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         写真&レポート



'12全日本モトクロス選手権 最終戦MFJ-GPモトクロス大会 
         ↑'12スケジュール



全9戦が設定された今季の全日本モトクロス選手権も、いよいよフィナーレ。第50回MFJ-GPモトクロス大会が、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。世界選手権が開催されたこともあるこのSUGOインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの小高い丘にレイアウトされ、大坂と呼ばれる傾斜角が約30度で全長が約70mの上り急勾配をはじめ、アップダウンに富むレイアウトとなっている。路面は粘土質で、乾くとカチカチに固まりやすいが、今大会も事前や予選終了後に入念な掘り起こしと散水が行われ、ベストかつワダチができやすくて攻略しがいのあるコンディションが保たれた。

天候は、予選が行われた土曜日が晴れ。決勝が開催された日曜日は、午前を中心に曇りがちではあったが大きく崩れることはなく、日中の最高気温は24度まで上昇した。今季は、IA両クラスとIB両クラス、さらにレディースクラスのチャンピオン争いが、すべて最終戦までもつれる展開に。シリーズタイトルの行方をその目で見ようと、2日間で4620名の観客が来場した。






地元での今季最終戦で
ようやく勝利を手にした熱田孝高

ヒート2で今季14勝目を挙げ
タイトル獲得に華を添えた成田亮

IA-1は、シリーズランキングトップの成田亮(#1)が、2番手の新井宏彰(#331)を45ポイントリードし、決勝ヒート1で11位以内に入れば成田がディフェンディングチャンピオンとなる状態で、この最終戦を迎えた。その決勝ヒート1、成田は好スタートを決めると、オープニングラップでトップに浮上した。2周目、成田の後方に平田優(#6)、新井、小島庸平(#44)、熱田孝高(#2)と続くトップ集団が形成されると、4周目には小島と熱田が順位を入れ替え、5周目からは成田、平田、新井、熱田の4台が接近して走行。小島は、このトップグループからやや遅れていった。成田は、レース中盤になってもあまりペースが上がらず、しかしそれでも巧みにトップをキープして走行。2番手を走る平田は、何度か逆転を試みるも、パッシングには至らず、レースは終盤を迎えた。

すると14周目、トップ奪取のチャンスをうかがっていた平田を、12周目に新井を抜いて3番手にポジションアップしていた熱田が抜き、成田、熱田、平田、新井のオーダーに。迎えたラスト3周の16周目、ずっとトップを守ってきた成田がまさかの転倒により5番手へと後退。これにより熱田が先頭になった。この熱田を平田、新井、再び集団に追いついた小島がしっかりマークして、レースはラストラップへ。しかし最後まで順位は変わらず、熱田が今季初優勝となるトップチェッカー。約0.7秒差で平田が2位、さらに平田と約0.3秒差で新井が3位、新井と約0.4秒差で小島が4位となった。そして成田は5位でフィニッシュ。この結果、成田が2年連続チャンピオンとなった。

また、午後に行われた決勝ヒート2では、再び成田が好スタートを決め、1周目をトップでクリア。小島、熱田、深谷広一(#14)、星野裕(#123)、新井、島崎大祐(#52)がこれに続いた。3周目、成田が後続との差をやや広げ、星野は深谷を抜いて4番手に浮上。4周目には新井と島崎も深谷をパスして、成田、小島、熱田、星野、新井、島崎の順となった。

掘り起こされた後にで散水作業が繰り返され、午後になってもベストコンディションを保った粘土質の路面には、走行が続けられたことで随所に深いワダチやギャップが発生。そんな非常に難しいコンディションの中で成田は、2番手以下とのアドバンテージをしっかりキープして走行を続けていった。レース中盤の9周目、新井が星野を抜いて4番手に浮上。しかしこの段階で、上位3台との差は広がってしまっていた。結局、これ以降は上位陣に順位変動がないまま、18周のレースが終了。ヒート1とは打って変わっていつもどおりの強さを見せつけた成田が、今季14度目の優勝。2位に小島、3位に熱田、4位に新井、5位に星野、6位に島崎が入賞した。

ヒート1で優勝した熱田は、「地元大会となった最終戦でやっと、今季初となる1勝を挙げることができました。今季は、序盤はだいぶ苦戦しましたが、後半になって調子が上向きました。来シーズンは、最初からおもしろいレースをたくさんやって盛り上げていきたいと思います」とコメント。同じくこれが地元大会で、シリーズタイトル獲得を決めた成田は、「優勝してチャンピオン決定というのが理想だったので、ちょっと悔しいです。ヒート1でトップを走っているときに、このままゴールできたらカッコいいと思ったのですが、やっぱり走りがカタくなってしまい、結果的に転んでしまいました。でも、タイトルが獲得できたことは素直にうれしいです。そして、ヒート1のうっぷんはちゃんとヒート2で晴らして、優勝でシーズンを締めくくることができました。チームやスタッフが、本当に一生懸命やってくれたので、感謝しています。応援してくれたファンの皆さんにも、ありがとうと言いたいです」と、今季最終レースの表彰台で満面の笑みを見せた。





世界レベルの速さを見せつけ
両ヒートを制したフォード・デイル

IA3年目で初のタイトルを獲得した
スズキワークスライダーの山本鯨


IA-2は、前大会終了時点で、シリーズランキングトップの山本鯨(#55)を、5ポイント差で星野優位(#166)、21ポイント差で三原拓也(#1)が追撃する展開となった。またこのグランプリ大会には、MFJライセンス以外の国際ライセンスを所持するライダーも参加可能で、今季のIA-2クラスには、オーストラリア選手権MX2クラス王者のフォード・デイル(#41)が、全日本チームのN.R.T.からスポット参戦を果たした。そして決勝ヒート1。そのデイルはオープニングラップからトップに立つと、序盤から圧倒的な速さを披露して、後続を引き離していった。

タイトル争いを繰り広げる3選手のうち、山本は1周目に転倒して、ほぼ最後尾からのレースに。さらに、三原はコースアウトした際に防護用ネットに絡まり、1周以上も遅れてのレース復帰となった。一方で星野は、4番手でオープニングラップをクリアすると、2周目には2番手に浮上。その後は順位をキープした。レース後半、この星野に1周目22番手と大きく出遅れていた田中雅己(#113)が追いつき、13周目に逆転。さらに、竹中純矢(#57)も星野に迫り、最終ラップとなった18周目にこれをパス。デイル、田中、竹中、星野の順でチェッカーを受けた。しかし、竹中が星野をパッシングしたポイントが黄旗提示区間だったため、暫定表彰式終了後に1周減算のペナルティ。正式結果は、デイル、田中、星野の順となった。山本は、5位まで追い上げてフィニッシュ。これにより、山本と星野が1ポイント差で王座を争う白熱の状況で、今季最終レースを迎えることになった。

その決勝ヒート2では、再びデイルがオープニングラップからトップに立つ展開に。山本が2番手、三原が3番手、田中が4番手で2周目に突入した。星野は、1周目を9番手でクリア。しかし、緊張からかペースが上がらず、2周目に8番手へと浮上してからは、順位をキープすることになった。また山本もラップタイムが悪く、3周目には三原がこれを抜いて2番手にポジションアップ。レースが中盤に入るころからは、山本、田中、竹中が僅差の3番手争いを展開した。7周目、この集団のトップに立った田中が、直後に転倒して7番手に後退。これで山本は3番手の座を守ったが、竹中に抜かれて翌周に4番手へと下がった。

レース後半、トップのデイル、2番手の三原、3番手の竹中がそれぞれ単独走行となった一方で、山本は岡野聖(#61)を従えての4番手。しかし、13周目に岡野の先行を許した。さらに、レースが大詰めとなった15周目以降、星野の低迷を確認した山本は、ペースを大幅に落として走行。これを田中らが抜いた。そして、17周終了時点でレースが終了。デイルが再び勝利を挙げ、三原が2位、竹中が3位で表彰台に登壇して、4位に岡野、5位に田中、6位に富田俊樹(#50)が入賞した。山本は8位でゴール。星野が10位に終わったため、山本のシリーズタイトル獲得が決まった。

「正直なところ、今日は精いっぱい走ってこの結果なので、チャンピオンになったからといって浮かれている場合ではないと思いますが、でも素直にうれしいです。支えてくれたみんなの力を、シリーズタイトル獲得というカタチで証明できたと思います」と、IA昇格3年目で初のチャンピオンに輝いた山本。また初めて日本のレースを走ったデイルは、「SUGOは非常に素晴らしいコースで、楽しく走ることができました。両ヒートとも優勝できて、自分にとってハッピーな週末となりました」と、満足した様子だった。





序盤に3勝を挙げた能塚智寛が
最終戦で年間タイトルを獲得



IB各クラスには、全9大会のうち成績が良かった6戦分の獲得ポイントでランキングを決める、有効ポイント制が導入されている。そしてこの最終戦を、ランキングトップの能塚智寛(#70)を2番手の渡辺祐介(#5)が10ポイント差で追う状況で迎えた。その決勝レース、渡辺がトップ、能塚が2番手と、1周目からタイトルを争うふたりの主役が、上位を占める展開となった。渡辺が優勝した場合でも、能塚が4位以内に入賞すれば、能塚のタイトル獲得が決定する状況ながら、とにかく渡辺は優勝に向けて激走。スタート直後こそ能塚や北原岳哲(#72)の追撃を許したが、2周目にファステストラップタイムを叩き出して後続との差を拡大しはじめると、その後はどんどんリードしていった。

一方の能塚は、序盤に北原と2番手争いを展開したが、4周目以降は北原の先行を許し、単独の3番手を走行。この順位のままでもチャンピオンになれる能塚は、手堅く周回数を消化していった。そしてレースは12周で終了。渡辺が、午前中に行なわれたIB-2に続く優勝を挙げ、北原が2位、能塚が3位でゴールした。また、単独走行を続けた渡辺涼太(#2)の後方では、レース後半から終盤にかけて激しい5番手争いが繰り広げられ、これを制した神島央佐(#8)が5位、島崎優(#9)が6位に入賞した。

「450のパワーに助けられてスタートからうまく前に出て、地元とあってたくさんの応援をもらって優勝できました」と、多くのライダーがオープンでも250マシンを使う中で450を駆り優勝した渡辺。一方、今大会では3位ながらシリーズチャンピオンに輝いた能塚は、「できれば勝って決めたかったのですが、カタい走りになってしまいました。来年はIAに昇格できますが、開幕戦から表彰台に上がれるよう、オフシーズンに努力します」と、早くも来年に向けての抱負を語っていた。





7位で確実に最終戦を走り切り
年間タイトルを手にした佐々木雅哉



6戦有効ポイント計算でランキングトップに立って、この最終戦を迎えた佐々木雅哉(#1)。2番手につける能塚智寛(#70)との差は13ポイントと、かなり有利な立場で決勝に臨んだ。そのオープニングラップ、好ダッシュを決めた佐々木は、1コーナーを3番手でクリア。しかし、その後に順位を落とし、7番手で2周目へと入った。一方の能塚は、スタート直後から積極的な追い上げをみせ、4番手まで浮上。佐々木が7番手をキープするのに対して、4周目には2番手へとポジションを上げた。

レースは、3周目にトップ浮上を果たした地元ライダーの渡辺祐介(#5)がリード。中盤には、2番手を走る能塚との差を1周につき2秒前後も広げていった。そしてレースは、12周でチェッカー。渡辺がトップ、能塚が2番手でゴールした。その後方では、レース後半の7周目に3番手集団の先頭に立った神島央佐(#8)が入り、表彰台に登壇。小林邦義(#16)、北原岳哲(#72)、島崎優(#9)が続いてゴールした。そして佐々木は、着実な走りで7位フィニッシュ。この結果、佐々木がチャンピオンに輝いた。

「途中で能塚君に抜かれたのですが、すぐに抜き返せました。ようやく地元のレースで勝ててうれしいです」と渡辺。また、今大会は7位ながらシリーズタイトル獲得を決めた佐々木は、「チャンピオンを意識してちょっとカタくなってしまいました」と、タイトル獲得にホッとした表情をみせた。





逆転で今季5勝目をゲットして
初の女王に輝いた邵洋子



IBクラス同様に6戦の有効ポイント制が導入されているレディースクラスは、前大会で勝利した邵洋子(#2)が、安原さや(#20)をわずか1ポイントリードして最終戦に。2組に分かれて行われた予選では、両選手が揃ってトップ通過を果たし、決勝へと臨んだ。そのスタートで、邵と安原はともに出遅れ、コーナーをふたつクリアした後の大坂を、10番手以下で上っていった。しかし、両者は順調に順位を回復して、1周目を安原が6番手、邵が9番手でクリア。その後の2周でも追い上げを続け、3周目エンドの段階で上位は畑尾樹璃(#7)、安原、伊集院忍(#13)、邵の順となった。

そして4周目、安原が畑尾を抜いてトップに浮上。邵もこれに続き、このレースで勝利したほうが年間タイトルを獲得するという直接バトルが開始された。すると、レースが後半に入った5周目に、邵が安原をパスして首位浮上。翌周にペースアップしてファステストラップタイムを刻み、安原との差を拡大した。そしてレースは、8周でチェッカー。邵が今季5勝目を挙げ、同時にシリーズタイトル獲得を決定。安原は悔しい2位となった。なおその後方では、序盤に一時は6番手に落ちた後で追い上げた竹内優菜(#4)が入賞し、畑尾は4位となった。

表彰台に登壇した邵は、「子供の頃からの夢だった全日本チャンピオンに、ようやくなることができました。サポートしてくれたみんなのおかげだと思っています。でも、まだまだ自分の走りに満足はしていません。初心を忘れず、これからも速さを求めていきたいです」と、喜びをかみしめながらも、次のステップに向け早くも気持ちを新たにしていた。また、わずかに及ばず2位となった安原は、「昨年はケガで一年を棒に振り、復帰の年にたくさんいいバトルができて、レースの楽しさを再認識できました」と笑顔をみせるも、応援してくれた人たちや両親に感謝を述べたシーンでは涙もみせた。





総合の3番手争いを制して
Aクラスで優勝した佐々木麗希君


春に同じコースで行われた第4戦では、出走台数が8名と寂しかったチャイルドクロス。しかしこの最終戦には、国内メーカー製のバイクが出場できるAクラスに14名、海外ブランドのバイクで参加できるBクラスに3名と、東北地方と関東地方に住むキッズライダーを中心に、17名のエントリーを集めた。レースは、難所の一部をキャンセルした、1周2分前後で走るコースを、5分+2周する方式で競われた。

スタート直後、トップに立ったのはBクラスの高師永潤君(#34)。これを、同じくBクラスの佐竹涼冴君(#3)が追った。この2名と大きく間隔を開け、Aクラスの佐々木麗希君(#1)と保坂明日那さん(#18)、Bクラスの井上永斗君(#9)が、総合3番手争いを展開。ここから佐々木君と井上君が抜け出した。トップ争いは終盤まで接近戦のまま続くも、最後まで順位は変わらず。高師君が勝利し、佐竹君が2位に入賞した。また、佐々木君がAクラストップとなる総合3位でチェッカー。Bクラス3位で総合4位となった井上君の後方で、レース後半に追い上げた万木大夢君(#16)がAクラス2位となる総合5位でフィニッシュ。保坂さんがAクラス3位で総合6位に入った。