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全日本選手権シリーズランキング
 

写真&レポート

黒山健一、二連勝
ゴールしてみればトップと3点差
2位の小川友幸
腰の痛みが影響してしまった
3位の野崎史高

国際A級スーパークラス

2008全日本トライアル選手権シリーズ第2戦 九州大会

2008年全日本トライアル第2戦は、今年も昨年同様に九州は鹿児島県日置市の錫山トライアルランドで開催された。トライアルもモトクロスもできるオフロードランドだが、森の中のヒルクライムや苔むした沢の岩盤など、変化に富んだ地形が用意されて、ライダーからも走りごたえがあると好評だ。

昨黒山健一(ヤマハ)の開幕戦優勝で始まった2008年全日本トライアル。チャンピオン、小川友幸(ホンダ)が挽回をするのか、あるいは野崎史高(ヤマハ)や田中太一(ホンダ)、小川毅士(ホンダ)らがふたりを上回るパフォーマンスを発揮するのか。注目の第1セクションは、黒山、小川友幸、野崎史高、小川毅士、そして坂田匠太(ガスガス)の5名のクリーンで始まった。三谷英明(ホンダ)と小森文彦(ホンダ)が1点、田中善弘(ホンダ)が2点、井内将太郎(ベータ)と田中太一(ホンダ)は5点という幕開け。

3セクションまでをクリーンしたのは黒山、小川友幸、野崎、小川毅士の4名で、さらにこの後、黒山と小川友幸の二人が試合を牽引していくことになる。滑りやすい第2セクションやヒルクライムの第9セクションも難セクションだったが、勝負どころとなったのは泥々の沢に設けられた第6、第7セクションだった。特に第7セクションの難度が高かった。1ラップ目、ここをただひとりクリーンしたのが小川友幸だった。しかし黒山も1点でここを通過して、勝負は1点を争う緊迫した状況が続いた。

1ラップ目を折り返したとき、トップは黒山だが、小川はたった1点差で食らいついていた。3位の小川毅士は18点、4位の野崎が19点だから、その差は小さくない。ふたりだけが、抜きんでて少ない減点でセクションを駆け抜けていく。小川毅士と野崎の3位争いも接戦で注目に値するが、トップ争いの緊張感には主役の座を譲らざるをえない。

野崎や小川毅士は、ゴール直前に設けられた人工の最終セクションを、なかなかクリーンすることができなかった。これに対し、黒山と小川友幸は、3ラップともクリーン。ふたりが3ラップともクリーンしたセクションは、10セクション中6セクションにも及んだ。

二人が集中的に減点したのが、沢の第6、第7セクション。難度は第7セクションのほうが高かったといい、そのとおり、黒山の減点は第6で計3点、第7では計11点だった。しかし小川友幸は両セクションで8点ずつを失っている。黒山にリードを許している小川友幸が、挽回のためにクリーンを狙い、それが裏目となって失点を増やしたものだ。

結局、この差は最後まで逆転されることなく、ゴールでは3点の点差を持ったまま、黒山が開幕第2戦を勝利で飾ることになった。3位は腰痛で下見もままならないながら野崎史高が入り、序盤3位だった小川毅士が4位。田中太一は今回は5位に甘んじた。6位の井内は前回と変わらないが、7位以降は開幕戦とは異なる順列で並んでいる。リザルトに変化があるから、次の戦いが楽しみになる。今年の全日本は、おもしろい。

トップ争いも、黒山の強さは盤石か、あるいは小川が次戦以降チャンピオンの強さを取り戻すか、興味はつきない。全日本トライアルはまだまだ始まったばかりだ。

【黒山健一のコメント】

「今日は、勝ったのもそうですが、久しぶりに雨の大会で優勝できたというところが、かなりうれしいところです。それに、今日の小川さんは、点数をよくまとめる走りをしていました。近くを走っていて、それがずっと見えてました。ミスをしたほうが負けですから、精神的につらい戦いでもありました。今日の勝負どころは第7セクションですね。一度くらいクリーンしたかったけど、走れば走るほどコンディションが悪くなるセクションで手ごわかったです」


【小川友幸のコメント】

「開幕戦に比べればイイ走りができたと思います。自分のミスをもうすこし減らせれば、走り自体はそんなに悪くなかったと思います。クリーンするべき第6セクションで5点をとったことが痛かったですね。あそこで一気に差が開いて、走りに力みが入ってしまいました。それで、1点をとりにいけば安全に抜けられるセクションで、5点をとってしまうケースがありました。追う立場で試合をすると、こういうミスも出てきてしまいますね。次戦までもっと乗り込んで望みたいです。次は勝ちます」

【野崎史高のコメント】

「ぎっくり腰をやってしまって、歩けない状態でした。そういうコンディションでの3位なのでよしとはしますが、上の2人と勝負できなかったですね。腰のせいで走りがおかしくなったりということはなかったと思いますが、全体に元気がなかったですね。2ラップ目以降は、ちょっと回復できて、それで3位を維持できました。3位は最低ラインなので、これが維持できてよかったです。とにかく次回までにきちんと治して、いい勝負がでいるようにしたいです」

 


野本佳章が、初勝利

国際A級

野本佳章(ベータ)は、正直なところ伏兵だった。いつも、序盤が調子よくても、後半に調子を崩して順位を落とすことが多かった。それが今回は、まったく逆の展開だった。1ラップ目11位、2ラップ目4位。そこから、3ラップ目には10セクションすべてをクリーンして、国際A級初優勝を達成した。

野本が調子を上げるまで、トップにいたのはベテラン本多元治(ホンダ)だった。1ラップ目と2ラップ目が3点ずつ、3ラップ目も8点だから、悪くはない。しかし、野本の完璧なパフォーマンスの前に、2位に甘んじることになった。
柴田暁(ホンダ)も踏ん張った。2ラップ目には2位まで追い上げながら、柴田もまた、野本のオールクリーンでポジションをひとつ落とすにいたった。しかし初表彰台は、大きな金星だ。

前回優勝の西元良太は、落ち着いた走りはあいかわらずながら、1ラップ2ラップともにふたつずつの5点があって勝利は遠かった。しかし3ラップ目を1点で終えて、4位まで順位を回復したのはさすがだった。

2008年の国際A級は、2戦とも、初優勝ライダーが勝利した。才能の宝庫であるこのクラス、まだまだ開花する才能が次の勝利を狙っている。

【野本佳章のコメント】

「A級5年目にして初優勝。とってもうれしいです。実は先日兄が突然亡くなってしまい、家族が沈んでいたんです。だから今日は優勝してみんなの気持ちを盛り上げたいというメンタルな追い風があったと思います。今まで「運」に頼ってばかりでした。5点とったら運がわるかった。クリーンしたら運が良かったというように。でも兄の死を機に、運なんてない、クリーンは自分でもぎとるしかないんだと思いを切り替えました。それで結果が出たんだと思います。とても大きな勝利です。第1戦で西元さんが優勝、そして今回の僕の優勝。アカデミーにかかわっている僕たちが連勝したことで、アカデミーも活気づいてくれればいいなと思います」

 


上福浦明の勝利
小野田と同ポイントで並んだ

国際B級

前回優勝の小野田理智(ホンダ)は今回も好調。終盤まで、ずっとトップを守り続けた。しかし、勝利は3ラップ目をたった3点でまとめた上福浦明男(シェルコ)だった。ふたりはともに、国際A級経験者だが、ブランクのあとの復帰シーズン。器もちがうが、しかしそれぞれに、試合に対する組み立てがあるようだ。

試合はまだ2戦が終わったところだが、これで上福浦と小野田はランキングポイントで同点になった。今シーズンは、どういった展開となるのか、まだまだ結末は見えない。

3位に入った松浦翼(ホンダ)は、開幕戦で6位に入った新進気鋭。トライアルを初めてまだ間もない。まだまだ将来が期待できる。松浦を始め、若手ライダーが「器のちがう」先輩たちに、どう切り込んでいくかも、今シーズンのお楽しみだ。

【上福浦明男のコメント】

「今日は前半とても苦しかった。自分の狙いがどんどん裏目に出てしまいました。2ラップ目は1ラップ目で失敗したところを別の攻略法で挽回をはかりつつ、3ラップ目は計算通りにきちんと挽回できた。そいう攻略をしながら走れたことが楽しかったです。僕と同じ境遇の、仕事を持っていて、限られた時間しか乗れない人たちはたくさんいると思いますが、勝ち負けよりも、自分が行けるかいけないかチャレンジする結果が、5点だったり3点だったりする。それを受け入れて楽しむことが大事かなと思っています」

 



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