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写真&レポート
 
辛い勝利だったが
黒山健一、三連勝である

小川友幸は2位
黒山とは1点差だった

接戦の中
野崎史高は3位表彰台

国際A級スーパークラス

2012全日本トライアル選手権シリーズ第3戦九州大会

2012年の全日本選手権第3戦の九州大会。今年は会場を佐賀県佐賀市大和町のフィールド佐賀大和に移して開催された。前回ここで全日本選手権が開催されたのは1993年のことだった。スーパークラスを設けての開催は、今回が初めてとなる。土曜日は快晴。日曜日は薄曇りだったが、少し暑いくらいのトライアル日和。福岡からも遠くないので、セクションには初めてトライアル見物をするお客さんなど、多くの人でにぎわった。観客数:1,700人。

黒山健一(ヤマハ)、小川友幸(ホンダ)、野崎史高(ヤマハ)、小川毅士(ベータ)のトップ争いは、今回も前回同様に熾烈だった。特に今回は、セクションの設定がやさしめで神経戦となったため、より接近戦となっている。

大きな失敗は禁物と、どのライダーも肝に銘じてトライを進める。それが走りに、少し硬い感じを与えてもいた。小川毅士は序盤、第6セクションまでに1点の減点を4回。第6セクションまでオールクリーンを続けた野崎や、第4で1点をついただけの黒山、小川友幸に対してやや出遅れた試合展開となったが、まだまだ試合はわからない。

黒山は、第4セクションでの1点のみで、1ラップを走りきってしまった。前回近畿大会の前に患った右手首の関節炎は劇的な回復ではなく、少しずつよくなっている程度というが、それでもトライの様子に不安はない。

第7セクションでは、小川友幸が1点、野崎がなんと5点をとってしまった。野崎はここまでクリーンを続けていながら、5点ひとつでトップから4位まで落ちてしまった。5点ひとつの重みが野崎を襲った。

小川友幸は、続く第8では3点、さらに第9でも1点と、1ラップ目終盤にまとめて失点して、1ラップ目の小計減点が6点。試合前の予想でも、ラップ後半のセクションは難易度が少し高いということだったから、小川のこの減点もいたしかたなしではあるが、一方小川毅士は第7セクション以降を全部クリーンした。

トップ黒山は1点、2位が小川毅士で4点、野崎5点、小川友幸6点と、2位以下は接戦だが、黒山がちょっと優位に立っている。

2ラップ目。黒山の走りっぷりを見れば、オールクリーンはけっして夢ではない。第4セクションでの1点は、登りたらずに落ちるリスクを考えて足を出したものだった。そして2ラップ目はこの4セクションもクリーン、順調にオールクリーンを続けるも、第6セクションで1点をついてしまった。オールクリーンとは、なかなかできるものではない。しかし黒山の悪夢はその後、第9セクションにあった。マシンを修正した際にカードに触れて5点。これで黒山は、ここまで築いていたリードを一気に失うことになった。

黒山に追いついたのは小川毅士だった。小川毅士は2ラップ目もまた、5点をひとつもとらず、3点も2点もなく、1点だけの減点でまとめていた。黒山が5点をとった第9セクションで1点減点を喫してしまったが、これが7個目の1点減点となり、5点ひとつと1点ふたつの黒山と、点数上は同点となった(厳密には、クリーン数の差で黒山が上位につける)。

小川友幸は、つるつるの岩盤の第2セクションと、野崎が1ラップ目に初めて5点を取った第7セクションで5点。2ラップ目に計6点をとっている。1ラップ目と合わせて12点は、トップ争いから5点差。今日の試合展開では小さい差ではないが、トップ二人がミスをする可能性はけっしてゼロではない。まだあきらめるのは早かった。

野崎は、2ラップ目に入ってすぐ、第2セクションで5点となった。これは大きな痛手となった。その後1ラップ目同様、第7でも5点。第6での1点を加えて、2ラップ目に11点をとって、2ラップを合わせて16点。3位の座を小川友幸に譲り渡してしまった。

4位以下はといえば、5位柴田暁(ホンダ)は2ラップ合計で30点、6位田中善弘(ベータ)は31点と、トップ4人の突出した技術の高さが伺える。

1時間弱のインターバルをおいて、午後1時から決勝が始まった。上位15名に入った国際B級、国際A級30名と、IASのライダーが決勝に臨む。セクションは、大会本部に近い2、5、7、8、9、10、11、12の8つが選ばれていた。

1ラップ目、2ラップ目を見る限り、セクションの難度的には大きな変化はおきそうになかった。トップ争いの4人がみなすべてのセクションをクリーンして、そのままの順位という結果も考えられた。しかしトップ争いは同点だから、ここではなにか変化が起きるかもしれない。

はたして、変化があったのは第8セクションだった。小川毅士が、セクション攻略に戸惑って足つきを繰り返した末に、なんとタイムオーバーで5点となってしまった。これで単独トップに立って楽になったはずの黒山が、次の第9セクションで痛恨の3点。ここは2ラップ目に黒山が5点となったセクションだから、慎重になってしまった結果の5点でもあった。そしてその9セクションで、小川毅士がなんと二つ目の5点。午前中の2ラップ、ひとつも5点がなかった小川毅士の乱調だった。さらに10セクション。黒山健一が見上げんばかりのヒルクライムで足をついた。地形的には、そのまま前進を止めて崖下まで落ちてもおかしくないところでの足つきだったが、黒山だからこそ、1点減点でくいとめたものといえそうだ。

一方、1ラップ目2ラップ目と、それぞれ不本意な失点があった小川友幸と野崎は、決勝ではリズムよくクリーンを積み上げていた。そしてついに、8セクションオールクリーンを達成してしまった。

結果は、黒山健一の勝利。トータル減点は11点だった。終わってみれば、2位には小川友幸が上がってきていて、その小川にたった1点差での勝利だった。辛勝だった。

小川友幸は、4位から2位へと、あきらめずにがんばって結果を出した。しかし終わってみて、あと1点で勝利だったという事実は、悔しさとなんて返ってきた。

野崎史高は、小さなミスから5点になった2ラップ目の第2セクション、2ラップ続けて5点になった第7セクションをきっちり克服して、8セクションをオールクリーン。野崎には、3位という結果は喜べるものではないが、このオールクリーンと表彰台獲得は、ひとつの成果といっていい。

勝利はけっして夢ではなかった。なのに最後の最後に、勝利も表彰台も逃してしまった小川毅士は、失意のどん底にいた。今年になって、トップ争いができるライダーとなり、いろいろな面で成長があった。それでも結果は4位と、以前と変わっていない。そこに足りないものはなんなのか、答えが出るのはいつになるだろうか。

今回、1ラップ目の第7セクションで宮崎航がクラッシュ、首を傷めてリタイヤとなった。一時は心配される状況だったが、決勝には痛々しくも元気な姿で会場に戻っていた。大事に至らず、本当によかった。

【黒山健一のコメント】

「久々に、最後まで優勝争いの緊張感が続く戦いとなりました。その緊張感から、決勝では不本意な減点をとってしまったのが、自分としてはおおいに心残りで、苦しい戦いでしたが、勝ててよかったです。」

【小川友幸のコメント】

「下見をして、これはセクションが簡単だから、5点を取ったら勝機はないなと思っていました。なのに5点を取ってしまい、決勝での逆転もむずかしいだろうと思いつつあきらめずにがんばりました。なので2位入賞はうれしいですが、黒山選手とも1点差なので、その結果を見るとやはり悔しいですね」

【野崎史高のコメント】

「2ラップ目の第2セクションは、ラインがほんの数センチずれて5点になりました。3位はたいへんくやしいですが、今日は予選で失敗が多かったです。でも予選で2ラップともに5点になった第7セクションもクリーンできましたし、決勝の8セクションをオールクリーンできたことで、まずはよしとしておきます」


国際A級は成田亮
11年ぶりの勝利だ

国際A級

予選の2ラップをトップで帰ってきたのは、加賀国光(ガスガス)だった。加賀と同点の12点で2位につけたのが、成田亮(ガスガス)。さらに永久保恭平(ベータ)が13点と、1点差で迫っていた。こちらも、なかなかの神経戦だった。

勝負は8セクションで行われる決勝に持ち越された。ここで成田が4点と好スコアをマークした。加賀も悪くはなかったが、加賀の決勝のスコアは5点。IASと同じく、こちらも1点差で勝利が決まった。

【成田亮のコメント】

「思い出してみると11年目の勝利になるのですが、優勝はやはりすごくうれしいです。予選で同点だったのですが、決勝の第8セクションで自分なりのクリーンラインを見つけて、そこで勝負かけました。そこを1点でいけたので、そこは満足しています」


圧勝した期待の若手
武井誠也

国際B級

前回、全日本選手権の伏兵にして近畿大会の本命の和田弘行に敗北した今年の若手ナンバーワン武井誠也(ホンダ)。ベテラン勢の活躍が目立つ今シーズンにあって、若手の大活躍は未来に向けての明るいニュースだ。

武井の1ラップ目は5点。2位の岩田悟(ホンダ)が17点だから、そのスコアは抜きんでている。しかし武井は2ラップ目の第4セクションでまさかの失敗をし、マシンを水没させてしまった。その動揺が、2ラップ目の4つの5点となって現れた。それでも終わってみれば、2位に14点差。圧勝だった。

【武井誠也のコメント】

「2ラップ目にバイクを転がして水没させてしまって、それが大失敗でした。なんとかオヤジが修復してくれて、走りきりました。よかったなと思えるのは、3ラップ目からですね。決勝は気持ちを整えてがんばりました。優勝できて、よかったです」

 



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