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'16全日本モトクロス選手権第6戦 東北大会 
    
                                                     ↑'16スケジュール



年間9戦で競われる全日本モトクロス選手権の今季第6戦東北大会は、岩手県の藤沢スポーツランドで開催された。山の斜面に生えた木々の間を縫うようにレイアウトされ、コースサイドには緑も豊富にあることから、このコースは見た目の美しさにも定評がある。以前はサンド質で知られたが、昨年に新たな土が搬入されて以降はとくに、走行が続くと路面の土が細かく砕けて堆積しやすい性質となっている。
土日とも降雨はなく、午前中を中心に雲は多めながら、ときには強烈な日差しがコースを照らす天候。それでも最高気温は25度にとどまり、観戦に適した陽気となった。なお今大会には、2日間で3,900名のファンが訪れ、豪快にコーナーを駆けるライダーたちを応援した。





両ヒートでホールショットを決めて
ヒート1で今季初優勝の新井宏彰

ヒート2では序盤からトップを走り
今季7勝目を挙げた成田亮



ヤマハファクトリーチームの平田優(#99)が、「本人の都合により」という発表を残して今大会を欠場。前戦の予選で膝をケガした、KTMを駆る星野優位(#166)も出場をキャンセルしたことなどから、出走は19台となった。さらに予選レースでは、スズキファクトリーチームから参戦する昨年度王者の小島庸平(#1)が、スタート直後に他車と接触転倒。この際に手をケガして、決勝のグリッドには並んだが、本来のパフォーマンスからはほど遠い走行を強いられることになった。


迎えた決勝ヒート1、スタート直後の1コーナーでマルチクラッシュが発生。ポイントリーダーとして今大会を迎えたホンダファクトリーチームの成田亮(#982)、前戦ヒート2で繰り上げによる全日本最高峰クラス初優勝を挙げたスズキを駆る深谷広一(#13)、肋骨を負傷しながらもスターティンググリッドに並んだKTMライダーの北居良樹(#100)ら、5台が転倒した。これにより、深谷は負傷してリタイア。成田はマシンの排気系が壊れて、その後に2度のピットインによる修復を強いられた。好スタートを決めたのは、カワサキファクトリーチームの新井宏彰(#331)。これにスズキファクトリーチームの熱田孝高(#2)、新井のチームメイトとなる田中教世(#8)、カワサキに乗る星野裕(#8)、スズキを駆る池谷優太(#14)、ホンダに乗る馬場大貴(#41)、これが今季の全日本初レースとなったヤマハライダーの安原志(#7)、カワサキのファクトリーマシンを駆る小方誠(#4)が続いた。

序盤、池谷は順位を下げて、トップを走る新井を、3秒ほどの間隔を開けて熱田と田中が接近戦を演じながら追う展開。さらに数秒離れて、星野と小方が4番手争いを繰り広げた。レースが中盤に入ると、田中は熱田から少し遅れ、星野と小方のバトルは距離が縮まった。そして8周目、小方が星野をパス。この間に安原が前方との距離を詰め、翌周からは小方と星野と安原の3台による4番手争いが繰り広げられた。レース後半、一時は6秒ほどまで引き離された熱田は、粘りの走りで再び新井との差を縮め、ラスト4周となった14周目には3秒ほどにまで近づいた。しかしここで、新井が再びスパートをかけてリードを拡大。そのまま最後まで逃げ切って、今季初優勝を挙げた。熱田が2位でフィニッシュ。好スタートを生かした田中が3位でゴールして、今季初表彰台登壇を果たした。4位争いは、後半に後続を少し引き離した小方に軍配。10周目に安原が先行して以降も、安原と星野は僅差のバトルを続けたが、安原が最後まで順位を守って5位、星野が6位となった。


決勝ヒート2は、再び新井のホールショットで幕を開けた。これに続いたのは田中、星野、小方のカワサキ勢。ヒート1は17位でなんとか完走を果たした成田は、5番手で1コーナーをクリアした。スタート直後の混戦の中、積極的に順位を上げていったのは成田。3台をパスして、新井に次ぐ2番手に浮上した。小方は転倒により大きく後退。3番手以下は田中、星野、ヤマハに乗る伊藤正憲(#12)、北居の順となり、熱田は10番手、安原は11番手と出遅れた。2周目、成田が新井を抜いてトップに浮上。伊藤は星野に迫り、その後方は少し間隔を開けて北居を先頭とする大集団となった。3周目、伊藤は少し遅れて、成田、新井、田中、星野がやや縦に長いトップグループを形成。混戦の6番手争いでは、熱田がその先頭に立った。すると熱田は翌周、伊藤との距離を詰めて背後に迫った。5周目以降、トップグループからは星野が徐々に遅れ、成田と新井と田中による争いとなった。

レースが中盤に入ると、トップグループから田中も少し遅れ、新井だけがトップの成田を僅差でマーク。4番手を走る星野には、熱田が迫っていった。新井は、1〜2秒ほどの差で成田を追い続けていたが、11周目の登り坂でミス。これにより、成田のリードは約6.5秒に拡大した。同じ周、熱田は星野の攻略に成功して4番手にポジションアップ。この段階で、3番手を走る田中までは約7秒の差となった。レース終盤、トップの成田はリードを得たことで少しペースを落としたが、新井との距離はほとんど変わらず。そのまま成田が逃げ切って、今季7勝目をマークした。新井が2位、中盤以降は単独走行となった田中が3位。熱田が4位、星野が5位、伊藤が6位でゴールした。


優勝と2位で総合成績トップに輝いた新井は、「このコースではこれまで、いい思い出がまったくなかったのですが、今回はヒート2で成田選手に敗れたとはいえ、初優勝を挙げることもできたのでよかったです」と笑顔を見せた。またヒート2で優勝した成田は、「ヒート1は、マシンを壊してチームに迷惑をかけてしまったので、新井選手が速いのはわかっていましたが、ヒート2はどうしても勝ちたいと思っていました」と、レースを振り返った。




3台による激しいバトルを制して
ヒート1で勝利を挙げた能塚智寛

抜群のスピードで後続を離して、
ヒート2で今季初優勝の渡辺祐介



決勝ヒート1のスタートで好スタートを切ったのは古賀太基(#122)。これに11ポイント差のランキング2番手で今大会を迎えた岡野聖(#31)が続いたが、その岡野は転倒でほぼ最後尾まで後退。1周目を古賀、ポイントリーダーの能塚智寛(#28)、予選をトップでクリアした渡辺祐介(#32)、横澤拓夢(#36)の順でクリアした。序盤、古賀と能塚と渡辺は、僅差のトップグループを形成。数秒遅れて、横澤が4番手をキープした。3周目から、古賀と能塚のトップ争いは激しさを増し、4周目には能塚がトップ。翌周には再び古賀が前にでたが、最終コーナーで能塚が強引に再逆転。6周目には、ビッグテーブルトップジャンプを低く跳んだ古賀が、再びトップの座を奪った。

渡辺は、2台の後方でこれを静観していたが、8周目には2台に近づいて、トップ争いは三つ巴の展開。9周目、接近戦の中で渡辺が能塚をパスした。同じ周、それまで5番手をキープしていた道脇右京(#39)が転倒リタイア。これにより、単独走行する横澤から遅れた5番手には竹中純矢(#29)が浮上し、これを森優介(#05)が猛追する展開となった。トップ争いは、なおも古賀と渡辺と能塚のオーダーで続き、13周目には渡辺が古賀をパス。すると翌周、これに能塚が続き、抜かれた古賀は一気にペースが落ちて遅れていった。2台に絞られた優勝争いは、ラスト3周となった15周目に能塚が先行。そのまま逃げ切って勝利を収めた。渡辺が2位、古賀が3位。4位には横澤、5位には終盤に森を振り切った竹中、6位には森が入賞した。


決勝ヒート2で、好スタートを決めたのは渡辺。これに岡野、古賀、佐藤亮(#59)、横澤、田中雅己(#113)、小川孝平(#912)、能塚が続いた。レース序盤、渡辺と岡野は接近戦を展開。古賀はややペースが上がらず、トップの2台から少しずつ遅れていった。古賀と数秒の間隔を開けた4番手争いは混戦で、この中でまず横澤が先頭に。続いて田中と能塚が佐藤をパスした。4周目あたりから、それまでテール・トゥ・ノーズに近かった渡辺と岡野に2秒ほどの差ができ、古賀はさらに遅れて岡野の7秒近く後方。4番手集団では、5周目に能塚が田中を抜くと、横澤に迫っていった。

レース中盤、ハイペースを守る渡辺に対して、岡野も粘りの走りで喰らいついていたが、レースが後半に入ると徐々にその差が拡大。渡辺が5秒以上のアドバンテージを奪った。古賀は完全に遅れ、背後には横澤を7周目にパスした能塚が接近。そしてレースが終盤に入る12周目、能塚が古賀を逆転した。トップを走る渡辺は、レース終盤になっても安定したペースで周回を重ね、そのままトップチェッカー。今季初優勝を挙げた。岡野は2位、能塚は3位で、表彰台に登壇。古賀が4位、横澤が5位、田中が6位に入賞した。


ヒート1で勝利した能塚は、「両ヒートで優勝して、気持ちよく夏休みを迎えたかったのですが、これでは課題を克服する過酷な夏になりそうです」と、ヒート2を落としたことで喜びも半減。一方、ヒート2で優勝した渡辺は、「ようやく優勝することができました。夏のインターバルでさらに速さを磨いて、シーズン終盤はもっと勝ちます」と宣言した。




格の違う圧倒的な速さで
両ヒートを制覇した大倉由揮

ヒート2ではスタートで出遅れたが
驚異の追い上げで勝利した大倉



決勝ヒート1で好スタートを切ったのは飯塚翼(#29)。しかしすぐに飯塚は順位を下げて、児玉伯斗(#74)がトップに立ち、これを下村里駆(#62)、松本直人(#5)、ポイントリーダーの大倉由揮(#1)、林憂人(#69)、大石一斗(#79)が追った。2周目、3台による2番手争いで松本と大倉が下村をパス。さらに3周目には、大倉が松本を抜いて2番手に浮上すると、トップを走る児玉に肉迫した。大倉から2〜3秒遅れて、松本と下村は激しい3番手争い。何度か順位を入れ替えながら、4周目には下村が先行した。同じ周、大倉は児玉を抜いてトップに浮上。翌周以降、徐々にリードを拡大していった。5周目の段階で、2番手となった児玉から3秒ほど遅れて下村が3番手、さらに3秒ほど離れて松本が4番手を走行。その後方は大きく間隔が開き、阿部公亮(#13)と大城魁之輔(#65)が5番手争いを演じた。

レース後半、3番手の下村は2番手の児玉に迫ったが、逆転のチャンスを得られず、この間に後方から松本が接近。これで2番手争いは3台となった。5番手争いでは、8周目に大城が逆転に成功。抜かれた阿部の後方には、大石に加えて高橋虎支郎(#58)や町田旺郷(#57)も続いた。レースが残り3周となった10周目、2番手争いの中で松本が一気に2台をパス。抜かれた児玉は再逆転を狙って松本の背後につけ、下村は2台から少し遅れた。そしてレースは、大倉がまったく危なげのない独走で優勝。松本が僅差で児玉を抑えきって2位、児玉が3位、下村が4位となった。5位には大城が入賞。6位争いは町田が制した。


決勝ヒート2は、スタート直後の1コーナーでマルチクラッシュが発生。大倉をはじめとする10台以上がこれに絡んだ。好スタートを切ったのは、ヒート1に続いて飯塚と児玉。オープニングラップで児玉がトップに立った。クラッシュで大きく出遅れた大倉は、驚異的な追い上げにより、何事もなかったかのように1周目を7番手でクリア。しかも、トップまでの差は約3秒だった。上位勢の順位が落ち着きだした2周目の段階で、トップは和泉夏輝(#3)が確保し、児玉が2番手、町田が3番手、大倉が4番手を走行。さらに飯塚、林、石浦優(#4)が続いた。3周目、大倉が町田と児玉を抜いて2番手にポジションアップ。トップの和泉に迫った。

そして4周目、大倉はトップに浮上。そのままハイペースをキープして、後続との差をどんどん拡大していった。2番手に後退した和泉には町田が迫り、少し間隔を開けて児玉が4番手。後方には、石浦が迫ってきた。レース中盤、町田が和泉を抜いて2番手に浮上。大倉と同じく、町田もリードを拡大していった。和泉の後方には、5周目に児玉を抜いた石浦が迫り、7周目に逆転。石浦も単独走行になっていった。そしてレースは11周でチェッカーとなり、大倉が両ヒートを制覇。町田が2位、石浦が3位となった。レース終盤、4番手争いは和泉、大倉、藤田勇(#7)、大石の4台に。この中で藤田が順位を上げて、4番手でチェッカーを受けたが、黄旗区間の徐行違反により順位がひとつ降格して、児玉が4位、藤田が5位、大石が6位となった。


両ヒートで優勝した大倉は、「ヒート2は、スタート直後のクラッシュに巻き込まれてしまいましたが、その後は落ち着いて走れました。走りはまだまだ納得できないので、次戦はさらによい走りを見せたいです」と、決意を新たにしていた。




好スタートをしっかり生かして
今季4勝目を得た中野洋子



ホールショットを決めたのは、今大会を最後にオートレースへ転向する高橋絵莉子(#25)。チームメイトの中野洋子(#3)と、前戦で肩を負傷した安原さや(#1)が続いた。するとすぐに中野が高橋を抜き、中野と高橋と安原が接戦で1周目をクリア。ここまで2連勝中の竹内優菜(#2)が、上位3台から5秒ほど遅れて続いた。2周目、トップの3台はやや間隔を広げ、竹内は安原との距離を縮小。3周目、トップの中野が一気に2秒以上もペースを上げ、約4秒のリードを奪った。一方、高橋と安原は接近戦を継続。その後方には竹内も迫ってきた。そして4周目、安原が高橋を抜いた。

レースが後半に入った5周目、安原に続いて竹内も高橋を攻略。抜かれた高橋はこの周からややペースが落ち、背後には菅原悠花(#8)が迫った。トップの中野が約6秒のアドバンテージを得てトップを守る一方で、2番手の安原には竹内が接近。6周目から、両者の接近戦がスタートした。7周目には再び少しペースを上げて、安原が順位キープを図ったが、最終ラップとなった8周目の左90度ターンで、竹内が安原のインを突いて2番手に浮上。レースは中野が独走して今季4勝目を挙げ、竹内が2位、安原が3位となった。6周目に順位を上げた菅原が4位。高橋が5位、出遅れと序盤のミスが響いた畑尾樹璃(#14)が6位となった。


「前回と前々回は、自分のミスもあって負けてしまいましたが、今回は堂々と走って優勝できました。チームメイトの高橋選手と、ふたりでホールショットを決められたこともうれしかったです」と、高橋も見守った表彰式で中野は笑顔を振りまいた。




スタート直後から完全に独走して
総合優勝を獲得した守大夢


5〜9歳のキッズライダーが参加したチャイルドクロスは、1周1分半ほどにショートカットしたコースを、5分+1周する方式で競われた。スタートは、他のクラスと同じくスターティングゲートを使う方式。決勝は、国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに9名、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスに2名がエントリーして、11名によるレースとなった。

ホールショットを奪ったのは、パワーに勝るBクラスの守大夢(#9)。これにAクラスの赤松樹愛(#28)、瀬尾柚姫(#70)、山崎琴乃(#20)が続いた。1周目を終え、守は早くも独走態勢。赤松は遅れ、その後方では瀬尾、笹谷野亜(#10)、山崎、西城悠聖(#1)が接近戦を演じた。2周目、守はさらにリードを拡大。総合2番手争いからは山崎が脱落して、笹谷と西城と瀬尾が僅差のバトルを続けた。レース後半、守は危なげなくトップの座を守って周回。3台による激しい争いは、最後まで続いた。迎えた最終ラップ、それまで4番手での走行が続いていた瀬尾が、一気に2台をパス。レースは5周でチェッカーとなり、守が総合優勝、瀬尾が総合2位でAクラス優勝、笹谷が総合3位でAクラス2位、西城が総合4位でAクラス3位となった。