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2004年09月08日
藤波貴久選手、日本人初のトライアル世界チャンピオンに!(続報)
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スイスGPのセクションを走る藤波選
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2004年シリーズ撫イ式

1975年にトライアル世界選手権がスタートしてから、今年はちょうど30年目にあたる。記念すべき年に、日本人としては初めてのトライアル世界チャンピオンが誕生した。藤波貴久選手(モンテッサホンダ)、24歳。

先輩ライダーたちがそうであったように、全日本トライアル選手権(こちらは1973年にスタートして昨年、30周年を迎えている)から、世界へと羽ばたいた。1995年、そして1998年から2001年まで、5度全日本チャンピオンとなった後、世界チャンピオンをめざして、藤波選手は世界選手権に専念してきた。

世界選手権。トライアルの最高峰への日本人ライダーの挑戦は、加藤文博選手から始まった。その歴史を、ざっと振り返ってみよう。日本人初挑戦は1975年、加藤選手(カワサキ/32位/フィンランド)。日本人初ポイント獲得は1980年、服部聖輝選手(ホンダ/9位/チェコスロバキア)。日本人初6位入賞は1984年、山本昌也選手(ホンダ/6位/フィンランド)。日本人初撫イ台は1992年、成田匠選手(ベータ/3位/アイルランド)。日本人初優勝&日本人初ランキング3位は1997年、黒山健一選手(ベータ/1位/スペイン)。日本人初ランキング2位は1999年、藤波貴久選手(ホンダ)。そして、日本人初チャンピオンは2004年、藤波選手が獲得した。

世界選手権の歴史においても、ヨーロッパとアメリカの選手だけが手にしていたタイトルが、初めてアジアに渡る。史上初の快挙を成し遂げた藤波選手は、歴代12人目のチャンピオンとなる。
藤波選手自身、今年は世界挑戦9年目。1年目の1996年はランキング7位。以後、ランキング4位、ランキング5位。1999年から2003年までは5年連続ランキング2位となっていた。そして9年目の今年、ついに7年連続チャンピオンの強敵ドギー・ランプキン選手(モンテッサ/イギリス)を破って、藤波選手が新チャンピオンとなったのだ。

ランプキン選手と藤波選手。この5年間の対決を優勝回数で見ると、2000年ランプキン選手17回、藤波選手0回。2001年ランプキン選手11回、藤波選手1回。2002年ランプキン選手10回、藤波選手4回。2003年ランプキン選手4回、藤波選手6回。優勝回数では昨年、藤波選手がランプキン選手を上回った。そして2004年ランプキン選手4回に対して、藤波選手は8回の圧倒的な優勝回数を誇る。この強さが、藤波選手のトライアルライダーとしての総合力の高さを証明している。

9月4・5日、スイスのムティエーで行われた、世界選手権第10戦(最終戦)スイスGP。この大会はコースが一周20kmと長く、通常は5時間30分の持ち時間が6時間10分に延長されて行われた。競技は1日毎に与えられた持ち時間内にコースと15カ所のセクション(採点区間)を2ラップして争われ、合計減点が最も少ない者が勝者となる。1位から15位までに20ポイント〜1ポイントが与えられ、最も多くのポイントを獲得した者がシリーズチャンピオンに輝く。

藤波選手は、大会1日目は1位ランプキン選手、2位アダム・ラガ(ガスガス/スペイン)選手に続く3位となった。このため、チャンピオン決定は2日目に持ち越されてしまった。とはいえ、大会2日目の藤波選手は、15位以内に入賞すればチャンピオンとなる計算だった。しかし、2日目は2位となった藤波選手が、2日目も1位となったランプキン選手に16ポイント差をつけてタイトルを奪取した。

この偉業に対して、日本モーターサイクルスポーツ協会を管轄する文部科学省の河村建夫文部科学大臣は、以下のような祝電をスイスGPの撫イ式に臨む藤波選手に贈った。
「藤波貴久選手、2004年世界トライアル選手権シリーズのチャンピオン獲得、おめでとうございます。日本人で初めてチャンピオンを獲得したことは大変素晴らしいことであり、藤波選手の活躍は、日本でモーターサイクルスポーツを志す若者に勇気を与えました。これからも、世界をリードする選手として活躍されることを期待します」(文部科学大臣 河村建夫)

長い年月にわたり、日本から世界に挑戦してきた。その歴史的な成果とも言える、藤波選手の快挙。過去最強のチャンピオンを倒した、新チャンピオンが挑む。2005年のトライアル世界選手権は、これまで以上に大きな注目を集めることになるだろう。

(Photo & text: Syuji FUJITA)




 
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