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'17全日本モトクロス選手権第5戦 東北大会 
             
↑'16スケジュール




ちょうどシーズンの真ん中となる今季第5戦は、昨年の7月第4週から一昨年までと同様の第3週開催に日程が戻された東北大会。これまでと同じく、岩手県南部の宮城県境近くに位置する藤沢スポーツランドで開催された。

山の斜面に生えた木々の間を縫うようにレイアウトされたコースは、かつてサンド質の路面で知られたが、一昨年に新たな土が搬入されて以降は、走行が続くと路面の土が細かく砕けて堆積しやすい土質となっている。
各クラスの予選が実施された土曜日は、午後に一時雨が降ったが基本的には晴れで、最高気温が33度に達する猛暑。決勝が開催された日曜日は、午前中こそ曇りだったが、お昼休みからは断続的に激しい雨が降り、コースは一転してマディとなった。なお来場者数は、2日間で3,800名となった。






オープニングラップから逃げ切り
ヒート1で5連勝を達成した小方誠

マディとなったヒート2で優勝して
ランキングトップに浮上した山本鯨



前戦をケガにより欠場したスズキファクトリーチームの小島庸平(#44)やカワサキトップチームの新井宏彰(#331)、ホンダのマシンを駆る田中雅己(#113)がシリーズに復帰。決勝出走台数は18台となった。

決勝ヒート1は田中のホールショットで幕を開けたが、田中はすぐにミスで後退。ここまで4ヒート連続優勝しているカワサキトップチームの小方誠(#10)が先頭に立ち、チームメイトの新井、ヤマハファクトリーチームの平田優(#99)、KTMを駆る星野優位(#166)が続いた。やや出遅れたホンダファクトリーチームの成田亮(#1)は、積極的に追い上げて1周目に星野をパス。星野の背後には、ホンダファクトリーチームの山本鯨(#400)が続いた。2周目、山本も星野を抜き、トップの小方から5番手の山本までがトップ集団を形成。3周目になると、この集団は縦に長くなった。4周目以降、小方は徐々にリードを拡大。山本は前との距離を少し開け、2番手の新井、3番手の平田、4番手の成田は接近戦となった。

6周目、成田は平田の攻略に成功。翌周には新井の背後に迫り、8周目に成田は新井を抜いた。この段階で、トップの小方は約9秒のアドバンテージを確保していた。レースが後半に入った9周目、新井と平田が僅差の3番手争い。翌周には平田が先行し、抜かれた新井のペースが落ちた。これにより、山本が新井の背後へ一気に接近。11周目には、山本が逆転に成功した。同じ周、平田は2番手を走る成田に迫ったが、パッシングのチャンスは得られず、翌周以降は再び両者の間に数秒の差が開いた。そしてレース終盤は、上位勢がそれぞれ順位を守って走行。小方がトップチェッカーを受け5連勝を飾り、成田が2位、山本が3位、平田が4位、新井が5位となった。


マディコンディションとなった決勝ヒート2は、成田がホールショット。スタート直後の1コーナーで、2番手だった小方が転倒して、これに後続2台が巻き込まれた。オープニングラップをトップでクリアしたのは成田。チームメイトの山本が数秒差で続き、3番手以下は平田、新井、星野、深谷広一(#7)となった。2周目、成田と山本と平田は、かなり縦に長いトップグループとなりながら、4番手の新井以下を大きく引き離した。一方、新井の背後では星野がマークを続け、深谷は少し離れて6番手走行となった。4周目、トップ2のホンダ勢を追う平田のタイムが落ち、これでトップグループは成田と山本の2台に。4番手の新井を追っていた星野は転倒を喫し、6番手に後退した。

6周目、2秒ほどの差でトップの成田を追っていた山本がコースアウトしかけ、転倒は免れたがタイムロス。これで成田のリードは一気に約8秒へ拡大したが、翌周には山本が約4秒も遅れを取り戻した。さらに山本は、8周目にも成田との差を2秒ほど縮め、再び成田と2秒差圏内へ。一方で、3番手以下は平田、新井、深谷、星野がそれぞれ単独走行に近い状態となった。そしてラスト2周となった12周目、山本を引き連れたままトップを守っていた成田が、ミスにより転倒。これで山本が先頭となり、成田は4番手で復帰した。これによりレースは、山本が優勝、平田が2位、新井が3位、成田が4位、残り3周で深谷を抜いた星野が5位。小方が9位に終わったことから、山本が小方を3ポイント差で逆転してポイントリーダーに立った。

「ヒート1のときは気温が高く、しかも序盤は後ろから新井選手らが迫っていたので、苦しいレースでした」と、ヒート1で優勝した小方。またヒート2で勝利を収めた山本は、「大雨により厳しいコンディションでした。チームメイトの転倒により優勝することになり、気持ちは複雑。次は実力で勝ちたいです」と心境を語った。




再びスポット参戦した勝谷武史が
苦戦しながらもヒート1で優勝

ヒート1で勝利を逃した悔しさを
ヒート2の優勝で晴らした渡辺祐介



新型マシンの実戦テストを目的にホンダファクトリーチームから今季第3戦に出場した勝谷武史(#888)が、今大会にもスポット参戦。決勝ヒート1では、その勝谷がホールショット。ランキングトップの古賀太基(#922)とチームメイトの横澤拓夢(#35)が続いたが、横澤は2コーナーで転倒。これをきっかけに10台近いマシンによるマルチクラッシュが発生して、小川孝平(#912)らが大きく出遅れた。1周目を勝谷、古賀、渡辺祐介(#31)、岡野聖(#30)の順でクリアすると、2周目には勝谷と古賀がトップ争い。しかし古賀は3周目に転倒して、4番手まで順位を下げた。古賀に代わり2番手に浮上した渡辺は、徐々に勝谷へ迫り、4周目あたりから接近戦。3番手の岡野はトップ2台から完全に遅れ、その4秒ほど後方で古賀が4番手を走行した。

レースが中盤に入っても、勝谷は迫る渡辺を抑えて周回。古賀は前を走る岡野との距離を詰め、5周目に池本凌汰(#38)をパスした安原志(#17)が5番手の座を確保した。上位勢の順位が動いたのは11周目。渡辺がついに勝谷を抜き、同じ周に古賀は岡野の攻略に成功した。その後、古賀は徐々に岡野を突き放したが、勝谷は粘ってトップの渡辺を1〜2秒ほどの差でマーク。するとラスト2周となった16周目、渡辺が単独転倒を喫した。レースは、これによりトップに再浮上した勝谷が優勝。転倒からすぐに再スタートした渡辺が2位、古賀が3位、岡野が4位、安原が5位、9周目に池本を抜いた鳥谷部晃太(#48)が6位に入賞した。


スタートとともに豪雨となった決勝ヒート2では、渡辺が好スタート。鳥谷部、古賀、岡野、勝谷、小川が続いた。2周目、トップの渡辺は早くも大きなリードを奪い、2番手には鳥谷部を抜いた古賀が浮上。勝谷は、手を負傷した影響でスローダウンし、この周にピットインしてリタイアとなった。レース序盤、渡辺は後続を引き離して独走態勢。2番手の古賀も単独走行となり、3番手を走る鳥谷部も4番手の小川からリードを奪ったが、5周目に大きくタイムを落とした間に鳥谷部と小川が接近戦となった。しかし翌周から、再び鳥谷部はハイペースで走行。小川を突き放した鳥谷部は、2番手の古賀に迫っていった。

レースが終盤を迎えた10周目あたりから、古賀と鳥谷部は2番手争いを展開。するとラスト2周となった13周目、鳥谷部がミスした間に古賀がリードを拡大した。ところがその直後、古賀のマシンがトラブルによりエンジンストップ。マシンに再び火が入ることはなく、古賀はリタイアに終わった。鳥谷部のミスにより、小川は逆転。レースは14周でチェッカーとなり、渡辺が独走で今季3勝目を挙げ、小川が2位、鳥谷部がIA初表彰台登壇となる3位入賞を果たした。安原は4位、1周目19番手から追い上げた平山力(#52)は5位、岡野は6位でフィニッシュした。


「絶対に負けられないというプレッシャーもあり、渡辺選手に抜かれたことで焦りもあったのですが、渡辺選手の転倒でラッキーな勝利を収めることになってしまいました」と、ヒート1で勝利した勝谷。ヒート2で雪辱を果たした渡辺は、「すごい雨のレースでしたが、なんとか勝てました」と安どの笑顔を浮かべていた。




バトルではミスもあったが
結果的にヒート1で優勝した渡辺陵

波乱続きのマディレースを制して
全日本初優勝を獲得した川口尚希



前戦で両ヒート優勝を達成した渡辺陵(#68)が、決勝ヒート1でホールショット。手操将志(#6)や高橋虎支郎(#14)が続いた。1周目、渡辺が転倒して14番手まで後退。これでトップに立った手操を、高橋が僅差でマークし、2周目になるとこの2台が3番手の神田橋瞭(#67)を少し引き離した。神田橋の後方には、矢野大介(#88)や伊藤翔太(#100)、佐々木麗(#18)、児玉伯斗(#1)らが続いた。3周目、手操と高橋のバトルは白熱し、これに神田橋もやや接近。伊藤と佐々木は激しい接近戦を演じ、伊藤が転倒により順位を大きく落とした。そしてこの周、渡辺はこの佐々木らを抜いて一気に4番手まで順位を回復した。

4周目以降、先頭の手操から4番手渡辺までの距離が徐々に詰まり、5周目からは縦に長いトップグループに。するとレースが後半に入った7周目、この中で渡辺が神田橋と高橋を抜き、2番手に浮上した。翌周、手操は転倒により大きく後退。渡辺がトップ再浮上を果たし、高橋と神田橋は2番手を競った。レースが残り2周となった10周目、トップを快走していた渡辺がミスして、この間に高橋が先行。そのまま高橋がトップチェッカーを受け、渡辺が2位、神田橋が3位の表彰台に立った。しかしレース後、高橋に黄旗無視のペナルティが課され、レースタイムに10秒が加算。渡辺が優勝、神田橋が2位、高橋が3位という正式結果となった。佐々木が4位、矢野が5位、1周目10番手から追い上げた鴨田翔(#7)が6位となった。


大会最終レースとなったヒート2は、大雨と各クラスが走行した影響により、劣悪な路面状況。スタート直後から、コースの各所で転倒者やスタック車両が相次ぎ、目まぐるしく順位が変動することになった。スタート直後、10台ほどのマシンによるマルチクラッシュが発生し、ヒート1で2位となった神田橋や4位となった佐々木らが大きく出遅れ。鴨田と高橋がトップ争いを演じたが、まず高橋がストップして少し遅れ、鴨田は転倒で大きく後退。これで奥村海(#41)が先頭に立った。しかし2周目、その奥村も転倒して、高橋がトップに浮上。奥村は高橋から10秒以上遅れたが、翌周には高橋が大きくラップタイムを落としたことで、再び数秒差まで迫った。

ところが4周目、奥村はスタックにより上位勢から脱落。これでトップの高橋は再び単独走行となったが、レースが後半に入った5周目に転倒して順位ダウン。1周目13番手から前の周に3番手まで浮上していた岩嵜優(#89)がトップに立ち、児玉が僅差で負った。6周目、岩嵜もミスで後退し、これで児玉がトップ。2番手には、1周目9番手から淡々と走行を続けてきた倉持陵生(#4)が上がってきた。ラスト2周となった7周目、この倉持を抜いて2番手に浮上したのは、スタート直後のマルチクラッシュで出遅れていた川口尚希(#13)。そしてラストラップで、児玉が周回遅れにラインをふさがれてスタックしたことから、川口が逆転で勝利を収めた。2位は、こちらもスタート直後の多重クラッシュで出遅れていた佐々木。3位には倉持が入った。

「転倒とコースアウトで順位を落としてしまったのがもったいなかったです」と、レースを振り返ったヒート1勝者の渡辺。ヒート2で優勝した青森県出身の川口は、「大変なレースでしたが、地元の応援もあって優勝できました。うれしいです」と笑顔を弾けさせた。




天候を味方につけた安原さやが
得意のマディで今季初優勝



午後最初のレースとなったレディスクラスの決勝直前に激しい雨が降り、路面状況は一気に悪化したが、走行中は小康状態となった。好スタートを切ったのは、地元ライダーの阿部華帆(#29)。マディの速さに定評がある安原さや(#4)、エンデューロレース経験も豊富な西翔子(#12)、マディの開幕戦では4位に入賞した勝股七海(#9)が続いた。一方、スタート直後の1コーナー手前では10台近いマシンによる多重クラッシュが発生し、ポイントリーダーの竹内優菜(#2)やランキング3番手だった川井麻央(#14)、同4番手の本田七海(#6)もこれに巻き込まれた。1周目、先頭に立ったのは安原。少し間隔を開け、ランキング2番手の久保まな(#5)、阿部、勝股が2番手争いを演じた。しかし2周目、勝股はミスにより後退。上位勢の前後間隔はそれぞれ拡大して、安原がトップ、久保が2番手、阿部が3番手、佐々木奈津美(#17)が4番手となり、5番手の西を神田橋芽(#13)がマークした。

3周目、佐々木は転倒により後退。これで西が4番手にポジションを上げ、その後ろには1周目の転倒から追い上げてきた竹内が、神田橋を引き連れながら迫った。4周目、阿部のマシンがストップして大きく後退。竹内は神田橋を引き離しながら、3番手となった西のマークを続けた。一方、トップの安原と2番手の久保は、比較的安定したペースで周回を重ね、単独走行となりながら順位をキープした。ラスト2周となった6周目、竹内は西の攻略に成功。最終ラップには西を振り切った。そしてレースは、安原が今季初優勝。久保が2位、竹内が3位で表彰台に登壇し、西が4位、神田橋が5位、1周目10番手から着実な走りで追い上げた永井歩夢(#20)が6位に入賞した。


15年第9戦以来の勝利となった安原は、「自分の成績にずっと不安を抱えながら戦ってきましたが、今回は雨が味方してくれました。まだまだがんばります」と宣言した。




3位以下の選手を周回遅れにして
総合優勝に輝いた高師来駆


チャイルドクロスの決勝は、ジャンプや緩やかなS字カーブ区間などが設けられたオーバルに近い形状の特設ショートコースを、5分+1周する方式で競われた。国内メーカー製となる4ストマシンが走るAクラスに7名、海外ブランドが力を入れる2ストマシンで参加できるBクラスに3名の、合計10名がエントリー。レースは、Bクラスから参戦した高師来駆(#34)のホールショットで幕を開けた。同じくBクラスの内藤鳳季(#70)と清水雷土(#2)、そしてAクラスの臺琉斗(#86)や水野霊埜(#80)が上位をキープ。レース序盤、高師と内藤は接近戦を演じながら後続を引き離すと、中盤になって高師がリードして独走態勢となった。

高師は、Aクラス勢を次々に周回遅れとしながら快走。最終的には、2位の内藤以外をすべてラップして優勝した。内藤が総合2位、清水が総合3位でゴール。Aクラスのトップ争いは臺、水野、川上真花(#42)、川口一翔(#7)の4台による接戦が終盤まで続き、臺が最後まで先頭を守ってAクラス優勝。最終ラップに水野を抜いた川上がAクラス2位、わずか約0.5秒差で水野がAクラス3位、最後に集団から数秒遅れた川口がAクラス4位となった。