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 '12全日本モトクロス選手権 第5戦北海道大会 
                     ↑'12スケジュール



全日本モトクロス選手権は、今季後半戦に突入。第5戦北海道大会が開催された。会場は、これまで20年に渡り全日本を行ってきた旭川近くのわっさむサーキットから、全日本初開催となる北海道オフロードパーク(HOP)へとスイッチ。新千歳空港から非常に近く、大都市の札幌からも車で1時間圏内のコースだ。残念ながら今大会は土日とも天候が優れず、とくに決勝日はかなり本格的な降雨となってしまったが、それでも、3200名のモトクロスファンが、HOPの全日本デビューに立ち会った。

このHOPは、高低差が少なく北海道らしい広大な土地に、広いコース幅でレイアウトされている。土質は、粒子が細かい黒土と砂がミックスされた、火山灰質のサンド。乾いた状態であれば、走行によりサンド特有の深いギャップが発生する難しい路面だが、今大会では雨が降ったことにより、マディとしての難しさが勝るコンディションとなった。






両ヒートでチームメイトに競り勝って
再び連勝モードに入った成田亮

自身初優勝の目前に迫りながら
最強のチームメイトに敗れた平田優

決勝ヒート1。スタート直後に成田亮(#1)がトップに立ち、増田一将(#7)、新井宏彰(#331)、平田優(#6)、田中教世(#5)、稲垣佳樹(#43)、小島庸平(#44)、熱田孝高(#2)と続いてオープニングラップをクリア。2周目、平田が新井を抜いて3番手に浮上。勢いに乗った平田は、翌周に増田と成田を抜いて一気にトップへと浮上した。増田は4番手に後退し、平田、成田、新井の3台が後続との差を拡大すると、レース中盤にかけて平田がハイペースで逃げ切りを図った。そして7周目の段階では、成田との差を10秒以上にまで拡大。一方で、シーズンここまで1敗しかしていない王者の成田は、今ひとつペースが上がらず、新井の猛追を許していた。

ところが8周目になって、リズムを取り戻した成田が一気にペースを上げ、新井を振り切ると同時に平田との差を縮小。ここから5周で平田に与えていたリードを回収すると、レース終盤の12周目に平田をパスして、トップへと浮上した。そして最後は、貫禄を見せつけるかのようにペースを落としながらのトップチェッカー。これにより成田は、今季8度目の勝利を手にした。2位には、IA-1での初優勝が幻と消えた平田、3位には新井が入賞した。その後方では、レース中盤に大混戦の中でポジションを上げた熱田が4位でゴール。5位には増田、小島が13周目に転倒して11位に終わったため、6位には稲垣が入賞した。

また、それまで時に激しく降っていた雨が止んだ状態でスタートした決勝ヒート2では、新井、成田、熱田、増田、平田、小島、田中、ヒート1ではスタート直後に激しく転倒して10位に終わった島崎大祐(#52)の順で1周目をクリア。ヒート1とは逆に成田は序盤からペースが良く、2周目には新井を抜いてトップに立った。またチームメートの平田も、この周にファステストラップタイムを刻んで増田をパス。3周目、熱田がミスにより7番手まで後退。さらに翌周には増田が転倒して大きく順位を下げ、平田は新井を抜き、上位勢は成田、平田、新井、田中、熱田、小島の順となった。

レース中盤、ヒート1に続き成田、平田、新井の3名がトップグループを形成。中でも平田は、成田をしっかりとマークすると、約1秒差にまで迫って逆転のチャンスをうかがった。しかしパッシングには至らず、そのままの順位で周回を続けると、一時はこの2台から遅れだした新井が再び接近。さらにその背後には、転倒後に追い上げてきた熱田が迫り、レース時間が残り6分となった段階では、4台のトップグループとなった。しかし、上位3台に順位変動がないまま、30分+1周のレースは16周で終了。ヒート1に続き、成田、平田、新井の表彰台メンバーとなった。熱田は、フィニッシュ直前に転倒して6位。これにより4位に小島、5位に島崎が入賞した。

「ヒート1はレース序盤の平田選手が速く、一時は負けを覚悟しましたが、最後は意地をみせて勝つことができました。ヒート2も平田選手のプレッシャーが激しかったのですが、これに負けることなく最後まで冷静に走れました」と成田。初優勝を逃した平田は「とくにヒート1は勝てると思いましたが、これが今の実力ということ。ホンダでワン・ツー・フィニッシュができたのはうれしいですが、でもそろそろ勝ちたいです」と、喜びと悔しさを口にした。





激しく転倒した直後のレースで
意地の勝利を収めた三原拓也

ヒート1の悔しさを晴らすかのように
ヒート2で独走優勝を決めた山本鯨


決勝ヒート1。ホールショットを奪った三原拓也(#1)が、1コーナーで転倒。これに後続が巻き込まれ、三原と上田康平(#60)がコース上から動けなくなったため、レースは赤旗再スタートとなった。そして上田はリタイアとなったが、三原はケガを隠してグリッドに並ぶと、2度目のスタートでもホールショットを奪ってみせた。しかしすぐに山本鯨(#55)が三原を抜き、山本、三原、岡野聖(#61)、ランキングトップの星野優位(#166)、竹中純矢(#57)の順でオープニングラップをクリア。2周目、星野の転倒などにより上位陣に大きな順位変動があり、岡野、三原、山本、竹中、田中雅己(#113)のオーダーに。星野は8番手まで後退して、追い上げを強いられた。

5周目、三原が岡野を抜いて再びトップに浮上すると、その後は後続との差を10秒以上に拡大。岡野は単独2番手となり、その後方では一度は転倒により5番手に順位を落とした田中が、7周目に3番手まで浮上してきた。そしてレース後半、田中は岡野へと接近し、その後方では追い上げてきた星野が山本をパス。レースが残り5分を切ったところで、田中は岡野の攻略に成功し、このバトルで転倒した岡野は後退し、星野が3番手となった。そしてレースは16周で終了。完走できるかすら怪しまれた三原が今季4勝目を挙げ、田中が2位、星野が3位で表彰台登壇。4位に山本、5位に竹中、6位には1周目14番手から追い上げた馬場大貴(#68)が入賞した。

「自分のミスで赤旗再スタートにしてしまい、申し訳なく思っています。後半はカラダがすごく痛かったけど、再スタートに向けてチームや仲間や先輩がみんなで力を貸してくれていたので、どうしても勝ちたかった」と、三原はレース後に涙を流した。

またヒート2でも、再び三原がホールショットを決め、これを抜いた山本を三原が追う展開。3番手以下には、富田俊樹(#50)、星野、江原大地(#09)、竹中、田中が続いた。2周目、トップ2台は変わらず、3番手以下は星野、富田、竹中、田中の順に。3周目、ヒート1での負傷が影響した三原が転倒してリタイアとなった。これにより山本は、早くも5秒ほどのアドバンテージを得ると、その後も星野との差を拡大。星野と3番手富田の差も拡大していった。またその後方では、4周目に田中が転倒して16番手までポジションダウン。これにより竹中が、4番手まで浮上した。

しかしレース終盤、転倒後に猛烈な追い上げを披露した田中が、4番手をキープしていた竹中をパス。レースは16周でチェッカーとなり、序盤から独走を続けた山本がそのまま優勝。2位に星野、3位には第2戦ヒート2以来となる表彰台登壇の富田、4位に田中、5位に竹中、6位に2周目15番手から追い上げた黒澤良太(#151)が入賞した。「コースは変わりましたが、北海道大会は僕がIA初優勝をした縁起の良い大会。今回はヒート1が攻めきれませんでしたが、ヒート2ではうまく修正できたと思います」と、優勝した山本はコメントした。今大会の結果、シリーズランキングでは星野が山本を8ポイントリードしてトップをキープ。「ヒート1のほうが走りが良く、ヒート2は2位とはいえ不本意なレースでしたが、今回も表彰台圏内ではゴールできているので、このまま安定した成績を残しながら、勝てるときに勝ちたい」と、星野は心境を語った。





スタート・トゥ・フィニッシュで、
前大会に続き勝利した大久保滉太



大久保滉太(#4)がホールショット。これに、神島央佐(#8)、能塚智寛(#70)、池本凄汰(#6)、佐々木孝多(#3)、北原岳哲(#72)が続いた。2周目、佐々木が転倒により12番手まで後退。大久保と神島が接戦のトップ争いを展開し、能塚は前後との間隔が3秒ずつほど開いた3番手をキープした。大久保と神島の接近戦は翌周も続いたが、4周目になると神島がやや遅れ、5周目には能塚がこの神島へと接近。そして6周目、ついに能塚が2番手に浮上した。

神島も意地を見せ、抜かれてからもしばらくは能塚をマーク。しかしレースが残り2周となった9周目になると、両者の差はやや開いた。そして能塚は、トップの大久保へと接近していったが、勝負が挑める距離になる前に20分+1周のレースが終了。大久保が前大会に続いて優勝、2位に能塚、3位にはラストラップに自己ベストタイムを記録して神島を抜いた北原が入り、表彰台に登壇した。

前大会で連勝宣言をしていた大久保は、「スタートでうまく前に出られちゃいました。自分の走りはできませんでしたが、勝てて良かったです」と笑顔。午前に行われたIB-2で勝利していた能塚は、「ピンピンを達成できず悔しいですが、次戦の藤沢スポーツランドもまたサンドコースなので頑張ります」と、早くも次の戦いに目を向けていた。





IB-2では今回が初優勝となった
15歳九州ライダーの能塚智寛



雨が非常に強く降る中でスタートしたIB-2は、佐藤稔之(#83)のホールショットで幕を開けた。佐藤に続き、能塚智寛(#70)、佐々木悠大(#19)、佐藤崇弘(#77)、北原岳哲(#72)の順で1周目をクリア。2周目、佐藤(稔)が3番手まで順位を落とし、能塚がトップに浮上した。3周目に入ると能塚が後続をやや引き離し、4周目にはトップ能塚の5秒ほど後方で、佐藤(稔)、佐々木、佐藤(悠)、佐藤(崇)、北原、森地槙之介(#126)、渡辺祐介(#5)までの6台が、激しい2番手争いを繰り広げた。

レース中盤、この大集団から佐藤(稔)が抜け出して能塚に迫り、渡辺は一気に4番手まで浮上して佐々木を猛追。レース終盤には、この4台がトップ集団を形成した。そしてラスト3周となった9周目、渡辺が佐々木と佐藤(稔)を抜き2番手に浮上して、能塚に接近。10周目には、佐々木が佐藤(稔)を抜いて3番手に順位を上げた。しかし、最終的には能塚がトップの座を守ったままゴール。佐々木はラストラップに転倒し、2位に渡辺、3位に佐藤(稔)の順となった。4位には、1周目8番手から追い上げた池本凄汰(#6)が入賞。佐々木は5位となった。

能塚は「雨でグローブが滑り、この影響で腕上がりの症状が出て、いつ2番手に落ちてもおかしくない状態でした」と、タフなレースを振り返り、渡辺は「スタートで出遅れたけど2位まで追い上げられた」と、ホッとした表情で語った。





大荒れの展開を制して
3連勝を達成した邵洋子



好スタートを切った安原さや(#20)など3台ほどをパスして、2戦連続優勝と調子を上げて今大会に臨んだ邵洋子(#2)が、オープニングラップでトップに浮上。安原、延永若菜(#5)、伊集院忍(#13)がこれに続いた。2周目、邵が転倒すると、背後にいた安原も巻き込まれ、これによりトップ4台は延永、安原、邵、伊集院のオーダーに。3周目には、邵が再び転倒を喫し、延永を抜いてトップに立った安原も直後に転倒して7番手まで後退。これでトップに帰り咲いた延永も、5周目に転倒して5番手まで順位を下げ、邵がトップに再浮上する、サバイバルレースとなった。

延永の後退と同じ5周目、6番手を走っていた安原が再び転倒し、負傷によりその後にリタイア。上位勢がバタバタしている間に、1周目8番手とやや出遅れていた畑尾樹璃(#7)が着実な追い上げをみせ、3番手まで順位を上げてきた。そして6周目、畑尾は伊集院を抜いて2番手にポジションアップ。勢いをそのままに、トップの邵へと迫った。しかし、順位が入れ替わることなく、15分+1周のレースは8周でチェッカー。邵が3連勝を達成し、畑尾が2位に入賞。3位には伊集院が入り、全日本初表彰台への登壇を果たした。

「同じ場所で2度転んで、自分のマヌケさに呆れました」と邵。「スタートに失敗して表彰台は諦めていました」と畑尾。「ゴールするまで3位だと知らなくて、自己最高位のの実感があまりないです」と伊集院。転倒してもめげない走りは男子顔負けだったが、表彰台では顔に付いた泥を気にして恥ずかしがる女性らしい一面もみせた。





序盤から中盤に接戦を展開した
野口華加(#3)と佐々木麗希(#19)


5名の地元北海道出身ライダーと、海を越えての参戦となった4名の本州勢の、6歳から9歳まで計9名のキッズライダーがエントリーしたチャイルドクロス。レースは、IAライダーの走行により路面が大きく荒れたエリアを大胆にカットした1周2分ほどのコースを、5分+2周する方式で行われた。

ホールショットを奪ったのは、宮城県から参戦の佐々木麗希(#19)。しかし1周目の後半に、地元ライダーの野口華加(#3)がトップに立って、さらに佐々木をやや引き離した。2周目、佐々木がペースを上げて野口の背後へと接近。しかし3周目に入るところのフィニッシュジャンプで佐々木が転倒。これにより再び野口がリードを拡大した。そしてレースは5周で終了。結局、最終ラップにファステストラップタイムを叩き出した野口が、トップチェッカーを受けて勝利。2位には佐々木、3位には転倒を喫しながらも1周目から順位を守った塩塚大夢人(#22)が入った。