一方で2位となった本田は、「自分の力不足と考えの甘さから開幕連勝を逃しましたが、シーズンは長いので立て直していきます」と悔しさをにじませた。




ホールショットから独走して
総合優勝を獲得した外間匠


キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、大幅なショートカットによりベストラップタイムが50秒程度になるよう設定されたコースで、昨年までよりも3分長い8分+1周で競われた。国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに5名、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスに5名と、合計10名がエントリー。レースは、パワーに勝るBクラス勢の外間匠(#8)がホールショットを奪い、これに続いた福田燈人(#246)と清水雷土(#2)が2番手争いを繰り広げるオープニングラップとなった。

1周目は、先頭の外間に清水と福田が続き、間隔を開けて永澤匠真(#66)と太田結馬(#36)のBクラス勢、坂本嵩(#100)と熊谷春輝(#86)のAクラス勢が僅差の総合4番手争い。しかし2周目以降、外間が後続を振り切って独走態勢を築くと、そのままトップチェッカーを受けて総合優勝に輝いた。総合2番手争いはレース中盤以降も接近戦となったが、順位を守った清水が総合2位となり、福田が3.5秒ほど遅れた総合3位となった。2周目に永澤を抜いた太田が、リードを拡大して総合4位。2周目に同じクラスの熊谷をパスして総合5位の永澤に僅差で迫った坂本がAクラスの勝者に輝き、熊谷もこのふたりから遅れることなくゴールしてAクラス2位となった。