2019年9月28〜29日、オランダのTTサーキット・アッセンで、Monster Energy FIM Motocross of Nations(モトクロス・オブ・ネイションズ=MXoN)が開催された。72年という歴史を誇るこの大会は、モトクロスのオリンピックの異名を取る国対抗団体戦で、毎年世界選手権MXGPシリーズ終了後に行われることが恒例となっている。 サーキットでMXoNが開催されるようになったのは、ビッグイベントに集う観客数に対応できるインフラを重視したためで、近年ではゾルダー(ベルギー)、ドニントンパーク(イギリス)、フランチャコルタ(イタリア)といった開催例がある。今大会はアッセンのメインストレッチから最終コーナー方面に延びる観客席を活用する形で、ロードコース/グリーン/パドックに多量のサンドを搬入し、1周約1分50秒を要すモトクロスコースが造成された。 今年の日本代表は、#61 成田亮(ホンダCRF450RW/MXGP)、#62 大塚豪太(ホンダCRF250R/MX2)、#63 富田俊樹(ホンダCRF450RW/Open)。今大会が初出場となる大塚は、当初選出された能塚智寛に代わるピンチヒッターとして抜擢された。 予選レースが行われた土曜日は、ダッチウェザー(晴れ、曇り、雨が目まぐるしく変化する)に翻弄されながらも、路面状況はドライに近いサンドで、ジャンプなどの形は保たれていた。 MXGP予選では、成田がスタート6番手につけたが、2コーナーの混戦でバランスを崩して後退。その後のセクションで転倒車を避けようとして転倒し、オープニングラップ24番手から巻き返しを図ることになった。成田はその追い上げ中の5周目、足が接地した際にヒザを痛め、直後にコース外に飛び出しアスファルト上で転倒。身体のダメージが大きかったため、リタイアを喫し33位で予選を終えた。 MX2予選では、大塚がオープニング24番手からレースを開始。深い轍と格闘しながら、24〜25番手で周回を重ねた。ところが終盤10周目、エンジンをストールさせて止まったところに後続車がクラッシュ。その際にセルフスターターのスイッチが破損してしまったため、再始動不能でリタイア。リザルトは29位となった。 Open予選では、富田が1周目21番手につけた。MXGPとMX2の予選結果によって、B決勝に進むことが決まっていたため、富田はコースを学習するモードに切り替えて走行。25位でチェッカーを受けた。 日曜日は未明からの降雨によって、コースがマディコンディションに様変わりした。朝の練習走行をキャンセルした成田の脱落によって、B決勝には富田と大塚の2人のみが出走したが、敗者復活の条件である1位通過は望めなかった。。B決勝では、富田11位、大塚24位、成田DNS。今年のテーム総合成績は、29位だった。 次回のMXoNは、2020年9月26〜27日、フランスのエルネーで開催される。 ▽リザルトはMXGP.comをご覧ください。