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 '12全日本モトクロス選手権 第6戦東北大会 
                     ↑'12スケジュール



全日本モトクロス選手権の第6戦は、岩手県南部の藤沢スポーツランドで行われた。全9戦が設定されている選手権は、今大会後に約2ヵ月間の夏休みに入る。そのためこの第6戦は、今季中盤戦最後の戦いという位置づけとなる。昨年9月に岩手県の一関市と合併された藤沢町にあり、一関市内中心部からも宮城県側の気仙沼市からもクルマで50分ほどの場所にあるこの藤沢スポーツランドは、低い山の斜面にレイアウトされた、アップダウンの多いハイスピードコースだ。

路面は基本的にサンド質。今大会では、やや硬く締まったフラットな状態でスタートしたが、各クラスの走行によりサンドらしいギャップが徐々に増え、ライダーの技術差が出やすいコースへと変化していった。天候は、予選が行われた土曜日は晴れで、汗が出るほどまで気温が上昇。日曜日は朝から小雨が降り出し、その後も時々小雨が舞う曇天となった。悪天候ということもあり、2日間で2600名と観客数は少なめとなってしまったが、各クラスで白熱したバトルが展開され、会場は大いに盛り上がった。






第4戦ヒート2では2位となったが、
前戦から再び連勝を続ける成田亮

青森出身で現在は仙台が活動拠点。
成田が地元東北の大会を制覇した

決勝ヒート1。シリーズランキングトップを快走する成田亮(#1)が、ホールショットを決めるとそのままトップで1周目をクリア。2番手には新井宏彰(#331)、3番手には混戦のオープニングラップで順位を上げた増田一将(#7)、以下は小方誠(#40)、熱田孝高(#2)、平田優(#9)、小島庸平(#44)と続いた。2周目、成田は早くも2番手以下を引き離しにかかり、増田は6番手に順位を落とし、熱田は小方をパスして3番手に浮上した。3周目、増田が転倒によりリタイア。成田は新井との差を約3秒に拡大して、その後方では熱田、小方、平田、小島、北居良樹(#9)が接戦を演じた。4周目には、さらに島崎大祐(#52)がこの大集団の3番手争いに加わり、小方を抜いた平田は熱田にアタック。この集団のバトルは、レース中盤になっても続いた。

成田は、新井との差を最大で6秒ほどに拡大。逆に新井が成田との差を詰めるシーンもあったが、その新井はレースが後半に入った9周目に転倒して8番手まで後退。これにより成田は、単独走行のトップとなった。この段階で2番手争いは、熱田、平田、小島の3台による接戦。その約3秒後方では、小方、北居、島崎が5番手争いを繰り広げたが、北居はレース時間が残り約10分となったころ、マシントラブルによりリタイア。レース終盤には、平田が熱田に迫り順位を入れ替えたが、すぐに熱田が抜き返した。そしてレースは17周で終了。成田が独走で優勝、2位に熱田、3位に平田が入り表彰台に登壇。小島は4位、小方は5位、島崎は6位に入賞した。

また決勝ヒート2も、再び成田がホールショットを奪う展開でスタート。熱田がこれを追ったがミスによりやや後退し、2番手以下は小島、熱田、深谷広一(#14)、北居、星野裕(#123)、新井、小方、平田、島崎の順でオープニングラップをクリアした。3周目、北居がヒート1に続きマシントラブルによりピットイン。成田は序盤からリードを拡大して、スタートで完全に出遅れた平田は積極的な走りで順位をアップ。6周目の段階では、成田が早くも約8秒のアドバンテージを築き、2番手に熱田、3番手に小島、4番手以下は大混戦で深谷、平田、新井、星野、小島、島崎の順となった。すると7周目から、この集団の中で深谷が後退。これで4番手に浮上した平田は、翌周には小島に追いついてこれをパス。さらに、前を走る熱田に接近していった。

そして、レース時間が残り約10分となったころ、熱田を抜いて平田が2番手に浮上した。しかし熱田も粘りをみせ、大きく引き離されることなく平田をマーク。その後方では、小島、新井、小方が僅差の4番手争いを繰り広げた。成田は、この段階でも約8秒のリードを保つ独走状態。レース時間が残り5分となった段階で、4番手争いでは新井が前に出て、成田、平田、熱田、新井、小島、小方の順で最終ラップを迎えた。するとこの1周で、周回遅れを抜く際にやや失速した平田を、猛チャージを続けていた熱田がパス。小方は小島のパッシングを試みたが、こちらは小島が激しくブロックした。そしてレースは、再び成田が勝利し、2位に熱田、3位に平田と、表彰台の顔ぶれがヒート1とまったく同じとなる結果に。4位以下は新井、小島、小方、島崎、星野、深谷の順となった。

「小学生のころからずっと走っているコースで、両ヒートとも1周目からトップを守って勝つことができました。今回は、昨年の地震で被災した地域でのレース。僕らの走りが、地元の皆さんに少しでも勇気や希望を与える結果になってくれたらうれしいです」と成田。一方、両ヒート2位の熱田は、「勝てず悔しいですが、次戦まで約2ヵ月のインターバルを使って修正します」とコメント。両ヒート3位の平田は、「走りは悪くなかったと思いますが、勝負という点でツメが甘かったと思います」と、今後の課題を口にした。シリーズランキングでは、成田が新井を58ポイントリードしてトップ。平田は新井と12ポイント差の3位となっている。





混戦を冷静に走り切った田中雅己が
全日本IAクラスで自身初の優勝

ヒート2では山本鯨との勝負を制し
両ヒート制覇を達成した田中


決勝ヒート1。山本鯨(#55)を岡野聖(#61)、富田俊樹(#50)、田中雅己(#113)、星野優位(#166)が追う展開でレースがスタート。序盤、田中はペースが上がらず、上位3台が一時は4秒ほど田中以下を引き離してトップ争いを展開。3周目には、星野が田中をパスして4番手に浮上した。しかし田中も、星野に引っ張られるようにペースを上げ、2台で接戦を続けたまま追い上げを開始。上位3台の中では5周目に富田が2番手に浮上し、3番手となった岡野のすぐ後方に星野と田中が迫った。そして7周目、星野が岡野をパス。さらに翌周には田中も岡野を攻略すると、レースが後半に入った10周目には、山本、富田、星野、田中が僅差のトップ集団を形成した。

そして11周目、星野が一気にトップへ浮上し、以下は山本、田中、富田のオーダーに。ところが13周目、星野と山本がバトルの最中に接触して転倒。これにより田中、富田、山本、星野の順となった。レース終盤、田中は富田との差を拡大してトップをキープ。ラスト2周で、星野と山本が再び激しく接触して山本が転倒。星野は富田を抜いて2番手に浮上した。そして30分+1周のレースは17周でチェッカー。田中がIA昇格後自身初の全日本優勝を決め、2位に星野、3位に富田が入って表彰台に登壇した。山本は4位でフィニッシュ。5位には1周目12番手から着実に追い上げた小川孝平(#58)、6位には岡野が入賞した。

また決勝ヒート2でも、再び山本が好スタート。田中が2番手、富田は4番手、ケガの影響もあってヒート1は8位に終わった昨年度王者の三原拓也(#1)は6番手で、1周目をクリアした。しかし星野は、コーナーでマシンが大きく振られたところに後ろから他車に追突されて転倒し、ほぼ最後尾からの追い上げを強いられた。2周目以降、山本と田中は僅差のトップ争いを展開。ここからやや遅れた第2集団では、3周目に富田が3番手、4周目には三原が4番手にポジションを上げた。5周目に入ると、富田以下は9番手に浮上した竹中純矢(#57)までが接戦を演じる混戦状態となった。

一方のトップ争いでは、6周目に田中が山本の攻略に成功。しかし山本は、大きく引き離されることなく田中のマークを続けた。7周目、3番手集団では三原が富田をパス。レースが後半に入ると、田中が山本との差を少しだけ広げた。レース終盤、順位を守った田中、山本、三原の後方では、小川、斉藤嵩(#911)、富田、竹中の4台が激しい4番手争いを展開。最後まで目が離せない展開となった。そしてレースは17周で終了。田中がヒート1に続いて優勝し、2位に山本、3位に三原が入賞。4位以下は、竹中、斉藤、富田、小川の順となった。

「2戦連続で2位に入賞していたので、優勝のチャンスもあると思っていましたが、まさか両ヒートとも勝てるとは思っていなかったので、ちょっと驚いています。今後も、支えてくれている皆さんに、良いレース結果を残すことで恩返ししたいです」と田中。ヒート2で2位に入った山本は、「悔しいですが、今日は田中選手がとにかく速くて、どうにもならなかったです」と田中を祝福した。なお、ヒート2で星野が11位に終わったため、年間ランキングの獲得ポイント数では、星野と山本が最多の254ポイントで並び、三原がこの2名と23ポイント差の3番手で、シーズン終盤を迎えることになった。





表彰台の常連となりつつある
まだ15歳の能塚智寛



サイティングラップで、予選をトップで通過して優勝候補の筆頭に挙げられていた大久保滉太(#4)が転倒。負傷した大久保は、スターティンググリッドに並ぶことができなかった。レースは、山崎郁弥(#11)のホールショットでスタート。これを1周目に植田翔太(#64)がパスし、植田、山崎、能塚智寛(#70)、佐々木雅哉(#1)、佐藤稔之(#83)の順で1周目をクリアした。2周目、能塚がトップに浮上。山崎、佐藤、佐々木が続いたが、植田はこの周以降に後退していった。

3周目、能塚は後続との差を約5秒に拡大。山崎は佐藤を抜いたが、翌周にはまた佐藤が逆転し、レース中盤には能塚、佐藤、山崎のトップ3が一度は固定された。しかしここに、スタートで大きく出遅れていた渡辺祐介(#5)と神島央佐(#8)がハイペースで追いつき、8周目には山崎が5番手へと後退。9周目には、佐藤も渡辺に抜かれ、さらに神島の追撃も受けた。能塚、渡辺、佐藤、神島、山崎、佐々木のオーダーで迎えた、ラスト2周となった10周目に、山崎が転倒により7番手に後退。そしてラストラップ、神島は佐藤の攻略を試みるもリタイア。これにより、能塚が優勝、2位に渡辺、3位に佐藤の順となった。4位には佐々木、5位には1周目13番手から追い上げた北原岳哲(#72)、6位には山崎が入賞した。

「今年もっともキツいレースでしたが、皆さんの応援で勝てました。夏休みに練習します」と能塚。渡辺は、「今日もスタートで遅れてしまいました。次こそ勝ちたい」と、それぞれ2ヵ月後のレースに早くも目を向けていた。





ケガを感じさせない走りで
今季3勝目を挙げた佐々木雅哉



レースは、細かい雨が比較的多く降る中、日曜日最初の決勝としてスタート。ホールショットを奪ったのは、開幕2連勝を達成して以降は苦戦が続いていた佐々木雅哉(#1)。これを、植田翔太(#64)、吉田優弥(#99)、垣内伊吹(#15)、さらに大久保滉太(#4)が追った。2周目、佐々木は早くも後続との差を5秒近くにまで拡大。4周目には、植田や吉田とのバトルに競り勝った大久保が2番手に浮上し、その後方では4台による激しい接近戦が展開された。

この4番手争いでまず主導権を握ったのは能塚智寛(#70)。しかし6周目には、この能塚を島崎優(#9)が抜いた。レース後半の8周目、島崎と能塚が、3番手を走行していた植田を抜いてポジションアップ。植田はその翌周、ミスにより後退した。レース終盤、トップの佐々木と2番手の大久保は、それぞれ後続と10秒ほどの差がある単独走行。そして20分+1周のレースは11周でチェッカーとなり、佐々木が優勝、大久保が2位となった。島崎と能塚は接近戦を続けたが、最後まで順位は変わらず。島崎が3位、能塚が4位に入賞した。

「ケガの影響で、ここ数戦は良い成績が残せませんでした。この大会の1週間前にもヒザを脱臼して、出場するかどうか迷いましたが、勝てたので出てよかった」と佐々木。一方の大久保は、「自分に負けてしまいました。応援してくれている皆さんに申し訳ない」と、反省しきりだった。





邵洋子(#2)の追撃を振り切り
安原さや(#20)が今季2勝目を挙げた



佐々木奈津美(#16)のホールショットでレースがスタート。名井由香里(#11)、高橋絵莉子(#12)、安原さや(#20)、畑尾樹璃(#7)、竹内優菜(#4)、ここまで3連勝中で今大会に臨んだ邵洋子(#2)が続いた。2周目、トップグループは大きく順位を入れ替え、安原、邵、名井、竹内、畑尾、高橋、佐々木の順に。翌周からは、安原と邵がやや後続を引き離す展開となり、3番手以下は竹内、畑尾、名井の順で続いた。しかし名井は、ここから徐々に遅れていった。

レースが終盤を迎えた6周目以降、なおもトップ争いを続けていた安原と邵に、同じく接近戦を展開していた竹内と畑尾が近づき、トップグループは4台に。ラスト2周となった7周目には、畑尾がここからやや遅れたが、ラストラップには再び接近。安原は邵との間隔を少し広げ、邵を竹内と畑尾が追走する展開となった。しかし、この2番手争いに最後まで順位変動は起こらず。安原が今季2勝目を挙げ、邵が2位、竹内が3位、畑尾が4位となった。名井は今季ベストリザルトとなる5位入賞。高橋が6位に入った。

「前戦は肩をケガしてリタイアに終わってしまったので、今回は自分らしく楽しく走ろうと思って臨んだら勝てました。完全プライベーターのパパママワークスでもチャンピオンになれるということを証明したいです」と安原。一方、年間タイトル争いで安原を一歩リードしている邵は、「2位はやっぱり悔しい。2ヵ月間のインターバルでしっかり練習して、次は勝ちます」と宣言した。





最終ラップまで優勝争いを続けた
高師永潤君(#11)と佐竹涼冴君(#3)


東北地方に住むキッズライダーを中心に、6歳から9歳までの11名がエントリーして行われたチャイルドクロス。レースは、アップダウンが急なセクションなどをショートカットした1周1分半ほどのコースを、5分+2周する方式で行われた。

ホールショットを奪ったのは、海外メーカー製バイクが出場できるBクラスにエントリーした高師永潤君(#11)。これに、同じくBクラスの佐竹涼冴君(#3)が続き、オープニングラップから後続を引き離していった。その後方では、Aクラス勢の塩塚大夢人君(#8)、門岡一沙君(#4)、佐々木麗希君(#1)らが接戦を展開。3周目に、塩塚君が転倒により後退して、佐々木君がAクラストップ、門岡君が同2番手となると、佐々木君は門岡君を引き離していった。一方のBクラスおよび総合の優勝をかけたドッグファイトは、6周目の最終ラップになっても継続。しかし結局、最後まで高師君が佐竹君を抑え、0.6秒差で総合優勝を飾った。Aクラス優勝は佐々木君、同2位は門岡君が手にしている。