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予選リタイアの不利をはね除け
今季5勝目をマークした成田 亮 |

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他を寄せつけぬ速さを見せつけ
独走でヒート2を制した増田一将
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全日本モトクロス選手権シリーズ第6戦北海道大会は、今年も北海道のほぼ中央に位置する上川郡和寒町のわっさむサーキットで行われた。このコースは和寒町が所有、管理する町営の専用サーキットで、モトクロス、トライアルの他に冬季にはスノーモビルの全日本選手権シリーズが行われている。町の公園などが付帯する三笠山の斜面に造られたコースは、高低差のあるアップダウンとロングストレートを組み合わせたハイスピードなレイアウトが特徴。礫の多い硬質路面は滑りやすく、また飛び石の危険もあるため、立ち入り禁止のテープを張りめぐらせてコースサイドと観戦エリアを隔てた他、緩衝材と保湿効果を狙ってコース全体にもみ殻を撒くなどの対策を施し大会を迎えた。
大会期間中は土日とも、梅雨のない北海道らしい快晴に恵まれたが、強い日差しが照りつけ、また内陸部で昼間の気温も30度近くまで上がったため、コース上は散水作業が追い付かず、ホコリの舞うシーンがたびたび見られた。
年に1度の大会には、地元和寒の町民の他、札幌などからも遥々ファンが訪れ、公式発表で11,500人の観客がスリリングなレースを楽しんだ。
IA1第1ヒート。ホールショットを決めたのは杉山和起。その杉山を4コーナーの進入でパスした増田一将がリードし、1周目のコントロールラインは増田、溝口哲也、出原
忍、杉山、成田 亮、小島庸平、熱田孝高、小池田猛の順でクリアする。前半は増田のリードが続くが、ハイペースで追い上げてきた成田が出原、溝口を立て続けにパスし2番手に浮上すると、後半、その差が接近。また成田の後方から追い上げてきた熱田もここに加わり、後半はこの3台によるトップ争いが繰り広げられる。レースは13周目に成田が増田を抜いてトップに浮上。15周目、逆バンクでラインをミスした増田をパスした熱田は、バックストレートで一気に成田の前に出るが、直後に成田が刺し返し、熱田がバランスを崩して後退。逃げる成田をホンダの2台が追うトップ争いは、19周目に再び増田をパスした熱田が、最終ラップにベストラップをマークする猛チャージを見せ成田に迫るが、あと一歩及ばずコンマ3秒差で成田が優勝。2位熱田、増田は3位でフィニッシュした。
続く第2ヒート、ホールショットを決めたのは小島庸平。その小島を最初の上り坂手前のコーナーでパスした増田を先頭に、小島、出原、溝口、熱田、北居良樹、小池田、成田の順で1周目のコントロールラインを通過する。快調なペースでラップを刻み続ける増田は、序盤から2番手以下を徐々に引き離しリードを広げると、後半もペースを崩さず独走態勢に。レースは、2番手を走っていた小島が9周目にエンストで後退。代わって出原が2番手に浮上するが、小島をパスし3番手に浮上した熱田が15周目に出原も抜いて2番手にポジションを上げる。終盤、混戦を抜け出てきた成田が疲れの見え始めた出原を抜いて3番手に浮上。トップ争いは終盤熱田が増田に接近を試みるが、ハイペースを維持したままこれを振り切った増田がトップでチェッカーを受け、第4戦中国、第5戦九州大会と続いた2戦連続パーフェクト優勝に続く今季5勝目をマーク。熱田が2位、成田が3位でフィニッシュ。この結果増田が今大会の総合優勝に輝いた。
レース後増田は、「クラス初優勝もここだったし、去年はパーフェクト優勝を達成し、自分にとってここは縁起のいいコース。今年も勝てて嬉しい。」とコメント。総合2位となった成田は、「予選でミスしてグリッドが最後尾となってしまったが、なんとかスタートで前に出ることができた。優勝はやっぱりいいです。」とコメント。また総合3位の熱田は「ずっと勝ててなくて、なんとか勝ちたかったが、(増田)カズマサも同じバイクだからなかなか追い付けなかった。次の藤沢でもいいレース見せるんで、ぜひ海を渡って見に来てください。」と北海道のファンにアピールした。
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