レース情報 ライセンス ダウンロード おすすめショップ 当協会について
 
rece
種目別最新情報
tree01 ロードレース
tree01 モトクロス
tree01 トライアル
tree01 ドラッグレース
tree01 スノーモービル
tree01 スーパーモタード
tree01 エンデューロ
tree02 その他競技種目
レース観戦情報&レース結果
tree01 ロードレース
tree01 モトクロス
tree01 トライアル
tree01 スノーモービル
tree01 スーパーモタード
tree02 エンデューロ
レースカレンダー検索
TV放送予定
tree02 BS/CS , 地上波
国内競技規則書
公認車両
公認用品・部品
アンチドーピング
全日本選手権シリーズランキング
 
 


新チャンピオン誕生
小川友幸
ランキング2位、黒山健一
3位の野崎史高
国際A級スーパークラス

いよいよ最終戦の全日本選手権。最終戦第8戦は中部大会。岡崎市近郊のキョウセイドライバーランドが会場だ。地の利がよいことと主催者側の努力もあって、たくさんのギャラリーが日本のトップテクニックを満喫した。今回は、全日本の3クラスが3クラスとも、タイトル争いのクライマックスを迎え、緊張感のある最終戦となった。

小川友幸(ホンダ)4勝、黒山健一(ヤマハ)3勝。ここまでのポイント差は9点で、小川は最終戦を勝たずとも5位に入ればシリーズチャンピオンを決定する。国際B級でチャンピオンとなって以来、無冠を続けてきた小川にとって、ようやく夢のかなう日がやってきた。

タイトル争いの趨勢は固まっていたが、しかし小川も黒山も、最終戦での優勝をめざしていた。黒山はたとえここで勝利したとしてもタイトル獲得はほとんど絶望的だが、来年につなげるため、また勝率を小川と同率の5割とするために、最後に勝っておきたかった。もちろん小川は、勝ってチャンピオンになりたいし、勝率で同率でチャンピオンとなるより、1勝多く勝って堂々と栄冠に輝きたい。

序盤、好調だったのは黒山だ。最初の3セクションをすべてクリーン下のは黒山のみ。1ラップ中盤の7セクションにさしかかったときには、黒山が3点、小川と田中太一(ホンダ)が5点、野崎史高(ヤマハ)が11点と、黒山が優位に立っていた。

ところが小川、田中、野崎がクリーンした第8セクションの山砂の崖を登っていくポイントで黒山が失敗。ひとつめの岩を越えたときにエンジンが不調をきたし、そのまま加速せざるをえなかったためだった。これで四者の点数は一気に接近し、緊張感漂う戦いとなった。5点となるおそれのある難セクションも多い一方、それらを最小減点で通過すれば逆転のチャンスも多いから、選手にすればダイナミックな戦いが演出できたにちがいない。たとえば第9セクションでは、小川も黒山も5点となったが、野崎ひとりが1点で通過した。野崎はカードを飛ばしたりで不本意な減点があったが、この1点で黒山を逆転して、トップに2点差まで追い上げた。挽回のチャンスはそこここにあった。10セクションを終えて、小川と田中が10点。野崎が12点、黒山が13点。いい勝負が続く。

しかし1ラップ目の持ち時間が残りわずかになった。ライダーは自分が真っ先にセクションに入るのをきらう。その結果、第1セクションをトライするのに、彼らは1時間近くを費やしてきた。そのつけが最後に回ってきたわけだが、これも勝つための作戦だから、いたしかたない。時間のない中で真っ先に走った田中は、11セクション以降、3セクションをすべて5点となった。

最終セクションをエスケープして1ラップ目のゴールに飛び込んだ小川と黒山は、それぞれタイムオーバーもあった。小川が4点、黒山が5点。さらに田中には6点、野崎に至っては7点のタイムオーバーだった。

中部大会は、いつもの全日本とは競技形態が少しちがう。いつもは10セクション前後を3ラップするが、ここでは13セクションを2ラップする。そして国際A級スーパークラスに限って、さらにSSと呼ばれる特別ステージを3セクションを行う。会場の見やすい場所にSSを置いての、観客サービスの一環でもある。同じセクションを3回走るのと、少し戦い方もちがう。

1ラップ目にトップをとった小川は、2ラップ目も好調をキープした。2ラップ目の減点そのものは黒山のほうがややよかったが、1ラップ目の点差を逆転できるほどではなかった。小川は第2セクションを失敗して転げ落ちるというアクシデントにも遭遇したが、一方1ラップ目に野崎だけが1点で抜けた第9セクションを1点で抜けた。黒山はここでふたたび5点となった。2ラップ目の勝負はほぼ互角だったから、小川はリードを保ったまま、SSの3セクションを迎えた。野崎や田中は、1ラップ後半から減点を増やし、そのまま優勝争いから離脱してしまったかっこうだ。

小川と黒山は、持ち時間が残り少なくなった試合後半も、お互いのトライを見守りながらセクションを回った。同じようなペースで回れば、スタートの遅い小川のほうが持ち時間には余裕が出る。相手の状況を把握しながら回れる優位もある。結局2ラップ目後半とSSでも、持ち時間との戦いは続いた。

SSのひとつめは法面の岩盤を上り下りするダイナミックセクション。ここで華麗なクリーンを見せたのが野崎だった。気迫のこもった走りは、ギャラリーの興奮を呼んだ。しかし野崎は、続くふたつめの最後の登りにつかまって5点。黒山との10点差を埋めることができず、3位を確定した。田中はSSの3セクションをすべて5点となり、野崎に15点差で4位に甘んじた。

北海道大会以来2度目の全日本出場となった小川毅士(ホンダ)は、SSに入る際の特別ルールを理解できずに、カード交換をしないままSSの3セクションをトライして3つのSSをすべて不通過扱いの10点となった。ただ結果的にはこれによって順位の変動はなかったが、同じようにSSの第1を不通過扱いとなった尾西和博(ホンダ)は、ここで5点を加えることで6位から最下位の8位まで順位を落とすことになった。シーズン前に手首骨折の重傷を負った尾西は、最終戦でも痛恨を残すことになってしまった。

最後にSSをトライした小川と黒山は、黒山が第1で2点、小川が1点。小川は第2、第3をクリーンしてみせ、第2で1点をついた黒山を引き離してゴールに向かった。タイムオーバーは、小川、黒山とも4点、9点差で、最終戦中部大会は小川のものとなった。小川が地元である中部大会で勝利したのは、これも国際B級の当時以来だという。

表彰式のあとは、小川のタイトル獲得を祝うセレモニーが次々に行われ、いつになく、試合の幕引きは遅かった。

【小川友幸のコメント】

「タイトルへの緊張は、ずいぶんありました。どんなふうに戦っていいかわからないという状況に陥って、ずいぶん悩んでいました。それで前半はいい走りができなかったのですが、後半は自分の走りを取り戻してこれたので、勝率でも黒山選手に並べて、最高の最終戦となりました。試合はSSもあったので、どこで逆転されるかわからない。最後の最後まで気が抜けませんでした。いいシーズンだったと思います。完璧な1年が送れました。応援、ありがとうございました


【黒山健一のコメント】

実はマン島のデ・ナシオンでギックリ腰となって、走れるぎりぎりの状態でした。朝一でキャブレターの調子が悪くて、新品に取り換えたのもよくなくて、他人のマシンみたいになってしまった。でもやはり今年は序盤に3位が続いたことで、無理かなぁという思いはありました。せめて北海道で2位に入っていれば後半も可能性があったのですが、あそこでの3位が致命的だった。2位は悔しいですけど、1位があたりまえという感じで戦ってきましたから、これを機会に、気持ちを入れ替えて今後のトライをしようと思います。今日はお客さんがとっても多くて、SSで盛り上がって、よかったですね

【野崎史高のコメント】

最後のSSは調子よかったんですね。あれが最初からでていればいいんですけども。全体的にはカードを触ったとかの不本意な減点もあって残念でしたけど、3位に入れて、よかったという感じです。今シーズンは、優勝がなかったのがくやしいですね。来年の目標は、まずは1勝です。課題はたくさんありますよ。今年は惜しい試合もありました。でもぜんぜん惜しくもなく上位に追いつけない大会もありました。来年は、勝てなくても惜しい負け方になるくらいにしたいところです」
 

優勝した成田匠
シリーズチャンピオン獲得!

国際A級

成田匠(ヤマハ)と小森文彦(ホンダ)とのタイトル争いは、たった2点差で最終戦を迎えた。これで両者は最終戦で勝ったほうが無条件でタイトルを獲得するという戦況を迎えた。いつにもまして、勝利に対して緊張感の漂うふたりだった。

125には厳しいだろうと思われる大ヒルクライムなどもあったが、そんなセクションを巧みに攻略していくのも成田のいつものスタイル。一方、このところ出だしに減点の多い小森も、今日は減点を最小限に抑えて、ステディな戦いを演じている。

1ラップ目の途中経過が放送で流された。成田が4点に対し、小森が5点、3位は白神孝之(シェルコ)の7点。この点差では、5点ひとつで簡単に試合はひっくり返るから、気は抜けない。

2ラップ目、オールクリーンは無理にしても、ラップを2点で終えるライダーがちらほら現れた。1ラップ目に7位だった本多元治(ホンダ)と白神だ。しかしそれでも、優勝争いには届かなかった。小森は2ラップ目を3点で終えた。一方成田は1ラップ目と同様、2ラップ目を4点で終えている。

結果、トップのふたりは減点8点で同点となった。成田は2点減点が4つ、たいして小森は1点が3つ、2点と3点がひとつずつ。この結果、クリーン数わずかにひとつの差で、成田の勝利が決まった。今回の勝利は、同時にシリーズタイトルを決定づけもした。クリーン数で決まったチャンピオン。し烈な戦いのシーズンだった。破れた小森も、くやしさをにじませながらも、実力を出しきって悔いのない晴れ晴れとした結末を味わっていた。

【成田匠のコメント】

「レベルの均衡したA級のみんなとの戦いは、ほんとにいい戦いができました。今日は1ラップ目からトップだったというけど、たった1点差で、なにがあるかわからない。ほんとに最後まで気を抜かずに走りました。小森くんとは同じペースで回っていたから顔を合わせたけど、お互いに正確な点数を把握していなくて、デモどっちが勝つにしてもがんばろうと声をかけあって走りました。いいトライアルができたと思います」


優勝。藤巻耕太
チャンピオンは
平田貴裕が獲得

国際B級

平田貴裕(スコルパ)と滝口輝(ホンダ)の6点差のチャンピオン争い。これにケガで途中欠場が続いた藤巻耕太(ガスガス)がからむ国際B級の争い。

平田は3位以内に入れば無条件でチャンピオンとなる。しかし、その平田の調子が上がらない。練習中にエンジンをこわし、クランクケースを組み換えての参戦となったという。いつものエンジンと微妙にちがう感触もあったのかもしれない。1ラップ目の平田は、6位にとどまった。

トップをキープしたのはやはり藤巻だった。1ラップ目は8点。1ラップを一桁で回ってきたのは、藤巻だけだった。しかもその減点も5セクションまでで、6セクション以降はすべてをクリーンしてきたのだから、やはりこの125乗りはほんものだ。滝口は13点と滝口に5点差ながら、13セクション全体に渡って減点を喫していた。

2ラップ目、思わぬ伏兵が登場した。小野田理智(ベータ)。マシンは旧型のテクノだが、もともとA級ライダーの実力者。長いお休みでB級に降格しての戦いとなった。小野田の2ラップ目はこれも一桁減点の7点。これで1ラップ目の7位から、一気に3位にジャンプアップした。

平田も2ラップ目は追い上げたが、なんとか4位争いの頭にでるところまで。小野田に表彰台を奪われたかたちで4位で最終戦を終えた。これで滝口が優勝していたら1点差でチャンピオンの座を譲らなければいけないところで、実際、競技中にはチャンピオンのことはあきらめたという。

しかし滝口は滝口で、藤巻に優勝を阻まれていた。滝口の追い上げは急だったが、これに藤巻がからむという今シーズンを象徴するような争いで、結局わずか2点差で平田のタイトルが決定した。平田は兄の雅裕が2006年のB級チャンピオンとなっていて、兄弟で2年連続タイトルを獲得した。

【藤巻耕太のコメント】

「今日は出だしがとても緊張していて、1ラップには体がうまくうごかなった。バタバタ足が出てしまいました。でも1ラップ目の後半から気持ちを入れ替えて、クリーンをねらって、クリーンが出るようになりました。体も動いてきたので、よい走りができるようになりました。今年はケガもしたけれど、いいシーズンだったと思います。来年はA級でがんばります。今のままではA級のセクションを走るのは厳しいと思いますから、これからたくさん練習してがんばります」

【平田貴裕のコメント】

「1ラップ目は調子が悪くて、途中からなんとかまとめられるように追い上げました。1ラップ目は、チャンピオンはあきらめかけました。それで、チャンピオンのことは気にせず走るようにしました。シーズン前半に調子よかったんで、その貯金で後半調子悪くても、チャンピオンになれたんだと思います。後半はほんとにイマイチで、北海道で優勝して以来調子が出なくて残念でした。今回も、今週になってエンジンこわしちゃって、今日の出場に間に合うかどうかぎりぎりだったんです。チャンピオンとれて、ほんとにうれしかったです」


Copyright 2003 Motorcycle Federation of Japan All Rights Reaserved.
|