第8戦岡山終了時点のポイントリーダーは小室旭が109ポイント、2番手の伊達悠太は106ポイントと、その差僅か3ポイント。3番手は古市右京の90ポイント、4番手の中島元気が83ポイントとなっており、この上位4人までがチャンピオンの可能性があった。 決勝日も朝からの快晴、しかし風が冷たくこのレースウイークで最も寒いコンディションとなった。 12周で争われた決勝。ホールショットは予選3番手の山中琉聖が奪うがS字コーナーで小室がトップに立つ。バックストレートでイン側からするするっと出てきたのは予選9番手の高杉奈緒子、トップで130Rに進入する。高杉を挟んでアウト側から中島、イン側から小室の3ワイドでシケインに進入、小室がトップを奪うと中島もアウトから高杉をかわして2番手、その背後から山中が3番手で最終コーナーを駆け下りてくる。オープニングラップは、小室、中島、山中、高杉、宇井陽一、栗原佳祐、伊達悠太、古市右京、安村武志、船田俊希のトップ10が集団のままコントロールラインを通過する。 この10台に佐野勝人、岡崎静夏が追いつき12台もの大きなパックで先頭集団を形成する。3ワイド、4ワイドでコーナーに進入してオーダーが変わるJ-GP3クラスらしい激しい順位争いが展開される。 4周目には12台だったパックが伊達、中島、山中、小室、栗原の5台に集約される。その2秒後方に高杉、佐野、船田、古市、安村、宇井のセカンドグループを高杉が引っ張る。 レース折り返しを迎える6周目、先頭集団はコンマ5秒の中で5台がコーナー毎にオーダーを変える激しいバトルを展開する。先頭集団が互いに牽制し合ってバトルをしている間に安村、佐野、船田、古市のセカンドグループが接近してきて8周目のヘアピンでは再び9台のパックとなる。 レース終盤、3ポイント差でチャンピオン争いをしている小室と伊達の位置が注目される。9周目のオーダーは、中島をトップに伊達、小室、山中、栗原と続くトップ5。そして11周目の最終コーナーで中島がハイサイドでバランスを崩し、あわや転倒というシーンとなり加速がにぶった中島はポジションを落としてしまう。そして栗原、山中、中島、伊達、船田、小室の順でコントロールラインを通過し運命のファイナルラップを迎える。1コーナー進入では栗原、山中、伊達、小室のオーダー。デグナー進入で伊達がトップに立つがヘアピンで栗原が抜き返す。バックストレートで栗原のイン側に伊達、山中、中島が並ぶと中島がトップで130Rを立ち上がりシケインに進入して行く。中島はレイトブレーキングを見せシケインへアプローチするが、そのイン側に伊達がいたためマシンをバンクさせられずコースアウト。伊達がトップに立ち、栗原が2番手、小室は、切り返しではらんでしまい、そのイン側から山中が前に出て行く。伊達がトップでチェッカーフラッグを受け、栗原、山中、小室の順でゴールラインを通過。この瞬間、伊達が大逆転でJ-GP3チャンピオンを獲得。小室は4位となり、惜しくもシリーズランキング2位となった。 5位に佐野、6位 安村、7位 船田、8位に中島、9位 古市、10位 太田虎之進の上位10位であった。
レーススタート