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'18全日本モトクロス選手権第5戦 HSR九州大会

↑'18スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズの今季第5戦は、熊本県のHSR九州で開催された。2012年以降、開幕戦の地として定着してきたこのコースは、年間1戦の全日本開催を通例としてきたが、今季は開幕戦に加えてシーズン中間地点となるこの大会でも舞台となった。ただしHSR九州は2010年以前、この6月上旬に全日本を開催するスケジュールが組まれていたこともある(2010年は口蹄疫感染拡大抑止のために中止)。
コースは、大まかなレイアウトこそ今季開幕戦を踏襲するが、新たに川砂、海砂、山砂を搬入しながら各部の仕様を変更。ただし各クラスの予選とIBオープンクラスの決勝ヒート1が実施された土曜日は、天候には恵まれたが前日に降った雨の影響で路面が水を多く含んでいたため、コース前半部分がショートカットされた。日曜日の天候は曇り一時雨で、路面状況の回復を受けてフルコースとなった。日曜日の最高気温は27度。観客数は2日間で5,800名となった。







序盤からポジションを守り切り
ヒート1で今季初優勝獲得の山本鯨

3台による激しいバトルを制して
ヒート2でも勝利を収めた山本



決勝ヒート1のスタート前から風が強くなり、スタートとほぼ同時に小雨が降りはじめた。レースは、ホンダのマシンを駆る田中雅己(#113)がホールショットを奪い、これをホンダファクトリーチームの山本鯨(#1)とカワサキトップチームから参戦する新井宏彰(#331)が追うと、まずは山本と新井が先行して、3番手に後退した田中の背後にはカワサキトップチームの小方誠(#2)、ホンダを駆る大塚豪太(#155)、ポイントリーダーでホンダファクトリーチームから参戦する成田亮(#982)が続いて1周目をクリアした。2周目、小方が田中を抜いて2番手に浮上。トップ3台がそれぞれ3〜4秒の間隔を開けた状態になると、翌周以降はその間隔をほぼ保ったまま4番手以下を引き離し、縦に長いトップグループを形成していった。4番手争いは、田中と大塚と成田による接戦となったが、大塚は4周目に後退し、成田の背後にはヤマハを駆る岡野聖(#30)が迫った。

7周目、成田が田中を抜いて4番手に浮上。この段階で、大きく先行したトップグループはなおも3〜4秒の間隔を保っていたが、翌周から2番手の新井がペースダウン。9周目には小方が新井を抜いた。この間に、トップの山本はリードを約6.5秒に拡大。レース終盤は山本がそのアドバンテージを守り、今季初優勝を挙げた。小方は2位、新井は3位でゴール。成田を追っていた岡野は飛び石による負傷で9周目に後退し、1周目11番手から追い上げてきたスズキを操る深谷広一(#7)が、ラスト4周となった13周目に成田をパス。しかし残り2周のところで成田が再び逆転し、成田が4位、深谷が5位となった。カワサキに乗る星野裕(#8)が、1周目10番手から追い上げて10位となった。


決勝ヒート2では、山本がホールショット。これに田中、ヒート1はスタート直後の転倒でリタイアに終わったホンダを駆る小島庸平(#44)、新井と小方のカワサキ勢、成田が続いた。混戦の1周目を山本、新井、小方、田中、成田、小島の順でクリアすると、翌周には田中が6番手に後退。成田までの4台が、5番手の小島を早くも引き離しはじめた。さらに翌周、成田もトップグループから少し間隔を開け、これで3台となった先頭集団は、山本を新井と小方が僅差で追う大接戦となった。4周目、小方が新井をパスして、集団の中で2番手にポジションアップ。小方は、そのまま山本に肉迫した。5周目、コース前半では山本が少しリードを奪ったが、ジャンプやリズムセクションが連続する後半で小方と新井が近づき、接近戦が継続。そして6周目、小方が山本を抜いた。

しかし翌周、再び山本が小方を抜いてトップに浮上。新井もすぐ後ろでチャンスをうかがい、トップ3台がバトルを繰り広げる間に、一度は離された成田も再び集団に近づいた。8周目と9周目は、トップ3台のバトルは一度鎮静化されたが、10周目に山本がややタイムを落とすと、再びバトルが激化。翌周にかけて、山本に小方と新井が接近した。するとラスト4周となった12周目、山本は再びペースアップ。これにより、トップ3台の間隔は数秒ずつ広がった。これで勝負あったかに思われたが、小方は諦めておらず、ラスト2周の14周目に、このレースのファステストラップにほぼ並ぶタイムまでペースを上げ、山本と約1秒差まで接近。最終コーナー手前まで、僅差で山本を追った。しかし最後は山本が逃げ切ってチェッカー。両ヒート制覇を達成した。小方は2位、新井は3位でゴール。成田はレース後半にペースを落とし、これを最終ラップに抜いた小島が4位、成田が5位、レース終盤まで小島を追っていた星野裕が6位となった。


「開幕戦からここまで、マシンとのマッチングに苦しんで3位ばかりを重ねてきたので、言葉にできないくらいうれしいです。ヒート2は小方選手と新井選手が速かったのですが、終盤にもう一度、自分のリズムに引き込むことができたと思います」と、総合優勝に輝いた山本。両ヒート2位の小方は、「スタートで少し出遅れたのが響きました。でも両ヒートをまとめられたし、最高のコース整備のおかげでよいバトルができて、観客の方々には楽しんでもらえたと思います」と笑顔でレースを振り返った。




1周目から先頭を守った能塚智寛が
そのままヒート1で優勝

ヒート2では古賀太基を引き離して
能塚が今季初の両ヒート制覇



決勝ヒート1のスタート直後、1コーナーでマルチクラッシュが発生。ポイントリーダーの古賀太基(#922)をはじめ、北原岳哲(#34)や鳥谷部晃太(#37)、菅谷崚介(#41)、地元の森優介(#52)、小林秀真(#59)らが大きく遅れ、北原と森はそのままリタイア。古賀はレースに復帰したが、3周を走ったところでマシントラブルによりリタイアとなった。レースは、ホンダファクトリーチームの能塚智寛(#828)が好スタートを決め、これを大木汰一(#39)と横山遥希(#66)、大倉由揮(#46)やこの熊本出身で地元の新チームから参戦する石浦諒(#952)が追う展開。しかし2周目、大木はクラッシュによりリタイアとなり、これで2番手に浮上した横山に対する能塚のリードは、早くも6秒近くにまで拡大した。

3周目以降も能塚はハイペースをキープし、4周目にはこのヒートのファステストラップタイムを叩き出してリードを拡大。レース中盤以降も単独走行を続けて、今季4勝目を挙げた。2番手争いは、1周目12番手から2周目にポジションを一気に7つ上げた小川孝平(#912)が加わり、5周目には横山と小川と大倉が縦に長く続く状態。6周目から小川は横山に肉迫し、翌周の1コーナーで先行した。大倉はこのふたりから遅れ、レース後半は単独走行。3番手に後退した横山は、レース終盤まで小川を僅差でマークしたが、再度勝負に挑めるところまでは近づけなかった。そして小川が2位、横山が3位、大倉が4位でフィニッシュした。5位には1周目11番手から追い上げた大城魁之輔(#42)、6位には石浦が入賞している。


決勝ヒート2は、古賀と森がホールショットを競い、能塚や横澤拓夢(#32)、鳥谷部が追撃。ところがコースの中間付近で森は転倒し、リタイアとなった。能塚が古賀を抜き、オープニングラップを能塚、古賀、横澤、石浦、鳥谷部、兄弟対決となる高橋虎支郎(#04)と高橋虎太郎(#72)の順でクリア。2周目、古賀が一度は能塚をパスしたが、再び能塚が抜き返した。この2台のペースは、3番手以下よりも圧倒的に速く、序盤の3周だけで約9秒も先行。レースは早くもマッチレースとなった。4周目以降、能塚が古賀を1周につき1〜2秒ほど引き離す周回が続き、これにより能塚のリードは、レースが後半に入った8周目の段階で約7.5秒に拡大した。

一方、3番手争いは横澤を先頭に、1周目9番手から追い上げてきた小川と石浦が僅差で続く展開。7周目、小川が横澤を抜いて3番手に浮上し、抜かれた横澤の背後には石浦が迫った。そして9周目に石浦が横澤をパス。次に鳥谷部と大倉が横澤に接近し、11周目に横澤が6番手に後退すると、鳥谷部と大倉は横澤を引き連れたまま接近戦を続けた。終盤、上位4台はそれぞれ単独走行となり、レースは15周で終了。能塚が勝利を挙げ、古賀が2位、小川が3位、石浦が4位となった。ラスト2周で、スタート直後にクラッシュして1周目25番手から追い上げてきた横山が、大倉と鳥谷部と横澤のの5番手争いに加わり、大倉が5位、横山が6位、鳥谷部が7位、横澤が8位となった。


今季初の両ヒート優勝を飾った能塚は、「地元の九州で、両ヒートとも勝って総合優勝を獲得できたのでうれしいです。いつもはこういうことを言わないのですが、父の日が近いので、父親にも感謝の気持ちを伝えます」とコメント。総合2位の小川は、「どうしてもスタートが決まらず、勝つことができませんでした。次戦までにスタート練習をしっかりして、次こそトップを獲ります」と宣言した。




ヒート1ではスタートで出遅れるも、
最終ラップで逆転勝利した岸桐我

ヒート2の岸は序盤から独走して
前戦に続く両ヒート制覇を達成



土曜日の決勝ヒート1では、池田凌(#8)が好スタート。真野凌輔(#1)や倉持陵生(#5)、森田虎太郎(#41)らが追ったが、真野はミスにより後退。スタート直後は6番手あたりにいたランキング2番手の瀬川開生(#98)が積極的なパッシングを披露し、一気にトップへ浮上した。そして1周目を瀬川、池田、森田、倉持の順でクリア。ポイントリーダーの岸桐我(#84)は出遅れて9番手からのレースとなり、ランキング4番手で今大会を迎えた上岡聖志朗(#12)は、スタート直後にクラッシュしてリタイアとなった。2周目、瀬川が2秒ほどのリードを奪い、池田と森田は僅差の2番手争い。このふたりから2秒ほど遅れて、倉持と小笠原大貴(#61)と岸が接近戦を開始した。3周目、岸は4番手集団の先頭に。この周も瀬川はリードを拡大し、2番手の池田を約5秒、4番手の岸を10秒近く離した。

4周目、岸は3番手を走る森田の背後に迫り、倉持もラップタイムを上げて小笠原を少し離した。岸は5周目に森田をパスすると、7周目には池田の攻略にも成功して2番手に浮上。この段階でトップ瀬川と岸の差は約7.5秒あったが、その後の数周で岸は徐々に瀬川との距離を詰めていった。一方、池田は単独走行の3番手に。森田はレース中盤から大きくペースが落ち、7周目に倉持がこれをパスしたが、9周目には1周目10番手から追い上げてきたランキング3番手の川上龍司(#45)が倉持をパス。その後、3番手の池田、4番手の川上、5番手の倉持は単独走行となった。レース終盤、瀬川と岸の距離はほぼなくなり、13周目に入ったあたりから接近戦がスタート。そして迎えた最終ラップの14周目、岸がトップに立った。再逆転を狙った瀬川は、直後のコーナーで岸のインを突いたが、ここで両者が接触。瀬川が転倒し、なんとか持ちこたえた岸が勝利した。瀬川は再スタートして2位。池田が3位、川上が4位、倉持が5位、レース中盤に6台による接戦の中で順位を上げた齋藤健太(#4)が6位となった。


日曜日最初の決勝として実施されたヒート2では、先行した牟田口侑大(#70)をまずは岸が抜き、オープニングラップ終えるところで瀬川も続き、1周目を岸、瀬川、牟田口、矢野大介(#13)、真野、川上の順でクリアした。2周目、上位勢は早くも縦に長くなり、この中で牟田口と矢野は接近戦を展開。翌周に矢野が牟田口を抜き、3番手に浮上した。この段階で、岸と瀬川のトップ2台はすでに約7秒も先行。瀬川は3秒ほどの差でトップの岸をマークしていたが、4周目になると瀬川のペースが2秒近く落ち、これで岸のリードが拡大した。それでも瀬川のペースは、3番手以下に比べて2秒ほど速く、矢野を先頭に川上、牟田口、真野、古賀翼(#67)、西條、上岡、齋藤が続いた3番手集団を、9秒ほど離した。

5周目以降、岸はなおも瀬川より速いペースをキープ。8周目までに約8秒のリードを築くと、ラスト3周は確実な走りに切り替え、そのまま逃げ切って前戦に続く今季3度目の両ヒート制覇を果たした。瀬川は再び2位でゴール。混戦となった3位争いでは、6周目に牟田口が大きく順位を落とし、翌周には4番手を走っていた川上がミスで9番手まで後退。これで3番手の矢野が集団から完全に抜け出し、西條と上岡が後続を引き連れながら4番手を争うことになった。そしてこのまま決着と思われたが、最終ラップに矢野が転倒して9番手にポジションダウン。これで西條が3位、約1.5秒差で上岡が4位、齋藤が5位、川上が6位となった。


「予選とヒート1はスタートが悪かったのですが、ヒート2はマシンセッティングなどを見直した結果、改善することができました。でもホールショットではなかったので、次戦はスタートから独走したいです」と、両ヒート制覇でランキングトップを守った岸。一方、両ヒートで2位となった瀬川は、「ヒート1は、せっかくトップを走っていたのに、自分のペース配分が悪くて負けてしまいました。ヒート2も勝てず、反省すべきことが多い大会でした」と悔しさをにじませた。




応援が非常に多い地元大会で
速さをみせつけて勝利した畑尾樹璃



直前まで降った雨の影響で、決勝はマディに近いコンディション。とくに、黒土を多く含んだ本来の路面が残されたコース後半のテクニカルセクションが、スリッピーな状態となった。レースは久保まな(#2)のホールショットで幕を開け、これに勝股七海(#9)と小野彩葉(#13)、ランキングトップの畑尾樹璃(#4)、前戦勝者の竹内優菜(#1)が続いた。勝股は1周目に5番手まで順位を落とし、チームメイトの小野を抜いた畑尾が2番手に浮上。久保、畑尾、小野、竹内、勝股の順で1周目をクリアしたが、2周目に久保と小野は転倒して、トップグループから脱落した。これにより先頭に立ったのは畑尾。3秒ほどの間隔を開けて竹内、さらに約3秒離れて勝股が続き、そこから5秒ほど遅れた4番手集団では、ランキング2番手の川井麻央(#8)を久保、楠本菜月(#32)、安原さや(#5)が追った。

3周目、竹内は畑尾と互角のペースで追い上げを試みたが、畑尾は翌周に2秒近くもペースを上げてリードを拡大。レース後半は単独走行を続けて、今季3勝目を挙げた。竹内は2位でフィニッシュ。4周目に勝股を抜いた川井が3位となった。レース終盤、勝股と久保と安原は、接近戦の激しい4番手争いを展開。これに競り勝った久保が4位に入賞し、安原が5位、勝股が6位でチェッカーを受けた。


「このコースで実施された開幕戦で課題と感じていたフープスを攻略するため、前戦終了後は実家に戻って練習してきました。雨により決勝直前になって路面状況が変化しましたが、本来の土質が残るセクションについてはマディでの攻略方法を誰よりも知っていると思い、自信を持って臨みました」と、優勝した畑尾。2位となった竹内は、「畑尾選手が速くて勝てなかったけど、開幕戦はマシントラブルでリタイアだったので、九州のファンに最後まで自分の走りを見てもらえたのがうれしいです」と笑顔で語った。




雨が強く打ちつけるレースで
Aクラス優勝を獲得した川上真花


ショートカットコースで5分+1周により競われたチャイルドクラスの決勝は、スタート直前に雨が非常に強くなり、過酷なコンディションでのレースとなった。国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに10名、海外ブランドの2ストロークマシンで参加できるBクラスには1名が出走。レースは、唯一のBクラスライダーとなった清水雷土(#2)のホールショットで幕を開けた。清水は、マシンのアドバンテージを生かしてレース序盤から独走。終盤にややラップタイムを落としたが、そこまでの間は雨の影響を感じさせない安定した速いラップタイムを刻み、独走で勝利を収めた。

総合2位かつAクラス優勝は、オープニングラップから後続を大きく引き離した川上真花(#42)。こちらも、安定したラップタイムで周回を重ねて、単独走行で逃げ切った。総合3位でAクラス2位は今岡陸駆斗(#17)。2周目に黒木翔太(#45)とともに転倒した影響により、一時は6番手まで後退。3周目に3番手へ浮上すると、レース後半はAクラストップの川上よりも速いペースで追い上げたが、10秒以上あった差を詰め切ることはできなかった。黒木は、2周目から総合4番手を守り、最終ラップのミスで桑津理晄(#83)に迫られたが僅差で逃げ切り、総合4位でAクラス3位となった。