成田匠(ヤマハ)の連勝で、流れが成田に傾きつつあった国際A級。しかし、その成田が失速した。今回は5位。今シーズンは、開幕戦の4位がもっとも悪い成績だったから、今回はワースト記録を更新したことになる。 天候の悪化をかんがみて、セクション設定はやさしめとなっていた。しかしA級がゴールする頃には、天候はなんとかもった。おかげでセクションが簡単な神経戦となった。 1ラップめ、トップは小森文彦(ホンダ)で減点0。2位が本多元治(ホンダ)で減点1。3位が成田で減点2。本当に1点を争う神経戦だった。 2ラップめ、小森が1点、本多が4点を加えるも、順位は変わらず。成田は5点をふたつとって、これで順位を5位まで落としてしまった。この日のコンディションでは、5点ふたつとって優勝戦線にからむことはできない。 替わって3位に浮上したのは白神孝之(シェルコ)。白神は、なんと2ラップ3ラップとオールクリーン。1ラップめの減点のみで走りきった。 三谷英明(ホンダ)は、いつものとおり1ラップに少し減点が多かった。2ラップ3ラップは1点ずつと悪くないが、4位まで浮上するのがいっぱいだった。 これで、11点あった成田の選手権のリードは2点となった。いまだ成田はランキングトップだが、2点のリードは、あまりにも小さい。最終戦では、成田か小森か、し烈な争いが期待できることになった。 【小森文彦のコメント】 「久しぶりに優勝できて嬉しいです。最近は1ラップ目が悪くて追い上げることが多かったんですけど、今日は1ラップ目からオールクリーンを出せました。その後ちょっとミスはありましたが、大きな失敗がなかったことがよかったです。ミスを誘うようなセクションが多いので自分との戦いでした。ちょい足を出さないよう、耐えながら走りました。特に勝ちは意識してませんでしたが、自信は持っていました。残り1戦。さらに気合い入れて挑みます」
開復帰した藤巻耕太(ガスガス)を加えて、平田貴裕(スコルパ)、滝口輝(ホンダ)、若武者3人によるトップ争いが展開される国際B級。 今回は滝口と藤巻が3点で同点。クリーン数の差で滝口の勝利が決まった。1点が3つの藤巻に対し、1点と2点がひとつずつの滝口が、クリーン数ひとつ上回ったのだった。 1ラップ目は、滝口と平田がオールクリーン。これに藤巻が1点で続いた。しかし平田は2ラップめに5点、3ラップめに6点と減点して4位まで順位を落としてしまった。替わって3位は、ベテラン水間康輝が入った。 これでランキングでも、平田、滝口、藤巻が上位3位を占めることになった。欠場のある藤巻はもはやたいとるの可能性はなくなっているが、今回の滝口の勝利で、平田と滝口のポイント差は6点に縮まった。滝口が優勝し、平田が3位以下となった場合は滝口の逆転チャンピオンが決定する。まだ一波乱起きそうな今年の国際B級である。 【滝口輝のコメント】 「セクションが簡単で、高いステアケースがなかったので、とにかくミスしないように心がけました。ツルツルのところで失敗しないよう特に注意しましたけど、減点は不注意の結果ですね。今シーズンの中盤あたりは、勝つことばっかり考えていてあまり楽しくなったんです。後半戦は楽しみながら走ろうと心がけたら調子があがってきた気がします。たまにはちがう人が勝ってもいいですよね」